子どもを自立させ、頑張らせるおかあさんって!?
月曜日, 2月 11th, 2019
中学入試が終わり、弊社の各校舎には受験の結果、および進路の報告書が6年部会員のご家庭から次々に届けられています。最終的な学校別の合格および進路選択の状況が掌握できるまでには、あと1~2週間かかろうかと思います。結果がまとまったら、折を見てご報告いたします。
今年の中学入試について、現段階でお伝えすべき特筆事項はありません。敢えて申し上げるなら、「国立・公立一貫校の人気がより高まっている(特に女子受験生)」ということでしょうか。
広島大学附属中学校については、例年と同じように男女とも補欠者が数多く発表されましたが、今年は未だ繰り上がりが一例も報告されていません。弊社の男子受験生は、広島学院と重複合格した場合に広島学院を進路として選ぶケースが多いのですが、今年は附属を進学先に選ぶ割合が例年より高くなっています。女子については附属が圧倒的な人気で、合格者の大半が進学先に選んでいます。これは弊社会員に限らない傾向のようで、合格発表数も例年男子は女子の倍の数(男子130名、女子65名 ※附属小からの合格者は含みません)となっており、さらに補欠の繰上り合格も男子に偏っています。今年男子の補欠の繰り上がりが報告されていないのは、例年よりも入学手続き者の割合が高かったからだと思われます。
市立広島中等教育学校への受検というと、これまで距離的に近い三篠校の会員が大半でしたが、今年は女子会員の受検がかなり広範囲に及び、しかも学力水準の高い受検生が増えています。同校は公立一貫校特有の適性検査によって生徒を選抜していますが、一般的な学力試験でも優秀な成績をあげているお子さんが相当数受けており、しかも、受かった場合にも進路として選択しているようです。いっぽうの男子の受検の動向は、これまでとさほど変わりがありませんでした。なお、同校への志願者は545名(募集定員120名)で、過去最多となっています。
新たに開校される県立の併設型中・高一貫校である叡智学園には、どれだけの数の受検生が志願するのか注目されました。6月に国際会議場で実施された同校の学校説明会には、千名以上の保護者がお集まりになりましたが、なにしろ前例のない公立の全寮制一貫校ですから、実際の志願者数は予想できませんでした。最終的には、一次検査に375名(男子175名、女子200名)が志願し、合格者100名が12月25~27日に実施された2次検査に臨み、1月8日に最終合格者40名が発表されました。このように時間や労力を要する選抜制度ですから、合格した場合の入学率は高いものと予想されます(弊社会員合格者7名も、ほとんどが同校に入学する模様です)。
県立広島中学校も、相変わらず高い人気を維持しています。(志願者数799名、定員160名)近年は地元の東広島市だけでなく、弊社のほとんどの校舎から受検するようになっています。今年の場合、女子は全校舎から合格者が出ています。また、合格した場合も入学手続き率が高く、同校の吸引力の強さを裏付けています。
このほか、県北部に開校する県立三次中の適性検査には、146名の志願者があった模様です(定員80名)。
国公立中学校の入試状況を少しご報告しただけで、ずいぶん文字数を費やしてしまいました。この後は、本日予定していた話題について進めてまいりましょう。今回は前々回の続きです。
前々回、子どもの自立勉強を促す親のありかたについて、いくつかご提案をさせていただきました。しかしながら、こういったことを本ブログで取り上げること自体、ことがそう簡単でないという現実の裏返しでもあります。わが子が親の期待通りの学習生活を送ってくれれば問題ないのですが、遊びたい盛りの小学生が受験生ですし、まだまだ行動規範が確立されているとは言い難い成長途上にある子どもたちですから、本人任せの受験勉強でうまくいくケースは滅多にありません。それどころか、思うに任せぬわが子の様子に苛立ち、助言をするつもりが親子喧嘩に発展してしまうケースも多々あります。こういうことが毎日続くと、親も思い悩んだり疲れ切ったりしてしまいます。
実は、受験勉強がうまくいっているご家庭のおかあさんには一定の傾向があります。それは、ネガティブ思考でなく、少し楽観的なくらいの明るさをもち、辛抱強いタイプのおかあさんだということです。おかあさんが神経質になればなるほど、子どもは思い通りに頑張ってくれず、おかあさんばかりが疲れる、といった事態になりがちです。
子育て期の受験で重要なことは、子どもとのパートナーシップを築くことです。押しつけるのではなく、子どもの側から自発的に「親の期待に沿った行動をしよう」と思うような関係を築くことです。このことをこれから心の隅に置いて、お子さんの受験生活を応援してあげてください。
「そうしたいけれど、自分には難しそう」と思われたかたはありませんか? そう思われても無理はありません。わが子のことになると、感情的に叱ったり、高圧的な態度をとったりしてしまうのが親というものですから。しかし、心配には及びません。おかあさんの気持ちは、間違いなくお子さんの心に伝わっているものです。少々の失敗など何でもありません。
お子さんの受験を子育ての仕上げにするつもりで、自立に向けた見守りと応援をしてやりましょう。それが、お子さんにとってもいちばんよいことではないでしょうか。きっとお子さんは、学力を身につけるだけでなく、人間力にも秀でた立派な人間に成長されることでしょう。
< 子どもに対する心の向き合いかた >
まだ頼りないところの多い小学生の受験勉強です。まして、勉強を自立させようというのですから、うまくいかないのが普通だと考えましょう。それを前提にすれば短気も収まりますし、「今より状況は悪くならない」と思えるものです。あとは、少しずつ、ゆっくりと進歩して行けばよいのです。焦ることはありません。
「親がそんなに能天気に構えていて大丈夫なの?」と疑問に思われるかたもおありかもしれません。しかしながら、このほうがよい理由があります。親が神経質にピリピリしていたり、やたらと勉強に口出しをしたり、指示や命令を下したりすると、子どもは勉強を自分のこととして受けとめるよりも親の顔色を見ながら勉強するようになりがちです。こうなると、勉強の自発性や意欲もなかなか向上せず、結果として勉強の成果も頭打ちになりがちです。
「でも、やっぱり私には無理!」と、思われたでしょうか? しかし、おかあさんがわが子を信じてやれないで、いったい誰が最後まで信じて受験生活を応援してやれるでしょうか。どんなときもおかあさんがあきらめずに、「きっとやれるよ」と温かく励ましてくれる。このこと以上にわが子を奮起させるものはありません。何かと頼りないのが小学生ですから、受験勉強も自立への道のりは決して楽ではありません。そのことは、「受験合格は、自立した勉強で得られるものではなく、自立をめざした勉強で得られるものなのだ」ということを意味するでしょう。だからこそ親はもどかしい思いをするのですが、「受験を成功裏に導くのは、親がわが子を信じて自立へ向かわせる愛情深い応援なのだ」と心得ていただきたいですね。
さあ、受験を終えるまでわが子にとって最高の応援団であり続けましょう!