低学年部門「HWコース 親子勉強会」実施報告 その2
12月 19th, 2016
前々回につづき、去る11月26日に実施しました「1~3年生ホームワークコース親子勉強会」のご報告をいたします。その1は保護者向け説明会に関する報告でしたが、2回目の今回は子ども達が参加した授業の様子を少しだけお伝えいたします。
1年生は、「ひろさくらべ」の学習です。最初に単元の導入を兼ねて、「場所取りゲーム」を行いました。チーム対抗で代表者がじゃんけんを行い、勝ったチームは青い正方形を二つマス目に置き、負けたチームは赤い正方形を一つだけマス目に置くというルールで、マス目がすべて埋まるまでじゃんけんを繰り返し、合計の面積の広さを競います。ルールのわかりやすい単純なゲームなのですが、子ども達はみんな盛り上がり、喜んで取り組んでいました。
そして、ここからがこの授業のねらいです。全てのマス目が埋まった黒板上のゲーム盤を見て、赤の面積と青の面積、どちらが広いのかを子ども達自身でジャッジしてもらいます。大人は「それぞれいくつの正方形があるかを数えればいい」と考えますが、ここではあえて先生も答えやヒントなどを言いません。子どもたちなりに自分で考えてもらいます。ゲームの勝敗がかかっていますから、子ども達はみんな真剣。「小さな四角の数を数える」はもちろん、「赤のところと青のところを重ねて比べる」「見た感じで青が大きい気がする」など色々な考え方が出てきます。
さて・・・、どういう方法が一番結果がわかりやすいかな?
2年生は、ひき算の学習です。といっても、たくさん並んだ計算問題に取り組む・・・というようなものではなく、こちらも楽しくゲーム形式で学んでいきます。
今回取り組むのは、「3ケタ-2ケタ」のひき算。二人組になり、「ひき算の答えをできるだけ大きくすること」を目指して、交互にさいころをふって出た目の数を好きな位に当てはめていきます。ここでのポイントは、「ひき算の答えが大きい方が勝ち」というルールをどれだけ理解できているかです。
ひき算の答えを大きくしたい場合は、引かれる数をできるだけ大きく、引く数をできるだけ小さくしなければなりません。最初は先生からヒントを与えることはせず、自分でその点に気づけるかどうかが勝負の分かれ目です。とはいえ、それに気づいていても、目の数の大小は運次第ですから、教室のあちらこちらで「やった!」とか「うわー」などという声があがっていました。こうした活動を通して、筆算をつかった計算方法はもちろん、数の構成や大小、数の操作などについても学んでいきます。
3年生は、「順序を表す言葉」について学びました。ここでも単なる知識として言葉のルールを学ぶだけではなく、子ども達には楽しく頭と手を動かしてもらいます。まずは、先生から作り方の説明を受けて、牛乳パックなどの厚紙と輪ゴムを使って「パッチンカエル」を作ります。作り方そのものは単純ですから、楽しみながら全員ちゃんと作ることができました。
さて、ここからが今回の主題。途中から参観に入ってこられた保護者の皆さんに対して、子ども達から「パッチンカエル」の作り方を伝えてもらいます。授業の前半で学んだ「順序を表す言葉」を活かし、お母さん達がやってくるまでに書いた自分なりの作り方の説明書きを読んでもらって作るのです。たとえうまく伝わらず、保護者の方が上手に作れなかったとしても、子ども達が手を出すことは禁止です。あくまでも「言葉で」伝えなければなりません。こうした経験の中で、順序立てて話をすることの重要性や、相手の立場に立つならどのような説明がわかりやすいのかといった点を学んでもらいます。
いずれのクラスも、途中から保護者の方に参観していただき、わが子と一緒に学ぶ機会を設けました。参観する機会はあっても、親子で授業を受けたり教室でわが子の課題に丸つけをするような機会はあまりないと思いますから、子ども達はもちろんのこと、多くの保護者の方達もとても楽しそうに活動されていました。和やかでとても良い雰囲気の催しになったと思います。
このように、低学年部門では、何よりまず「学ぶ楽しさ」を子ども達に感じてもらいたいという思いで授業の設計や教材作成、実際の指導にあたっています。低学年の講座に通ってくれている大半の子ども達のご家庭は将来の中学受験を考えられていますから、学力の向上を目指すのは当然のこと。ただ、そのための基礎学力を身につけるためには、今のうちに「勉強って楽しい!」と感じられるような学習の土台づくりが欠かせません。
今後もこのような機会をご提供できるよう、様々な催しを企画していきたいと考えていますので、ぜひその際にはご参加ください。
(butsuen)