プラスのイメージが残る受験生活を!

9月 2nd, 2019

 今回は、前回の続きをお伝えしようと思います。今回は過去の受験生が書き記している言葉をもとに、前向きな学習姿勢を築いて受験を迎えることの重要性についてともに考えてみたいと思います。というのも、受験生活の在りかたは、受験の結果もさることながら、先々の人生の歩みにも影響を及ぼします。この点をご理解のうえ、この記事をお読みいただくとうれしいです。

 中学受験で最も大切にすべきは、子どもの人間的な成長を引き出す体験にすることです。志望校に合格できるかどうかはさほど問題ではありません。それが高校や大学への受験との大きな違いだと私たち家庭学習研究社は考えています。結果が全てではない。このことをご理解いただき、ともに連携しながら望ましい受験生活の実現に向けてがんばってまいりましょう。

 中学受験を終えたあと、受験を振り返ってどんなことが思い出されるかについて、受験を終えた子どもたちが受験体験記GET(ゲット)に書いている言葉をあげてみましょう。

 たとえば、ある年の体験記を見ると、勉強についてはこんなことが書かれていました。


覚えられない用語は、紙に書いてトイレのドアに貼って繰り返しそれを眺めた。
うっかりミスが多いことを反省し、ゆっくり書く、見直す、を心がけた。
入試が終わっても、決まった時間に勉強する習慣がずっと崩れなかった。
6年生の初めまでは何となく塾に行っていたが、夏休みからは自分で納得できる勉強をしようとがんばれるようになった。夏休みが転換点になった。

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後で見直し(復習)をし易いよう、ノートづくりを工夫したのがよかった。
夜覚えたことは、朝再び確認して、記憶に残すような勉強を心がけた。
辛いこともあったが、志望校に合格して制服を着ている未来の自分を想像してがんばった。
教科ごとの勉強法を箇条書きにし、どの教科にも共通する重要事項(復習する、わからないことは質問する、苦手箇所のチェック、テストのやり直しをするなど)も書いて確認しながら勉強した。

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苦手教科の復習をしなかったことを反省し、6年の夏から過去のテキストを必死になってやり直した。
課題が多くても投げ出さずにコツコツやっていく勉強を最後までやり通せた。
「あのとき、もっとがんばっていれば」という反省でネガティブになると、勉強に身が入らなくなるので、「でも、前にできなかったことはできた」とポジティブに考えるようにした。
苦手なことをやるのはいやだけど、逃げてはいけない。苦手だからこそ、やれば点が伸びる。

 以上はほんの一部をご紹介しているにすぎませんが、いずれのコメントも「大切なのは、前向きな気持ちで勉強することだ」ということを教えてくれているように思います。また、理想的な受験生活を経て合格する子どもはそういるものではないということも、おわかりいただけるでしょう。

 満足できる成績をあげられなくても、決めたやりかたをコツコツ継続した子どももいれば、自分のよくない点や苦手な点を克服するために、ある時点から工夫を凝らして受験を乗り越えた子どももいます。受験生活の過去を反省し、遅まきながらも必死でがんばって結果を引き出せた子どももいます。このようなプロセスを経て入試に臨んだ子どもは、入試の結果がどうであろうと、おそらく先々もちゃんとやっていけるだろうと思います。

 なぜなら、受験や勉強に対してネガティブなイメージを染みつかせていません。ものの考えかたが健全で建設的です。入試が望んだ結果ではなかった場合でも、「何がいけなかったのか」を振り返り、以後は改めようとする姿勢をもっています。また、首尾よく受かった場合でも、自分なりの反省点があることをよくわかっています。

 受かっても、勉強に対する受け止めかたや取り組む姿勢が間違っていたとしたら先が心配です。やればできる。うまくやれないのは努力が足りなかったからだ。――わが子がこういう考えかたのできる人間になることこそ、親が望んでいることであろうと思います。こういう受験を体験すれば、どの中学校に進学してもちゃんとやっていけるに相違ありません。

 受験体験記には、しばしばおとうさんやおかあさんの励ましやサポートの様子が記されています。また、ともに競い合い、励まし合った友人やライバルへの感謝の言葉が目立ちます。塾に通っての受験生活を楽しい思い出として受け止めているお子さんもたくさんおられます。

(週3日コースに変わったとき)はじめは「週3日も通うのか~」といやいやでしたが、そんな気持ちは太平洋のかなたまで飛んでいきました。それほどまでに、先生方の授業や、友達と過ごす休憩時間、そして補習の時間は楽しいものでした。


第一志望校に不合格だったことを知ったとき、おかあさんが「だいじょうぶ、辛い思いは時間が解決してくれるよ」と、励ましてくれた。この言葉はほんとうだったんだ。


父は成績がよいときは喜んでくれ、悪いときには「問題を解き直してみなさい」と励ましてくれた。

 このような環境に恵まれた子どもは幸せです。無用のプレッシャーに押しつぶされることなく受験生活を最後までがんばり通せるからです。少なくとも、受験をしたことがマイナスに作用しませんし、中学生になってからも新たな目標を見出して、努力を続けていけることでしょう。最後に紹介する受験生のコメントは、受験を終えたときの子どもの感想としてとても清々しさを感じさせてくれるものです。すべての受験生の子どもたちがこんな感想を胸に中学校へ進学できますように!

 

Posted in がんばる子どもたち, アドバイス, 中学受験

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