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夏休みの後半の過ごしかたを大切に

月曜日, 8月 17th, 2015

 確か、冷夏の予想だったはずの(筆者の勘違い?)今年の夏ですが、例年に増して暑さが厳しいように感じます。これだけ暑いと水浴びなどをしたくなるものですが、連日新聞紙面には水難事故の記事が掲載されています。これから海水浴を予定しておられるご家庭は、事故のないよう十分気をつけてください。

 早いもので、長い夏休みも後半を迎えています。近年は、学校行事等によって授業のカリキュラム消化が滞る学校が多く、夏休みを早めに終えて登校を再開させる傾向にあるようですね。

 弊社の中学受験部門の夏の講座は、いずれも夏休み前半に組まれている講座(4・5年生は「夏期講座」、6年生は「中学受験夏期講習」)が軸となっています。それらの講座も盆前に終了し、今日(8月17日)からはいずれの学年も「夏期集中特訓」と呼ばれる演習型の短期講座が始まっています。

 4・5年生の「夏期集中特訓」は、これまで(「夏期講座」を含む)学んだ範囲を演習形式で一通り学び直す講座です。広い範囲について、問題演習を通してどのぐらい力がついているかを確かめます。参加した子どもたちには、この演習型講座を通じて、既習事項の定着度を確かめながら、より理解を深いものにし、しっかりと記憶に刻みつけていただきたいと思います。

 とは言え、受験生はまだ小学生ですから、長期休暇の途中で学習のリズムが乱れることが多いものです。理由は察しておられるかもしれませんが、だいたい次のような具合です。

1.夏の講座の柱となる「夏期講座」がとりあえず終わり、少し気分が
  緩み始めた。
2.お盆休みをきっかけにして、生活習慣が乱れ始めた。
3.夏休みの残りが少なくなって、宿題や提出物が気になり始めた。

 校舎で授業を担当している者に尋ねると、「はじめは意気込みの伴った勉強をしているが、メインの夏期講座が終わって盆休みが間に挟まると少しテンションが下がり、緊張感を欠いた雰囲気の子どもが見られるようになる」とのこと。これは小学生だからある程度やむを得ないかもしれません。

 しかしながら、ここで生活が乱れたり勉強のリズムが失われたりしたのでは、せっかく夏休み前半で築いてきた生活習慣や学びの態勢が台無しになりかねません。保護者の方々におかれては、20150817bわが子の生活や勉強の取り組みの現状について一緒に振り返り、再びよいリズムやテンポを取り戻していただきたいと存じます。振り返りのポイントですが、次のような事柄をチェックしてみてください。

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 大人ならどなたも承知しておられますが、やるべきことに対して受け身の気持ちになると何事もはかどりません。夏休みの学習にしても、ダラダラ時間ばかりかけても成果はあがらないし、行動の切り替えもうまくできなくなり、夏休みの終わりになってからやり残したことを大慌てでやっつけることになりがちです。「学校再開後の生活や学習が快適なものになるかどうかは、夏休み後半の過ごしかたにかかっているのだ」ということをお子さんに伝え、メリハリのある生活や学習が失われないよう配慮してあげてください。

 なお、何度も「早寝早起きが望ましい」といったことをお伝えしていますが、その理由についてこの機会にお伝えしておこうと思います。

 子どもの朝寝坊の多くは夜更かしが原因です。脳科学の専門家によると、朝寝坊をすると“概日リズム”(体内時計)が乱れ、脳はすっきりとした状態で活動できなくなります。いわゆる時差ぼけに近い状態になり、活動すべき昼間に眠気を感じたり、眠るべき時間に目が冴えたりする恐れが生じてきます。当然、勉強の能率は下がります。そればかりか、食欲の減退や、慢性的な疲労感にさいなまれたりすることにもなりかねません。つまり、夜更かしや朝寝坊を繰り返していると、学習意欲の足りない、覇気のない子どもに見られかねない状態に陥る危険性が高くなるのです。

 小学生~高校生を対象とした睡眠に関する調査によると、「週1回以上居眠りをする」という調査項目に対して、YESと答えた小学生がおよそ25%、中学生が40%、高校生が60%いたそうです。この結果は、年齢が上がるごとに夜更かしの率が高くなっており、また、小学生でも夜更かしの影響で授業中に眠気を覚える児童がかなりいるということを示しています。

 この調査で、睡眠が「かなり不足している」「やや不足している」と答えた子どものなかに、「午前中に眠くなる」という傾向がかなり見られたそうです。この調査結果を紹介されていた大学の先生は、「これは明らかに睡眠不足によるものです」と述べておられました。

 こういう生活を続けている子どもは、常に脳がすっきりしない状態になりがちで、その結果疲れを常に覚え、イライラし、物事に対して無気力になりがちだとか。子どもたちは、心も体も一番成長していかなければならない時期にあります。「早寝早起き」は、健康で快適な生活を送るための第一の条件です。ぜひそれを励行し、規則性やリズムのある生活を送り、スッキリとした状態で学習に取り組んでいただきたいですね。

 さあ、夏休み明けにお子さんが爽やかな笑顔で学校に登校できるよう、親子で現在の生活習慣を振り返り、よいコンディションで夏休みを乗り切れるよう、もう一度調整を図っていただきたいと存じます。
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