2015年度 弊社卒業生の進路選択状況

3月 2nd, 2015

 先々週末には、三篠校と広島校の卒業会(中学受験を終えた6年部生のお別れ会)が行われ、これで弊社の全ての校舎で6年部生の通学が完了しました。

 卒業会は、6年部の1年間で唯一勉強のない通学日です。この日だけは勉強のことを忘れ、ともに励まし合い、競い合ってきたクラスメートと様々な話題に興じたり、ビンゴゲームなどを楽しんだりします。小学生にとって、相当に負担となる受験生活だからこそ、一緒に学んだ仲間同士の絆は強いものです。それぞれ別の中学校に進学しても、ずっと友人関係が続くことも珍しくありません。

 卒業生のみなさんには中学校という次の人生のステージで、新たな目標めざして努力を継続していただきたいと切に願う次第です。

 さて、卒業生から提出いただいた進路報告書がほぼそろいましたので、弊社の6年部会員の進路選択状況をご報告いたします。今年は女子が例年よりもかなり多く、逆に男子が例年よりもやや少なめでした。主要中学校への進学者の数は、会員の数にどうしてもある程度比例しますので、その点をお含みおきください。

 2015年度の弊社会員受験者の主要中学校への進学状況は次の通りです。(※人数は3月9日現在当社が確認できた当社会員生によるものです。)

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 まずは私立男子校から状況を見てみましょう。広島学院への 弊社会員受験生の合格者は62名でした。そのうち、56名が同校へ進学するもようです。私学最難関校ですから、合格者の歩留まりが非常に高いことがわかります。募集定員の30%あまりの進学者を輩出したことになり、まずまずの結果であったと受け止めています。ちなみに、広島学院合格者で他校への進学を選んだ受験生は広大附属が4名で修道が2名でした。

 修道への合格者は120名でした。そのうち、68名が同校に進学するもようです。修道に合格したものの他校に進学するケースですが、その大半は広島学院です。その他では、広大附属を選んだケースが5~6件、なぎさへの進学が1件ありました。

 女子私学最難関のノートルダム清心には、弊社の会員受験生88名が合格しています。そのうち、69名が同校へ進学するもようです。定員に対する占有率は約38%で、弊社に要請される役割をまずまず果たした結果となりました。同校に合格し、別の中学校を進学先に選んだケースは、広島女学院と広大附属が大半で、それぞれ7~8件ありました。それ以外では、県立広島を選んだ事例が3件ほどありました。

 広島女学院については、今年の合格者の入学率が学校サイドの予想をはるかに超える事態が生じ、定員を大幅に超える入学者があったもようです。弊社から180名が合格し、そのうち94名が同校へ進学するもようです。定員200名で計算すると大変な占有率ということになりますが、前述のように実際には入学者が定員をはるかに超えていることが予想されるため、正式な発表をみて結果を見極めたいと思います。

 つぎに、国立・公立の学校の進学状況を見てみましょう。広大附属への弊社合格者は男女合わせて41名(男子28名・女子13名)でした。男女の数がかなり異なっている理由は、男子の合格発表数が135名で、女子の合格発表数が65名であることで納得いただけるでしょう。例年、女子の歩留まりのほうが高く、そのため男子合格者が多めに発表されています。

 なお、広大附属の場合、上記とは別に附属小からの内部受験による合格者がいます。今年は男子17名、女子が20名の内部合格者がいたようです。広大附属の定員は120名(男女比は原則半々)です。このことから、外部からの入学者は83名前後になることが予想されます(今年は補欠繰り上がりがほとんどなかったので、入学者数は定員を超えている可能性があります)。

 仮に今年の広大附属入学者が定員と同じであった場合、120名の入学者中、外部受験による入学者が83名として、弊社からの入学者男女合計20名(1名は内部受験の合格者なので、この数に入れていません)で計算すると、占有率はおよそ24%となります。他の主要校の弊社占有率に照らすと、期待値より多少少ないものの、ほぼ妥当な結果であろうと思います。

 なお、広大附属への男子合格者28名のうち、11名が同校に進学するもようです。残りの17名の進路ですが、ほとんどが広島学院です。女子の広大附属合格者は13名でしたが、そのうちの10名が同校へ進学するもようです。残る3名の進路は全員ノートルダム清心です。

 広島県立広島中の志願者は、昨年の682名に対して723名と、私学の大半が昨年比で数を落としているなかで、40名あまり増えており、同校の人気をうかがわせる結果となっています。弊社からの合格者は33名で、そのうち20名が同校へ進学(東広島校から男子5名、女子9名が進学。残り6名が弊社の他校から進学)するもようです。前述のように、弊社の東広島校以外からも進学する受験生がおり、今後そうした傾向が強まるかもしれません。

 昨年、466名の志願者を集めて注目された市立広島中等教育学校には、今年さらに増えて509名の志願者がありました。同校は交通アクセスの点で広域からの通学は困難ですが、この志願者数は同校への期待の表れでしょう。弊社の会員受検者はまだ多くはありません(男子9名、女子16名)が、今年は17名が合格し、そのうち8名が同校に進学するもようです。

 前述の県立広島と広島中等教育は公立一貫校の強み(学費負担、施設等)もあり、合格発表は定員きっかりで、以後入学手続き状況を見て順次補欠者を繰り上げておられるようです。今年は両校ともそこそこ補欠繰り上がりがあったようです。両校の入学者選抜で行われる適性検査に対応するには、ある程度以上の基礎学力が必要ですが、資料の分析や論述といった形式の課題であることから、合否結果は教科学力を問われる入学試験での力関係とは必ずしも一致しない面があります。また実質倍率が高いこともあり、来年以降に受験を視野に入れておられるご家庭は、そうした側面も考慮に入れておく必要があるでしょう。

 「この学校以外は考えていない」といったご家庭はともかく、そうでない場合、上記の公立一貫校だけの受検は避けたほうが賢明でしょう。一般の学力試験の対応力もしっかりと身につけたうえで試験に臨まれることをお勧めします。また、中学進学後はどの学校にせよ学力をつけるための勉強は同じですから、確かな基礎学力をつけておくことの必要性は何ら変わりません。

 広島城北と安田女子は、昨年比で受験生の数を減らしています。また、広島なぎさも一時と比べると志願者はやや少なめです。ただし、どの中学校もしっかりとした体制のもとで熱心な教育を実践しておられます。それぞれの学校の校風や教育内容をよくお調べになり、「わが子を行かせてみたい」と思われたなら、進学して決して後悔はされないでしょう。むしろ、無理のない範囲で基礎をしっかりと固めたうえでこれらの中学校に進学されることが、お子さんの将来にとってよい結果をもたらすことにもなります。弊社からは、これらの3校にも上表のように多数のお子さんが進学される予定です。

 上記以外の進学先は、崇徳、山陽女子、AICJ、広大附属東雲、広大附属三原、県外の中学校です。弊社は広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院など、私立完全6か年一貫校への進学を基本において指導にあたっています。試し受験や遠征受験を推奨していませんので、前述の中学校以外の受験は少数です。ただし、国立の伝統校広大附属、近年人気となっている県立広島などへの進学を検討される家庭もたくさんありますので、こうした学校への進学指導もしっかりと行っていきます。そうした結果が、今年の入試合格者数、進路選択であるとご理解ください。

 なお、重複合格を得た場合の学校選択ですが、おおむね難易度の高いほうの学校を選ばれるのは昔も今も変わりません。ただし、多少意外に思える選択をされるご家庭もあります。こうした家庭には独自の教育観があったり、親の出身校であるなどの理由があったりします。近年は、お子さんの強い希望が反映されてそうなるケースも多いようです。そして、そういった理由で選択されている家庭のお子さんは入学後も順調に学校生活を送っておられます。「喜んで入学する(させる)」、「希望をもって入学する(させる)」ということが、いかに大切なことかを教えられるような気がします。

20150302 以上が、今年の弊社の6年部会員受験者の進路選択の概況です。全般的に言えるのは、以前のような過度と言えるほどの中学受験熱は沈静化し、どの中学校もかつてよりは入りやすくなっています。また、公立一貫校の台頭もあり、様々な受け皿が存在しつつ、入試合格を巡る競争も全体としてはさほど厳しくありません。これは決して悪いことではありません。一般の公立学校も含め、県の教育水準が全体として向上していくことが望ましいのではないでしょうか。

 お子さんが無理のない受験生活のもと、しっかりとした学力を築いたうえで受験を乗り越え、適切な学校選択をされれば、中学・高校生活でさらなる成長を果たせることでしょう。とは言え、行きたい学校に全員が行けるわけではありません。なかには、望んでいた進路を得られなかったお子さんもたくさんおられることでしょう。しかしながら、前述のようにどの学校も教育に情熱をもってあたっておられます。中学校へ入ってからの望ましい成長が果たせるかどうかは、進学先がどこかで決まるのではありません。お子さんが希望に満ち、喜んで新しい世界へ足を踏み出せるよう、親が愛情深く中学校へ送り出してやることに尽きるでしょう。

 受験生のみなさんの、そして保護者の方々のこれからの一層のご活躍を心から念じております。

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