自己を燃焼させる体験は一生の宝
11月 30th, 2020
師走が迫り、冬期講座の申込受付が佳境を迎えています。2021年度4年部前期講座への入会を検討しておられるご家庭におかれては、ぜひ「3年部冬期集中講座」に参加くださいますようご案内申し上げます。
この講座は4日間という短期間の講座ですが、勉強の面白さに触れる体験、家庭学習研究社がどういう学習塾かを肌で感じていただく体験をご提供するとともに、最終日に実施する「まとめのテスト」で現在の受験を前提とした基礎学力の状況を知っていただくことができます。さらには、テスト成績が一定水準に達していたお子さんには、4年部への入会資格を進呈します。毎年、この講座をきっかけに4年部に入会し、受験生活を開始するお子さんが多数おられます。受講料はいただかず、教材費のみの格安に設定しています。ぜひお気軽に参加ください。
なお、すでに定員に達しているクラスがかなりあります。当ホームページで通学希望校・クラスの埋まり具合をお確かめのうえ、お申し込みください。また、1・2年生の「冬期集中講座」につきましても、校舎によっては定員に達しているクラスがあります。こちらもホームページにて申し込み状況をご確認のうえ、手続きをお願いいたします。
さて、中学入試シーズンが徐々に近づき、いよいよ受験対策もラストスパートの段階に突入しました。そこで今回は、2021年度の入学試験を控えたお子さんをおもちの保護者の方々に向けて、応援の気持ちをお伝えしようと思います。
受験生はまだ12歳になるかならないかの子どもです。自己を燃焼させて物事に取り組める期間は決して長くありません。せいぜい2~3ヶ月くらいのものでしょう。そのことは、まだまだ何につけ未熟な段階にあるのだということを意味します。入試への自覚が高まるのも、受験勉強のエンジンがかかるのも、大人の期待よりも遅くなりがちなのはある程度やむを得ないことでしょう(無論、早くから熱心に勉強に取り組み、すばらしい成果をあげているお子さんもおられます)。特に男子の場合、大事なことへの備えを早めにするということが難しく、親から見るとノンビリ無自覚で、これまで随分とイライラしたり心配したりされた保護者も少なくなかったことと思います。
ですが、もはや入試まであと1カ月半ほど(広島の主要私学の入試日を基準にしました)を残すのみ。さすがに目の色がだいぶ変わり、勉強に真剣さが見られるようになったお子さんも少なくないのではないでしょうか。これから本番まではおよそ40~50日。この大詰めの終盤をうまく乗り切れるかどうかで結果も決まるのだと言ってよいでしょう。やればやった分だけ吸収し、急速に入試に備えた学習の成果もあがるのがこれから入試本番までの期間です。まさに正念場を迎えたのです。
勉強の成果は時間や労力に比例しません。いかにして集中力を発揮し、やるべきことに的を絞った効率の高い勉強ができるかが成果を左右します。お子さんの自覚が高まってきたこれからは、そのことがより一層大切になってきます。これまでの勉強の反省に立ち、今からやれる最善を尽くしてまいりましょう。今、お子さんは取り組むべきことが何かわかっておられるでしょうか。勉強すべきことの的がしっかりと絞れているでしょうか。まずはそのことを親子で話し合い、確かめていただきたいですね。
12月6日(日)に予定されている第5回目の模擬試験は、広島の私学(修道と広島女学院)を会場にして行われます。入試本番の雰囲気を知るまたとないチャンスです。それと同時に、学力の最終調整をしていくために必要なデータが得られる貴重な機会です。これまで4回の模擬試験の結果と得られたデータをまずは親子で分析し、埋め合わせるべき単元や知識を明確にして調整に励んでください。そうして、模試の最終回に臨み、その結果をもとに最終仕上げのための勉強を定めていきましょう。
前述したように、受験が迫ってくると、親をイライラさせてきたお子さんの目つき顔つきが変わってきます。やっと入試を自分のこととして見据えるようになったのです。それはお子さんにとって、不安や期待、覚悟がないまぜになった闘いの始まりを意味するでしょう。しかしながら、そこに12歳の受験の価値があるのではないでしょうか。入試本番まで、揺れる思いを背負いながら一心不乱に勉強する体験。これが子どもをたくましく成長させるのです。それは中学受験という目標をわが子に与えたからこそのことです。これこそ、何ものにも代え難い貴重なものではないでしょうか。精神を鍛える厳しい体験は成長途上期に絶対に必要なものです。「かわいい子には旅をさせよ」の格言は、誰しも頭では理解できても、簡単に実行できるものではありません。それをされたからこそ、「わが子の成長」という宝物を得ることができるのだと筆者は確信します。
ひょっとして、「今までチャランポランな勉強をしていたわが子が、今から少々がんばったところで、よい結果が得られるとは思えない」と、あきらめかけている保護者はおられませんか? あるいは、「受験は結果が全て。もしも望みが叶わなかったなら、子どもはやる気を失ってしまうのではないか」と、今から悲観的な予測にとらわれているかたはおられませんか? もしもそんなかたがおられたなら、親自身が考えかたを改めるべきです。わが子を信じてやりましょう! 前者について申し上げれば、「遅まきながらにせよ、一定期間必死になって受験勉強に取り組んだ経験は決して無駄にはならない」と考えるべきです。また後者について申し上げれば、「中学受験の価値の大半はそこに至る学びのプロセスにあるのだ」と考えるべきでしょう。確実にわが子の人生の支えになるのは、「合格したかどうか」ではなく、「受験生活を通して、人間としてまっとうな成長を遂げられたかどうか」にあるのですから。
実際、かつて家庭学習研究社に通って受験をされた方々の多くは、その結果にかかわらず「楽しかった」「なつかしい思い出がたくさんある」と肯定的に振り返っておられます。また、今に至るまで自分の進路を自ら切り開いて社会で活躍しておられます。こうした伝統は、今も家庭学習研究社にご縁をいただいているご家庭に受け継がれています。
保護者におかれては、わが子がやるべきことをしっかりと見据え、一心不乱に受験勉強に打ち込めるよう、最後まであきらめずにしっかりとサポートしてあげてください。前述したように、今何をすべきかを親子で資料や成績データをにらみながら絞り込み、毎日確実にやり遂げていくようお子さんを促してあげてください。これも前述しましたが、気合と集中力の伴った今からの勉強が入試の結果を左右します。最後のダッシュを決めましょう! もしも大詰めの学習をどうするかにあたり、お迷いや不明な点があったなら、すぐに指導担当者に連絡してご相談ください。
中学受験への挑戦は、お子さんだけでなく背後におられる保護者との共同作業です。まだ自立の途上にある子どもの受験には、温かくも愛情深い保護者の支えが欠かせません。どうか最後まで明るく力強くお子さんを支え応援してあげてください。