第4回模試が終わりました
11月 18th, 2019
11月10日(日)には、弊社主催の「第4回 中学入試模擬試験」が行われました。これで全5回の予定のうち、4回が終了したことになります。残るは12月1日(日)に実施する最終回のみとなりました。最終回は入試が近づいていることもあり、実際の試験会場となる私学、それも最も多くの子どもたちが受験する修道と広島女学院の教室をお借りして実施します。受験生のみなさんには、入試本番の雰囲気を事前に味わえるこの最終回でぜひ手ごたえをつかんでいただきたいですね。
さて、最後の模試(12/1)から私学の入試解禁日(1/7)までの期間は1か月あまり(叡智学園の一次入試は11月24日に実施予定)です。この記事を掲載する11月18日の段階から数えると、入試の本格的な開始まであと40日ほどになりました。もはや「あれもこれも」と欲張った勉強をしたり、見通しのない行き当たりばったりの勉強をしたりする暇はありません。親子共々、「これからは、今までよりも何倍も重要性をもつ大切な毎日が続くのだ」という意識のもと、ラストスパートに迷うことなく邁進していただきたいですね。
保護者の方々には、次のような点を踏まえて仕上げ学習のサポートをしてあげていただきたいと存じます。泣いても笑っても、入試本番まで残された日々はあとわずか。悔いなき受験対策を!
入試が近くなると親子間のもめごとが起こりがちです。男子の場合、相変わらずの雑な勉強ぶりに親が業を煮やし、注意や叱責をしたことがもとで大喧嘩になったという話をよく耳にします。女子の場合は、入試の重圧で揺らいでいるわが子を励ましてやるつもりが、おかあさんも一緒に落ち込んでしまうといったようなことがありがちです。いずれも、親子の距離が近すぎるからのことでしょう。
無頓着に見える男の子も、不安に揺れている女の子も、内面では「今こそがんばらねば」という思いを抱いています。この段階で保護者に求められるのは、無暗に檄を飛ばすよりも、「何も恐れることなんてない。今からできることをやればいいんだ」と、明るく背中を押してやることです。表面に見える様子は違っても、男女問わず親に「大丈夫だよ」という信号を送ってもらいたいのです。
保護者にまずもってお伝えしたいのは、「親は冷静でなくてはならない」ということです。親が感情的になって、よいことは一つもありません。まずは今までの模試の成績を一緒に点検してみましょう。よかった回と悪かった回とでは何が違うのか。特にお子さんにとっては忘れたいところでしょうが、成績が悪かったときの原因を落ち着いて分析したいですね。
苦手な箇所が出たのか、やっていなかったところがたくさん出たのか、時間配分を誤って焦ったためにミスを連発したのかなど、理由はいろいろあるでしょう。しかし、「後悔先に立たず」という言葉があるように、大事なのは問題点の解消に向けて残る日々を最大限に生かすことです。失敗の原因としっかり向き合えば、自信を取り戻せるし、今からの仕上げ学習に確かな指針が得られます。「注意力をちゃんと発揮すれば、本来はこれぐらいできたはずだ」と思えば、「今度こそは!」と、模試最終回に向けて意気込みも増してきます。
受験勉強の仕上がり具合を単元別にチェックするには、過去の模試の答案を一問一問見直すのがいちばんです。これまでのマナビーテストのときと同様に、模試の資料に添付されている設問別正答率表の★印三つまでの問題のうち、間違っていたものをすべて洗い出してみましょう。★印三つは平均的な難度の問題ですから、このレベルの問題はできるだけクリアしておきたいところです。無論、★印が二つや一つの問題は大半の受験生が正解を得ていた問題ですから、そこを失うと難度の高い問題で取り返す必要が生じてきます。これは楽なことではありません。まずは★印三つまでの問題で基礎力の仕上がりを点検し、補うべき単元や箇所を明らかにしましょう。そして、そこを埋め合わせていきましょう。
弊社の会員受験生に配布している理科や社会の「アタック」は、基礎となる知識を一つひとつチェックしていくうえで大変役立つ副教材です。受験体験記「GET」の手記を拝読すると、多くの受験生が三回ぐらいはやり直し、徹底的に基礎事項の点検をしています。おたくのお子さんにも、ぜひそうした取り組みを継承していただきたいですね。蛇足ですが、つい先日実施した広島学院と清心の先生をお招きした催しで、広島学院の中1の生徒さんからいただいたコメントを紹介しました。受験生だったころの自分に対する「応援」と「アドバイス」ということで書いていただいたのですが、そのなかに「ちゃんとアタックちゃんとやっとけ!!」というのがありました。「あれをやっていたら、もっと受験でよい点がとれた」という確信があってのことでしょうか。これから受験するお子さんへのアドバイスとしても役立ちそうな言葉ですね。
問題が「難しいぞ」と感じたら、とりあえず後に回し、できる問題をやり終えてから取り組んだほうが賢明です。入試では、最難関の私学でも合格最低線は百点満点換算で60~70点です。模試で★印が四つや五つの問題は、たとえ落としていても合否に影響ないと考えて構いません。「できそうだ」と判断した問題を確実に取る。これこそ合格への最大の条件だと心得てください。
ところで、試験終了後に「できた、できたよ!」とはしゃいでいる子どもと、「できない問題が結構あった」と肩を落としている子どもとでは、どちらがよい結果を得ている可能性が高いでしょうか。明らかに後者です。なぜなら、「何を失敗したか」を明確に意識している子どものほうが、ミスが少ないからです。入試で少しでも時間に余裕ができたら、できたと思った問題の答えを点検し、ノーミスの答案をめざしましょう(できない問題があるのは仕方ありません)。模試の最終回では、このような意識をもってテスト問題に臨んでいただきたいですね。
先ほど、6~7割できれば大概の学校は合格できるということをお伝えしました。このことに関連して子どもたちに意識してほしいのは、「定められた時間枠内で、ベストのパフォーマンスを発揮する」ということです。このことも、入試合格に向けた重要なポイントです。
テストの時間制限がハンディとなりがちなのは、長文を読み通すのが遅いお子さんでしょう。こういうお子さんは、日頃の家庭勉強において読みにかける時間を設定し、その時間枠内に読み切る練習をしておいたほうがよいでしょう(普通に読んだときの時間を計り、それよりも少ない時間を設定する)。「読むのが遅い」と気にしていたお子さんも、時間的な条件の下で読む練習をすると、読みのスピードが速くなります。今まで知っている限り、読むのが遅いことを気にかけていたお子さんのほとんどは、最終的には集中して一気に読む練習をすることでこの問題を克服しています。
また、問題を解く順序を臨機応変に判断できず、途中の難問を解こうと時間をかけ過ぎてテストに失敗をしがちなお子さんも、本番ではこのようなことのないようにしたいものです。こちらも、日頃のテスト練習や家庭勉強のときに「時間枠の中で最高の結果を得るにはどうしたらよいか」を意識し、機械的に問題番号順に解くのではなく、難しい問題が一定数あるようなら、確実に解ける問題から手をつけていき、粘れば解けそうな問題に取り組む時間を確保するなど、柔軟な対応ができるよう練習しておくとよいでしょう。
どなたもご存知のように、試験問題は難易度順に配列されているわけではありません。いきなり難問に出くわすことも多々あります。そういうときに機転を利かせられるかどうかも、入試で問われる学力に関わる重要要素だと言えるでしょう。
以前、読むのに手間取ってはテストで失敗を繰り返す息子さんに、「あなたは読むのに時間をかけ過ぎる。文章は読まずに、問題にすぐ手をつけなさい」とコーチをされたおかあさんがおられました。「答えは、傍線の前後を読めば見つかることが多い」という理屈で言われたようですが、大人のように経験に基づく知識をたくさんもちあわせない小学生に、このような方法は通用しません。文章を短時間に集中して精読し、内容をしっかりと把握することは文章読解の基本中の基本です。このお子さんの入試の結果は、ここで申しあげるまでもありません。
残された入試までの期間はあと僅かです。しかしながら、入試に向けて自覚を高めてからの子どもたちは、これまでよりも数段集中力の伴った勉強ができるものです。やっと本気になってから、わずか1~2カ月のうちに、見違えるほど力を伸ばしていくお子さんもいます(男子に多く見られます)。あきらめず、さりとて欲張り過ぎず、今から何をすべきかをしっかりと見定めた受験勉強を実現してまいりましょう。
入試が近づくと、受験校を決めたり、入試手続きをしたりと、親の側にもいろいろとやるべきことが待っています。もうしばらくすると、6年部の「保護者説明会」の最終回を校舎ごとに実施します。この回において、入試直前の受験対策や志望校への願書提出、保護者の心得などについてお伝えする予定です。これから入試本番まで、親子共々負担が増えてまいりますが、「ここががんばりどきだ」と心に決め、最善のラストスパートを実現していただきたいですね。
上述のように、つい先だって広島学院と清心の先生がたをお招きした催しを行いましたが、その際、どちらの私学の先生も保護者に対するお願いとして、「受験をしたことで、お子さんの心に傷が残らぬよう配慮してください」といった趣旨のことを述べておられました。志望校に受かることよりも、そのことのほうがお子さんがたの将来に大きな影響を及ぼすことをよく知っておられるからでしょう。「おとうさんおかあさんにおかれては、今というときを大切にした毎日のもと、お子さんが無事に入試当日を迎えられるよう精一杯応援してあげてください」とおっしゃっていました。
子どもの奮起は親の愛情を背にしてこそ実現します。最後まで、わが子を信じて応援してやりましょう!