2016年度の入試結果と進路選択の状況
2月 29th, 2016
6年生のみなさんは受験が全て終わり、進学先も決定したことで、一息ついておられることでしょう。受験を終えてふと気づくと、もうすぐ小学校生活も終わろうとしています。残り少ない貴重な小学校生活を、1日1日大切に過ごしていただきたいと存じます。
今回は、今年の弊社会員受験生の中学入試結果とともに、合格後の進路選択の様子をかいつまんでご報告してみようと思います。なお、今回お伝えする情報は最終的なものではないことをあらかじめお断りしておきます。
まず今年の入試を概観すると、私学はこのところの傾向が依然と続き、受験者数が微減しています。広島城北が若干昨年比で持ち直している以外は、いずれも僅かながら数を減らしています。一方の国立・公立の一貫校ですが、こちらはこのところの人気を維持し、ほぼ例年並みの受験者数を集めています。
今年の会員受験生は男子が例年よりやや多く、いっぽうの女子会員は近年ではもっとも少ない人数でした。入試の合格状況ですが、男子受験生のみなさんも女子受験生のみなさんもまずまずの結果を収めていると言えるでしょう。特に女子の場合、会員数が例年よりも随分少なかったにもかかわらず、これまでとそん色のない結果をあげています。
以下は、広島県西部の主要な中学校の入試合格実績と、進路選択の状況をまとめたものです。
表の上から順に見てください。広島学院には68名合格しました(補欠繰り上がり合格者を含みます。以下同様です)。何と言っても男子の私立最難関校ですから、例年合格者の大半が入学するのですが、今年に限っては例年より歩留まり率が低かったようです。とは言え、人気の高い難関校であるのは変わりありません。弊社からは、募集定員に対して27~28%にあたる受験生が広島学院に進学しますので、まずまずの結果だと受け止めています。なお、広島学院に合格したものの、他校に進学する受験生は17名いました。そのうち、11名が修道に、3名が県立広島(3名とも、東広島校の会員です)に、2名が広島大学附属に進学する模様です(弊社は完全6か年一貫教育の私学への進学指導を軸に据えています。そそこで、敢えて最難関私学である広島学院の合格者の進路選択状況を具体的に詳しくお伝えしました。以下、清心についても同様の趣旨で詳しくご報告しています)。
修道の合格者132名は例年とほぼ変わりません。しかし、合格者の歩留まり率が多少上がり、86名の受験生が同校に進学する予定です。募集定員276名に対する割合は30%を越えています。他の難関校に受かっても修道を選択する受験生の多くは、「明るい校風に惹かれた」「サッカーなどの部活が楽しみだ」など、学校生活に対する期待を理由にあげているのが印象的でした。「学校が楽しそう!」とは、男子の受験生がよく口にする言葉です。
広島城北への進学者は、このところ減少気味でしたが、今年はかなり数が回復しています。久々に50名を超える受験生が弊社から同校に進学する模様です。弊社の校舎の中では、広島校からたくさん進学するのが今年の特徴でしょうか。男子の場合、広島学院・修道以外の私学となると、広島市の西側の受験生はなぎさを、中央部、北部、東部の受験生は城北を選択する割合が高いという傾向があります。
今度は女子の私学について見てみましょう。ノートルダム清心の合格者は72名でした。そのうち同校に進学するのは48名で、例年よりは少し歩留まり率が低いようです。これは、広島大学附属との重複合格者が例年なら分散するのに、今年に限っては重複合格者11名全員が附属を選んだことが、かなり影響しているように思われます。それでも弊社からの進学者48名は、募集定員180名の26~27%に相当しますから、今年の女子会員数が少なかったことと合わせると、まずまずの結果だったと受けとめています。なお、同校に合格したものの他校への進学を選択したケースですが、広島大学附属が12名、県立広島が6名、広島女学院が5名、なぎさが1名でした。
広島女学院には、昨年は弊社から180名を超える合格者があり、そのうち91名の子どもたちが進学しました。今年は弊社の女子受験生が昨年よりもずっと少なかったため、それには遠く及びませんが、それでも128名の合格者を輩出することができました。同校への進学者数は54名で、募集定員の27%にあたります。
安田女子については、昨年、今年と弊社からの受験生が減少傾向にあります。受験生全体が減少傾向にあり、たくさんの学校を受けなくなっていること、公立一貫校の台頭など、様々な原因が少しずつ作用しての結果であろうと思います。ただし、独自の理念に基づく女子教育には定評があり、ファンの多い女子私学です。同校の入試は専願受験者が多いのが特色で、それも女子教育の場としての評価と人気を裏づけていると言えるでしょう。今年は弊社から22名の子どもたちが進学します。
近畿大学附属中学校に進学するのは、大半が地元東広島校の受験生です。ただし、何名か、JR沿線近くに住まいのある受験生が他地区から進学する予定です。
広島なぎさ中学校の募集定員は、約200名となっていますが、この数は系列のなぎさ公園小学校からの内部進学者を含んでいます。今年の内部進学者は69名で、残りが外部からの進学者です。弊社から同校へ進学するのは46名ですから、内部からの進学者数を差し引いた募集人数に対する占有率は35%とかなり高くなっています(弊社からの内部進学者はいませんでした)。同校への進学者は、例年地元の五日市校からが割合としては多いのですが、今年は特に五日市校出身者の比重が高かったようです。わずかながら、呉校や東広島校からも進学者がいます。
広島大学附属中学校は、昨年に続き合格者の歩留まり率が高く、男女とも補欠繰り上がり合格者はゼロだった模様です。特に女子の歩留まり率が高いのが同校の特色で、予めそのことを想定して男子の半分しか合格者がいません。そのせいか、合格したら「行かないともったいない」という気持ちに左右される面もあるのかもしれません。また、女子に見られる共学志向が作用している面もあるでしょう。弊社の女子合格者14名全員が同校に入学手続きをしたようです。いっぽうの男子の場合、広島学院や修道などの私学に流れる傾向が強く、その結果男子は弊社からの入学予定者はわずか3名という結果になっています。
県立広島中学校の人気はすっかり定着した感がありますが、弊社会員の受検者も地元の東広島校だけでなく、広島市内の校舎からも少しずつ増えています。共学校であることも反映してか、特に女子の人気が高まり、遠距離もものかは東広島市以外からの女子合格者の大半が入学を決心したようです。今年は男女合計32名が同校に合格し、そのうち27名が入学する予定です。これは相当な歩留まり率であり、同校の吸引力が確実に増している様子が伺えます。
最後は、広島市立広島中等教育学校の状況をご報告します。安佐北高校改め、公立の完全6か年一貫校への衣替えが発表されて以来、同校の受検者は確実に増えつつあります。昨年、今年と500名を超え、県立広島に続いて私学を脅かす存在になりつつあります。弊社からは29名の合格者を輩出しましたが、まだ実績面などでの歴史が浅いせいでしょうか。今年の進学者は6名に留まったようです。ただし、受検者数を見ても大変注目を集めているのは間違いありません。同校は、安佐北区の山の中にあり、バス以外に交通手段がありません。それを考えると、このところの受検者数の増加には驚かされます。
以上が、今年の弊社会員受験生の合格実績と、進路選択の状況です。ここ何年か書き続けているので、紙面は割きませんが、受験者数の減少傾向は入試での競争の緩和をもたらしており、それと連動してたくさんの中学校を受験するケースは減りつつあります。ある程度の学力を備えていれば、「そこまでしなくても受かる」という見通しが立つからでしょう。
来年の状況はまだわかりませんが、弊社の新6年部生は男子が昨年並み、女子が若干増加といったところで、今年の卒業生とあまり変わりません。来年の受験生家庭におかれては、今の状態がそう変わらないと判断されて構わないでしょう。
これから1年間着実な勉強を心がけ、夢の実現に向かってしっかりと努力を積み重ねていきましょう。