これから受験生活を始めるご家庭へ
1月 20th, 2016
今、広島県内は私立や国立、公立の中・高一貫校の入学試験の真っただ中にあります。受験生の子どもたちの健闘を心よりお祈り申し上げます。
入試のシーズンは、学習塾関係者にとっては来年以降の受験を控えた通学生の募集時期でもあります。弊社においても、年明け以後は毎週土曜日に入会者選抜のための試験を行っています。そこで今回は、中学受験生をお預かりするにあたり、私たち家庭学習研究社がどのような考えに基づいて学習指導に当たっているのかについて、保護者のみなさまにお伝えしようと思います。
1.中学受験を上手に乗り切るには、大人の適切なサポートが不可欠
です。
中学受験と、高校や大学への受験とには大きな違いがあります。中学受験の場合、受験生はまだ親がかりでしつけの途上にあります。
こういう年齢期の子どもの受験に必要なのは、「望ましい成長」「将来的視野」に立った導きを大人がしてやることではないでしょうか。すでに人格的にも完成し、ものごとを自分の責任において判断処理できる年齢になった大学受験生などと違い、受験のプロセスが人間形成や人格の形成に少なからぬ影響を及ぼすからです。
2.私立の中・高一貫校の学習環境とはどのようなものでしょうか?
今、どんなやりかたで受験を乗り越えるかが、大人の側が配慮すべき重要事項だということをお伝えしました。
これに関連して、もう一つ保護者に考えていただきたいことがあります。それは、中学進学後に待ち受ける学校環境がどういうものかを視野に入れておくということです。これから入試に向けての受験対策は、このことを前提に行われるべきです。
ご存知のかたも多いとは思いますが、ここで私立の中・高一貫進学校を例にあげ、これから子どもたちが足を踏み入れる新しい教育環境がどういうものかを簡単におさらいしてみましょう。
以上から、どんなことがわかるでしょうか。私立中・高一貫の進学校の教育環境は、ハイレベルである一方、一人ひとりの状況に合わせてフォローしてもらえることは期待できません。自らの意志で学び、やるべきことを自分でやっていける態勢を築いているお子さんは、どんどん伸びていくことができますが、やる気や行動力に欠けると、ついていけなくなる厳しい環境であるということをよく踏まえておく必要があります。
3.子どもの自立学習の実現をめざし、連携の体制を築きましょう!
入試が近づく6年生になると、わが子の現状に焦りを覚える親御さんも出てきます。たとえば、あるおかあさんに「合格できるよう徹底的に鍛えてください。少々無理をさせても構いません。あとのことは、中学校に入ってから考えますから」といった要請を受けることがあります。
「合格しなければ何も始まらない」――こんな心理状況に陥ると、勉強に向かう意志や取り組みのことなど考えられなくなります。その結果、目先のテスト成績に目を奪われ、ほんものの学力を培う態勢が崩れてしまうことになりがちです。
私たちが学習塾の創設以来大切にし、一貫して保護者の方々にご提案しているのは、「自立学習を通して学力を培い、中学入試を突破しましょう」ということです。「小学生が自分で受験勉強をするなんて無理だ」「うちの子は、放っておけばすぐに遊んでしまう」とおっしゃるおかあさんもおありかもしれませんが、決して不可能ではありません。小学生の子どもだって、やればできるのです。そのことは、これまで弊社の教室に通ったたくさんのお子さんが証明してくれています。
大事なのは、“小学生なりに”という配慮であり、自立した勉強を無理だと決めつけてしまうと、得られるはずの収穫も手に入らなくなってしまいます。また、教室で指導にあたる担当者も、家庭でお子さんを見守っておられるおとうさんやおかあさんも、子どもの学習生活について想像力を働かせる必要があるでしょう。
たとえば、指導担当者は、子どもたちの学校生活や家庭学習の現実をよく掌握したうえで授業を行えば、より効果的な指導ができるでしょう。また、おかあさんがたは、わが子が塾でどのような意図のもとでどのような授業を受けているのかをよく知っておられれば、家庭での声かけやアドバイスがより的確にできるのではないでしょうか。
中学受験をめざした学習生活は、親にとってはしつけの仕上げの格好の場になるものです。私ども学習塾はそのことを踏まえ、ご家庭と一致協力体制のもとで一人ひとりの子どもたちが自律的な学びの姿勢を築いていけるよう応援してまいります。
このような受験は、受験の好結果をもたらずのみならず、将来の飛躍に向けた確かな足がかりを築くことができます。こうした方針をご理解の上、是非ご入会をご検討いただきますようお願い申しあげます。