弊社受験生 国公立一貫校の入試結果と進学状況 

2月 25th, 2020

 県内の中学入試終了後、弊社には会員受験生家庭から入試結果の報告書が次々に各校舎へ寄せられています。この報告書には進路の選択結果も書いていただいています。すでに一部私学を除きあらかた確認済みですので、もうしばらくすると主要対象校の全てに関して、弊社会員の進路選択状況をご報告できるのではないかと思います。

 今回は、近年人気が高まっている公立一貫校の入試状況と、以前から高い人気を維持している国立の広島大学附属中学校の受験結果と合格者の進路選択の様子をピックアップしてご報告してみようと思います。なお、記載している人数に関しては確定ではありません。参考程度にしていただけたら幸いです。

 まずは、合格状況と進路選択状況をご紹介します。

国・公立一貫校の合格・進路選択の状況  ※数字は人数

学校名 定員 志願者数 弊社合格者数 進学者数
広島大学附属中学校 120 男子   外部563 男子25 38 男子13 22
内部29
女子 外部452 女子13 女子9
内部30
県立広島中学校 160 912 男子10 32 男子8 21
女子22

女子13

 

県立叡智学園中学校 40 285 男子2 4 男子2 3
女子2 女子1
広島市立中等教育学校 120 511 男子6 24 男子1 8
女子18 女子7

 

広島大学附属中学校

 まずは、広島大学附属中学校から見てみましょう。このところ同校の人気は高値安定で、弊社会員の受験対象校の中で合格を得るのが最も難しい学校となっています。特に女子は、外部からの受験生は452名のなかで合格発表数は僅か55名と、非常に高い倍率となっています。

 したがって、弊社の女子会員の合格者は残念ながら13名に留まりました(全員が外部からの受験生)。非常に高いレベルでの競争となっており、1教科でも穴のある受験生は合格できません。これは毎年のことですから、次年度以降もおそらく大きな変動はないと思われます。配点が低いということで理科・社会の軽視は禁物です。附属志望の女子受験生は、どの教科もバランスよくしっかりと学力を整えておきましょう。なお、女子は例年補欠からの繰り上がり合格はほとんどありません。(今年も弊社からはありませんでした)

 女子の弊社合格者13名のうち、9名が附属へ進学し、残る4名は清心に進学する予定です。昨年よりも清心の選択率が上がっていますが、昨年は特別附属の歩留まりがよかった年でした。今年は以前に近い結果になったとみるのが妥当でしょう。

 附属男子のほうですが、こちらは外部からの受験生563名に対し、合格者数は105名と女子の倍近い数の合格者が発表されています。しかしながらそれでも相当な倍率であり、しかもこのところ合格者の歩留まりがよくなっているため、補欠からの繰り上がりは期待できません(今年、弊社からの補欠繰り上がりはありません)。なお、弊社からの合格者25名は全員が外部受験生です。

 弊社の男子会員の場合、広島学院を第一志望にする受験生は附属と重複合格を得た場合、大半が広島学院に進学していました。しかしながら、ここ2~3年徐々に附属の歩留まり率が上がり、今年は半数が附属に進学します(合格者26名全員が広島学院との重複合格者でした)。理由ははっきりとはわかりませんが、経済情勢なども影響しているかもしれません。数が大きくないので、たまたま今年が極端な結果になったとも考えられます。

広島県立広島中学校

 今や県立広島中学校はすっかり人気校の一つとなっています。今年の志願者数は912名で、去年よりも100名以上数を増やしており、「なかなか受からない学校」としての認知を強めています。ただし、弊社会員の場合は女子にやや人気が偏っており、男子は広島学院や修道、附属の人気に追いつくにはまだ当分はかかりそうです。広島市域の受験生で県立広島の受検を予定していたものの、前述の志望校に合格した段階で受検をキャンセルした受験生が相当数見られました。欠席者を除くと、受検者は男子が30名前後、女子が60数名でした。

 弊社の場合、地元東広島市の受験生にとって最大の人気校になっており、4~5年生の時点での調査では、8割以上が第一志望校にしています。特に女子には人気が高く、東広島市のみならず、海田、矢野、瀬野など、JR沿線に住まいのある女子受験生は第一志望校にしているケースがかなり見られます。

 合格者の地域的な特徴をみると、男子の合格者10名のうち、8名が地元東広島の受験生でした。あと2名は広島校の受験生でした。いっぽうの女子は様相が異なります。弊社の全ての校舎から合格者が出ていました。いちばん多かったのは広島校の7名、地元東広島校から6名、呉校から4名、己斐校から3名、五日市校から1名といった具合です。

 冒頭で、「男子の人気はまだまだ」といったことを書きましたが、それでも男子の歩留まり率は徐々に高まっており、今後この傾向は強まるかもしれません。特に同校は高校からの大学進学状況に目をみはるものがあり、そういった実績が吸引力増強の要因になる可能性は高いと思われます。

県立叡智学園中学校

 全寮制の公立一貫校という新しいコンセプトで昨年開校し、全国的な注目を集めた県立広島叡智学園中学校ですが、今年は応募者の数が落ち着き、初年度よりは少なくなっています。弊社会員の合格者は男女とも2名ずつの合計4名で、昨年の8名よりも数は減っています。

 同校の選抜内容は独特で、1次試験(面接中心)で定員の約倍の数に絞り、2次試験(グループワークなど)で定員ぴったりに合格者が発表されます。2次試験は都合3日かかるため、全寮制と相まって、特別同校に興味がある受験生に応募が限られる傾向は今後も続くのではないかと思われます。また、高校からの入学者が卒業する段階になり、大学への進学状況などの情報が入ってくると、同校への評価も定まってくると思われます。弊社会員については、まだ進学ターゲット校になるまでのポピュラリティを獲得していないというのが現状でしょう。

広島市立広島中等教育学校

 こちらもまだ歴史の浅い公立一貫校ですが、高校からの募集をしない中等教育学校であるという点が大きな特色です。このところ応募者は500名前後を推移しており、定員120名ということを考えると、決して入り易い学校ではありません。また、共学志向の受験生にはその点も魅力でしょう。

 弊社からの受検者の特徴は、県立広島と同様に女子に人気が偏っているということでしょうか。女子は男子の約2.5倍の応募者がおり、合格者も男子が6名に対し、女子が18名と女子のほうに偏っています(弊社からは男女合わせて40数名が受検した模様です)。男子の応募者が少ないのは、市内中心部や南部の人気私学にも通える受験生が多いため、そちらを選ぶ傾向が強いからでしょう。いっぽう、女子受験生には「公立一貫校」「共学」というのが魅力で、それが吸引力となっているものと思われます。清心や広島女学院と重複合格している受験生が、同校を進路に選んでいるケースが見受けられます。

 同校は、広島市北部にあるため、安佐北区、安佐南区に在住の受験生が中心となっており、交通の便という問題もあってか遠方からの受検者は多くありません。しかしながら、それでいて500名強の応募者を集めているということは注目に値します。おそらく、同校の近隣地区在住の教育熱心な家庭のお子さんが、「市立広島に行きたい」と、同校に的を絞って受検しているケースが多々あるのではないかと思われます。ただし、選抜のための適性検査の内容をみると、読解力、思考力、分析力、判断力、表現力などが、ある程度バランスよく備わっている必要があります。同校進学に興味をもっておられるご家庭におかれては、しっかりとした基礎学力を身につけるとともに、適性検査への対策も手抜かりのないようにしておく必要があるでしょう。


<弊社の公立一貫校進学対策>

 既にご存知かと思いますが、公立の6か年一貫校では私立や国立の中学校入試の学力検査とは異なり、「適性検査」という呼称の入学者選抜が行われています。これらの中学校のホームページを閲覧されると、どんな課題が出されるのかお確かめいただけるでしょう。

 公立一貫校の適性検査は、教科ごとに行われる学力試験とは明らかに異なります。しかしながら、一定レベルの学力がないと対応できません。そこで弊社では、国・私立一貫校進学希望者も、公立一貫校進学希望者も、「まずは確かな基礎学力を」という考えに基づいて、6年生の春までは基礎学力強化のための指導を行っています。

 公立一貫校対策の指導は、希望者を対象に夏休みからインターバルを置きながら受検直前まで行っています。「期間の短い簡便な対策で受かるなら、そのほうがありがたい」というお考えの保護者もおありかもしれません。しかし、どういう形態の中学・高校へ進学しても、6年間で学ぶべきことは同じであり、さらに大学受験では条件は一緒です。そのことを見通すと、「児童期に身につけた基礎学力」の違いは、後々の学力形成に大きな影響を及ぼすのは間違いありません。中学・高校・大学で学力を伸ばせるかどうかは、児童期に培った基礎が土台となるのです。

 以上のことをご理解いただき、先々公立一貫校への進学を検討しておられるご家庭におかれても、ぜひ弊社の教室に通学していただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

お詫び:当初広島大学附属中の合格者を26名としていましたが、確認作業のミスが判明し、25名と改めました。また、本文中に男子の補欠繰上り者が1名と記載しましたが、0名の誤りでした。申し訳ありません。

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