6年部はいよいよ「応用力養成期」へ!

4月 25th, 2016

 会員家庭はご存知と思いますが、弊社の中学受験指導は、4年部からの3年間を基本においています。そのうち、4年部開始から6年部の4月末までを「基礎力養成期」、5月のGW明けから入試までを「応用力養成期」と位置づけ、子どもたちの入試合格に向けて応援しています。

 人生経験の浅い小学生ですから仕方ありませんが、大概の子どもは6年生の秋ごろになってやっと気合のこもった勉強ができるようになります。そうかと言って、早くから大人が気合を注入し、無理にがんばらせるのがよいかと言うと、それはそれで問題が残ります。そうやって入試を乗り越えさせた子どもは、中学進学後の学習生活で求められるモチベーションを失い、失速してしまいがちです。

 小学生が全力を注入して勉強に打ち込める期間は、せいぜい数カ月です。6年生の秋になってから必死になって取り組み、なおかつ結果が残せるようにするにはどうしたらよいでしょうか。また、中学進学後にますます期待できる子どもにしておくよい方法はないものでしょうか。

 弊社では、「基礎力養成期」の学習指導は、まだまだ子どもが入試に向けて本気になれない時期であることを踏まえ、じっくり基礎を固めていくこと、学習の習慣づけを大切にすること、勉強の段取りをつけられるようになること、勉強のおもしろさを味わう体験をすること、などに重きを置いて行っています。家庭で見守っておられる保護者の方々は、なかなか期待通りの取り組みをしないわが子にじれったい思いをされているかもしれません。しかし、そうしたなかで前述のような点において少しずつ進境が見られるようなら、お子さんは相応の成長を遂げつつあるのだと言って差し支えありません。辛抱強く見守り、状況に応じた激励やアドバイスをお願いいたします。

 さて、もうすぐ4月が終わります。6年生の場合、弊社のカリキュラムではこの段階で教科書の全範囲の学習を終え、いよいよ応用力の育成指導の段階へと移行していきます。

 これは特に算数について言えることですが、教科書の学習レベルと入試問題のレベルとには大きな隔たりがあります。それを埋め合わせるには、かなりの時間と綿密に計算されたカリキュラムが必要になってきます。あまりことを急ぎ過ぎると、教科書の内容習得に積み残しができてしまい、入試問題に対応できるだけの学力を養おうにも、その前段階で勉強が空回りすることになりかねません。

 6年生の4月末までを「基礎学力養成期」としているのは、早すぎず遅すぎずのバランスを熟慮した結果行き着いた結論でした。受験する以上、最終的には入試問題対策を行って、合格を果たせるレベルの学力に到達しなければなりません。どの学習塾も、そのために工夫を凝らしたカリキュラムに基づいて指導していますが、おそらく学習塾によって、使用するテキストによっていくらか異なっているのではないかと思います。

 では、「応用力養成期」が始まったらどんな勉強をするのでしょうか。実際のところ、基礎力養成期を終えたばかりのお子さんの学力は、到底入試問題を解けるレベルにはありません。それは、教科書内容より少し難しい程度の学習しか経験していないので当然のことです。

 そこで、まずは夏休み前までの期間(前期講座)は、基礎内容から応用的な内容への橋渡しを少しずつ進めていきます。ここでも急いでしまうと子どもたちの勉強に無理が生じ、自信や意欲を失わせることになりかねません。また、子どもたちの入試に臨む意識もまだまだ高まっていません。ですから、難度の上げかたには慎重を期しています。

 このステップを踏んで迎えるのが「中学受験夏期講習」です。ここでやっと入試問題への取り組みが始まります。しかしながら、入試問題とは言ってもごく基礎的な内容の出題に絞り、少しずつ本格的な入試問題への対応力をつけていきます。

 夏の講座までの流れをざっとご紹介してみました。これである程度おわかりただけたと思いますが、講座の進行に合わせ、段階を追ってレベルアップを果たしていく流れになっています。この流れに乗れるよう、それぞれの講座の学習内容をきちんと消化したうえで次の講座へと足を踏み入れていくことが、最も合理的に入試を突破していく方法となります。

 GWの1週間(5月2日(月)~8日(日))は弊社の講座はどの学年も休講となります。この期間はちょっと一休みしたいところですが、これまでの学習を親子で振り返る機会にしていただきたいですね。入試4教科のこれまで、特にマナビーテストの結果を見直し、どの教科のどの単元や分野に課題があるかをチェックしていきましょう。

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 前述のような流れで今から徐々に入試レベルの学習に橋渡しをしていきますが、その過程において前述のような振り返りに基づいた対策を講じ、それが成果をあげつつあるかどうか検証しながら先へと進んでいくような学習をすれば、秋ごろにはかなり問題点が解消されていると思います。

 受験対策の仕上げに向けて何をしていくべきかについては、お子さんそれぞれの状況は異なっているものです。指導担当者もアドバイスをしていきますが、親子共同での振り返りにおいても、どうやってよいかわからないことがあれば、お子さんから指導担当者に相談していただければ、適宜アドバイスをさせていただきます。まずは、GW期間の休講を活かし、これまでの受験対策の成果と反省点、現在の問題点を親子で洗い出してみることをお勧めします。

 これまでの振り返りは、4・5年生のご家庭においても必要なことです。成果のあがっている点については、大いにほめてあげてください。また、課題として感じられる点は、叱るのではなく、上手にお子さん自身が現状を受け止め、今後の課題とするよう働きかけてあげてください。

 子どもはやるべきことを完璧にはできません。また、いくら必要とわかっていることでも、負担が伴うことは長く続けることができません。これは大人でもそうですから、それを踏まえた対応をしたほうがよいでしょう。すなわち、叱るのではなく、一緒に考え、子どもに気づかせ、元気づけることの繰り返しが親には求められます。

 1週間の休講を、振り返りの場とし、今の問題点を少しずつ解消していきましょう。

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