親が“家庭学習”への意識を変えよう!
5月 16th, 2015
GWが明けると、弊社の広報チーム(わずか数名ですが)の仕事が俄然忙しくなってきました。6月上旬から夏休みの講座の会員募集が始まるのに加え、5月末~6月にかけていくつかの催しを予定しているからです。当分は、これらの準備に追われる毎日になると思います。
なお、夏の講座の日程や、参加の方法等につきましては、6月7日(日)に折り込むチラシでご確認いただけます。ホームページへの掲載もほぼ同じ時期を予定しています。資料を請求いただいたご家庭には、案内一式を同じころお送りいたします。現会員のご家庭には、それより少し早くご案内する予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
5月末から6月にかけて実施する催しは、以下の通りです。
1.ホームワークコース「親子勉強会」《予約受付中!》
5月30日(土) 14:30~16:00
弊社のホームワークコース会員(1~3年生)家庭が主対象です。未入会のかたも参加可能です。家庭学習に弾みをつける契機をご提供するための催しです。お子さんには勉強の楽しさを味わえる授業を実施します。保護者には、家庭勉強のフォローの原則をご説明したうえで授業に合流していただきます。会場は広島校です。この催しへの参加にあたっては予約が必要です。予約は、本部事務局(082-248-2081)で受け付けています。お問い合わせもお気軽に。
2.「夏のおかあさんセミナー」
6月19日(金) 10:30~12:00
弊社の低学年部門(玉井式とジュニアスクール・1~3年生)の会員家庭および、夏からの入会を検討されているご家庭の保護者(おとうさんの参加も歓迎します)を対象とした催しです。長い夏の休暇は、日頃体験できないことに挑戦する絶好の機会を与えてくれます。また、学習の態勢を築き直すよいチャンスにもなります。お子さんの夏休みの充実に向け、ぜひこの催しをご活用ください。会場は西区民文化センター(JR横川駅南口)の3階大会議室です。予約や申し込みの必要はありません。どうぞお気軽に。
3.「学びの飛躍をこの夏に!」
6月19日(金) 13:30~15:00
こちらは、小学4~6年生のお子さんをおもちの保護者対象の催しです。長い夏休みをどう活かすかで、以後の学習は一変します。子どもが一段と成長を遂げる夏休みにするにはどうしたらよいでしょう。子どもを変えるには、親も変わる必要があります。この点にスポットをあて、弊社からご提案させていただきます。これから受験勉強を始めるご家庭も、すでに始めておられるご家庭も、お気軽にお越しください。会場は西区民文化センター(JR横川駅南口)3階大会議室です。予約や申し込みの必要はありません。どうぞお気軽に。
4.「私学がきみを呼んでいる!」
6月21日(日) 午前:女子、午後:男子
弊社の6年部会員家庭親子を対象とする恒例の催しです。今年は午前が女子、午後が男子の実施となります。お招きする私学も例年と同じで、女子が清心、広島女学院、安田、なぎさの4校、男子が広島学院、修道、城北、なぎさの4校となっています。6月という時期は、受験を控えた6年生といえども中だるみに陥りがちな時期。この時期に、私学の先生と生徒さん(弊社の卒業生)をお招きし、映像も交えて私学のよさにふれる体験を提供することで、受験勉強への取り組みを活性化させようという趣旨でこの催しを実施しています。会場は、県民文化センター(中区大手町)ホールとなっています。なお、この催しは一般への公開はしていません。
上記の1~3の催しにおいては、小学生の受験ゆえに必須となる「親の関わり」について時間を割いてお話しする予定です。受験をするのも、そのための準備学習をするのも子どもですが、親がその勉強を方向づけ、活力を与え、フォローしないことには受験を突破できないからです。
無論、受験をめざした学習の指導は学習塾が責任をもって行わねばなりません。しかしながら、子どもの生活の場は家庭ですから、「家庭の時間をどう活かすか」「家庭学習にどう取り組むか」を抜きにして受験対策は成り立ちません。受験対策を全て塾で賄うと必然連夜の通塾になりますし、それに要する時間は半端なものではなくなります。それは、子どもの家庭教育の時間を奪うばかりか、子どもの健全な成長を著しくスポイルすることになりかねません。
これは、学校を軸とした学習生活においても同じです。学校での学習だけですべて事足りる状態にはできませんから、必然宿題が出されます。学校で扱われた学習事項の理解を徹底させるため、家庭で再び問題に取り組ませるのです。また、この宿題には別の意図も汲み取れるでしょう。それは、家庭で継続的に学習に取り組むことで、自ら学ぶ姿勢を身につけてほしいという願いがあるのです。
ここまでお伝えしたところで、保護者の方々に是非お考えいただきたいことがあります。それは、「家庭学習とは何か」ということです。多くの親は学校の勉強の単なる延長ととらえ、「学校で足りない分を家庭でやるのだ」とか、「学校の勉強についていけるようになるためにするのだ」と思いがちではないでしょうか。
弊社のような受験塾の勉強においても同様のことが言えるでしょう。「塾の勉強についていくために、家でも頑張らせないと」「塾のテストでよい点を取るために、家でも頑張らなければいけない」など、家庭学習を塾の勉強に従属するものと受け止めがちではないでしょうか。
しかしながら、先ほど宿題の意図としてお伝えした、「自ら学ぶ姿勢を身につけてほしい」という考えに立ってみましょう。むしろ、こちらのほうが家庭学習の本当の役割と言えるのではないでしょうか。
長年学校の教育現場で活躍された先生が、家庭学習のもつ重要な役割について次のように述べておられました(著書の内容をかいつまんでご紹介します)。なお、この先生は明治生まれであり、随分前にお亡くなりになっています。
先生も、お母さんも、家庭学習とは、学校の勉強の足りないところを、補足することのように思い込んできたようです。そのために、知識と心のバランスのとれた、立派な子どもを育てることができなかったのです。家庭学習とは、学校の学習の延長でもなく、下請けでもありません。その学習を通して、何を学び取らせていくかという点で、大きな違いがあります。
(中略)学校での学習は、カリキュラムに合わせて、つぎつぎと新しい知識を子どもに与えていくのですが、児童期の家庭学習では、むしろ子どもが自分からすすんで興味を持ち知りたいという意欲をおこして、その新しい知識を積極的に求めていく、そういう心の姿勢を養っていくための学習なのです。
これを書かれた先生は、「長い教員生活において、いちばんお母さん方から強く訴えられたのは、『どうしてうちの子は、こんなに勉強が嫌いなのでしょう。なんとかして勉強の好きな子にしてください』ということだった」ということを受け、「これこそが、家庭学習での最大のテーマなのだ」と述べておられました。
この家庭学習のもつ大きな役割のことを忘れ、「宿題をさっさとやりなさい!」「明日はテストなんでしょ。ちゃんとやらなきゃダメじゃないの!」などと、勉強を無理強いしてはおられないでしょうか。これでは本末転倒の事態になりかねません。
家庭でわが子の学習を見守る親に求められることは何か。それを今一度考えてみませんか? 子ども自らが進んで机に向かい、学ぶプロセスを通して学ぶことのよさを実感する。そうしたことの繰り返しによって、自ら学ぶ強固な姿勢を培うためにあるのが家庭学習なのです。
この流れを築くために子どもの背中を優しく押してやる。それが親の役割ではないでしょうか。小学生の子どもはまだまだ全面的に親に依存して生きています。だからこそ親は、目先の学習成果だけにこだわらず、子どもの人間的成長という視点に立って毎日の学習の積み重ねを応援してやりたいものです。
先ほどご紹介した3つの催しにおいては、こうした親の役割を踏まえ、「わが子の家庭学習の自立に向けた応援」のありかたについてもお話ししようと思っています。対象学年に合致した催しがあり、時間が確保できるようでしたら、ぜひ足を運んでみてください。ただ受験での合格を得るだけでなく、子どもの未来を見据えた家庭教育のありかたを考えていきましょう。