2015「4年部からの中学受験指導」のご案内
12月 5th, 2015
今回の記事は、来春小学4年生になるお子さんをおもちの方々を対象とする催しをご案内するためのものです。催しのタイトルは、「4年部からの中学受験対策」となっています。「4年生からの3年間で、いかにして実り多い受験生活を実現し、志望校への進学の夢を果たすか」をテーマに掲げ、保護者の方々にそのための方策や指導の流れについてご説明してまいります。
この催しは、次のような3部構成となっています。
1.3年生冬期集中講座~4年部開始までの流れ
2.4年部の授業
3.親の見守りと応援
①では、弊社の4年部にご入会いただくための方法についてご説明します。今回の記事は、②と③の内容に関することを少し書いてみようと思います(詳しい内容は、昨年12月1日の本ブログ記事に書いていますので、そちらを参照ください)。
4年生から中学受験の準備のために学習塾に通う。それは、中学受験に関心のない人にとってはいささか驚きかもしれません。そして、「受験って、そんなに大変なのか」「そこまでする必要があるのか」などといった反応を示されるかもしれません。
実際のところ、「3年間準備をしなければ受験での合格は覚束ないのか」というと、決してそんなことはありません。特に近年は少子化ととともに受験生の数は減っており、それが合格をめぐる競争を随分緩和しており、ある程度きちんと勉強していけば、1年間、2年間の準備で最難関の私学に受かることも可能です。
しかしながら、中学受験をめざす最大多数のお子さんが、無理のない学習生活で進学の夢を叶えられるような段取りを考えるなら、ある程度の期間は必要だと言わざるを得ません。4年生からの3年間による受験対策はそのためにご提案している方法です。
では、3年間のもつ意味はどういうことなのでしょう。それは、「受験に対応する学力をつける」という発想のみに基づいているわけではありません。むしろ、受験に間に合わせるということよりも、中学に進学した後の学習生活を見通してのことだと言ってよいでしょう。
すなわち、中学進学後に求められる学習の取り組みとはどのようなものかを視野に入れ、そこでの更なる学力伸長が見込める子どもにするために3年間という指導期間を活かしたいのです。このような発想をなぜするのかというと、子どもの学力観や学習に取り組む姿勢の大本は、小学生時代までに決まってしまうからです。
知識や技能を修めることを、全て入試合格の手段とみなすような勉強を経験するか、勉強のもつおもしろさや奥深さを実感し、「学ぶことが好きだから」「勉強は自分にとって大切なものだから」という気持ちで学びながら入試を突破するかで、同じ子どもの中学進学後は大きく変わります。
全てを勉強一色に染められた受験生活を送ると、子どもが年齢相応に身につけるべき立ち居振る舞いや社会性はおざなりにされてしまいます。また、レベルの高い学力をもつ子どもの集合体である中・高一貫校では、生徒一人ひとりに自律的な学びの姿勢が求められます。それを養っておくことも本来受験対策、進学の準備にあたるのですが、目の前に入学者選抜のための試験があると、そちらのほうに目を奪われるケースが少なくありません。
弊社では、4年部の1年間は教科指導を算数と国語の主要2教科に絞り、授業は週3日までとしています。そして、授業のある日の翌日は、家庭で勉強する流れになっています。それをシステム化することで、「授業」と「家庭学習」が連動するような仕組みを築いています。
授業では、知ることや考えることに前向きな姿勢を培えるような指導を心がけています。また、テキストで示された原則に基づき、筋道立てて考え、疑問を解決するプロセスを通して、子どもたちが家庭で勉強に取り組むうえで求められる段取りを浸透させていきます。つまり、授業は知識や技能のスキルアップのためにあるのではなく、学びの価値にふれさせること、自分で学ぶ算段を教えることをめざしているのです。
なぜこのような授業をするのかというと、先々学力の花を咲かせるには、主体性のある学び手になっておくことが必須となるからです。また、進学校のはやいペースの学習について行くには、家庭学習の習慣を身につけていなければなりません。これらは短期間の取り組みでは身につきませんし、心身とも未成熟な小学生に与える負担の限度も考慮されなければなりません。
催し当日は、こうした考えに立った指導の様子、実際に学ぶ子どもたちの様子について、現場で4年生の指導に当たっている担当者が直接保護者にご説明する予定です。また、弊社には家庭学習で学力をつける「土曜コース」というのがあります。土曜コースは、6年部では随分少なくなりますが、4年部ではかなりの数の児童が利用されています。そこで、土曜コースの担当者も当日は参加し、土曜コースの有意義な活かしかたについてもお話しする予定です。
進学塾に通っての学習生活については、なかなか具体的なイメージが湧きにくいことと思います。催し当日は、実際の担当者ができるだけ保護者にイメージし易いよう配慮してご説明します。
最後の20分は、保護者のフォローに求められる原則についてお話しします。このコーナーは筆者が担当いたします。中学受験は「親がどう関わるか」によって大きく変わるものです。小学生の学習意欲は、親の関わりかたひとつで高まりもすれば減退もします。それは、まだ親の庇護のもとで生活する小学生だから当然のことです。
弊社は、子どもの自律的な学びを促進する親であってほしいと願っています。少子化がとことん進んだ今日、親は子どもの自立を願っているにもかかわらず、知らず知らずのうちに子どもの勉強に手を貸したり介入したりしがちです。普段は愛情深く物わかりのよいおかあさんも、こと受験勉強になると命令口調になったり、子どもを否定するようなことを言ったりしがちです。しかしながら、それでは子どもの望ましい成長をスポイルしてしまいます。
催し当日は、親に求められるフォローの原則を提示し、子どもが受験を通して大きく成長できる受験のありかたについてともに考えていきたいと思っています。
なお、入会をご検討いただくにあたっては、各校舎の責任者が担当する「入会ガイダンス」という催しもあります。受験までの流れに沿った説明は、「入会ガイダンス」で行います。本催しのほうは、「受験生活とはどういうものか」「親に求められる視点は何か」などについて明快な答えをご提供できると思います。
両方の催しにお越しいただいても構いません。どうぞお気軽に参加ください。