授業再開に向けての備えを

5月 12th, 2020

 GW(ゴールデンウィーク)が終わりましたが、今年はどのご家庭におかれてもかつて経験したことのない毎日を過ごされたのではないでしょうか。旅行はおろか、戸外でのレジャーもままならない退屈かつ窮屈な休暇になろうとは、コロナ問題が生じるまでは夢にも思っておられなかったことでしょう。

 広島県内の小学校はいずれ再開されるでしょうが、まだまだ状況は予断を許しません。弊社ももうしばらくは休講を続けることになると思います。ただし、長期の休講は学習スケジュールに大きなしわ寄せをもたらします。そこで、各学年ともに今週からオンライン授業を導入し、子どもたちの学習をサポートしてまいります。

 ただし、小学生の家庭学習は子ども任せにしたのではなずうまくいきません。というのも、やるべきことは一応わかっていても、まだまだ目先の誘惑や楽しいことに気を奪われてしまうのが小学生の段階の現実だからです。まだ勉強を自分でコントロールできるレベルに至っていない子どもが、野うrべきことをやりこなすには保護者の見守りやフォローが欠かせません。親が自分の勉強に関心を示し、がんばったらほめてくれる。そういう環境が子どもたちには欠かせません。大変でしょうが、お子さんのがんばりを引き出すための関わりも怠りのないようお願いいたします。

 さて、新型コロナウィルスの感染問題で授業は一頓挫しているものの、お子さんは新年度の講座開講後、数回ほどテストを経験されたと思います。このテスト(マナビーテスト)は、2週間の学習の成果を確かめるだけでなく、同じ目標をもって勉強している大勢の仲間と実力を競い合うことで、日々の取り組みを活性化することを意図しています。

 どうでしょう? お子さんはこれまでのテスト結果をどのように受け止めておられるでしょうか。理想は、「がんばったら、がんばっただけのことはある」ということを実感し、次のテストへの挑戦を励みにしながら学ぶ態勢ができあがることです。しかしながら、全員が中学受験をめざす集団のなかでの成績ですから、思うような結果(順位)が得られず、がっかりしているお子さんもおられるのではないかと思います。また、受験対策の勉強ですから全員が〇をもらえるような問題を出すわけにはいきません。難問と言えるレベルの問題もあるでしょう。「全然わからなかった」と、お子さんが落胆するようなケースもあるかもしれません。

 しかし、ここが踏ん張りどころです。できたか、できなかったかには、必ず理由があります。「なぜわかったのか」「なぜわからなかったのか」「なぜ間違ったのか」に気づき、適切な判断と修正をしていけば状況は必ずよい方向へ向かっていきます。また、全ての問題に正解を得ることが勉強の目的ではありません。一定の結果を安定して引き出せる学力を身につければいいのです。毎回のテストは、これから良い状態を築くための実験台のようなものなのです。成績に満足がいかなければ、なぜそうなったのかをつまびらかにし、対策を講じていけばよいのです。

 そこで塾への通学の負担がない今のうちに、親子でこれまでのテスト結果を振り返り、成果と反省点をチェックしてみることをお勧めします。お子さんにとって、よくない成績をもらったテストなど「見たくもない」ものでしょう。また親にとっても、わが子の勉強の振り返りに付き合うとなると冷静さを失いかねず、あまり気が進まないかもしれません。しかしながら、1年間の勉強の序盤で大切なのは、勉強の要領をつかみ、テストに意気込みをもって臨むような受験生活を築くことです。よい流れを築けば自然と成績も伴ってきます。もしも思うような成績がとれないでいるなら、まずは現状を分析することが何よりも大切なことです。また、満足のいくテスト結果は得られていなくても、お子さんなりに頑張った点もあることでしょう。それを認め、ほめてあげる機会にもしていただきたいですね。

 保護者にお願いしたいのは、「受験勉強は子どもにとって楽なものではない」ということを理解し、親の不満を口にしないことです。また、子どもが考える前に親の考えや意見を先に言ったのでは、振り返りの効果は失われてしまいます。大切なのは、子ども自身に考えさせることです。「よい結果にも、悪い結果にも、必ず理由があるはずだよ」と伝え、どうしてこの結果になったのかについて、子ども自身が気づくよう導いてあげてください。結果を冷静に分析し、次への糧にする姿勢が育ったなら、受験勉強のクオリティは段違いにあがっていくことでしょう。

 親子での振り返りにあたっては、次を参考にしてください(大雑把ですが)。

 

<マナビーテストの結果を振り返る>

1.まずは今までのマナビーテストの問題と解答用紙、資料を揃えましょう。

2.正解を得た問題、正解を得られなかった問題をお子さんに振り返るよう促してください。親は聞き役に徹しましょう。一度に全部のテストの振り返りをするのは無理かと思います。とりあえず、お子さんと相談のうえいずれかのテストを任意に選んでください。

3.「ニュース」の問題別正答率で★印3個までの問題(正答率50%以上)を目安に、基本的問題、易しい問題を落としていなかったかどうかをチェックしていきましょう。成績のよいお子さんには、もう少しハードルを上げてもよいでしょう。

4.問題にすべきは「うっかりミス」や「勉強を怠ったために解けなかった問題」が多いことです。男の子には、うっかりミスが多いもの。「これさえなかったら…」と悔しがるようになってほしいですね

5.副教材から一定数の問題が出ています。これを落としていたなら反省してほしいですね。やっていたなら全員が正解できる問題ですから。

6.自分が間違えるときの傾向を子ども自身に気づかせることが大切です。また自分の受験勉強の取り組みしだいで成績は変わるのだということに子どもが気づけば、以後の取り組みも引き締まったものになると思います。

 

 大切なのは、最善の努力を惜しまない姿勢を築くことです。テスト結果は、努力の度合いに応じたものなのだということにお子さんが気づくよう導いてあげてください。

 親が結果を求めすぎると、お子さんは伸び伸びとがんばれません。お子さんが自分のミスを悔しがったり、努力不足を悔んだりしながら、次のテストに備え、意気込みをもって臨む。そういう受験生活を実現させるのが、保護者の重要な役割です(無論、塾の指導担当者の責任も大きいです)。マナビーテストを軸に、そういう受験生活のサイクルができたなら半ば受験は成功したようなものです。上記のような振り返りを、お子さんの性格や学習状態も踏まえたうえで実行してみてください。

 コロナウィルスの感染拡大は沈静化に向かっていますが、まだ油断は禁物です。家族全員の健康管理を怠らぬよう十分ご注意ください。一刻も早く世の中が平常の状態に戻りますように。

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