2021年度講座がまもなく開講! ~新年度会員のご家庭へ~
2月 24th, 2021
2021年度の中学入試が終わり、そしてほとんどの受験生の進路も決まりました(もうしばらくしたら集計結果の確認を終え、おおよその状況を本ブログにてご報告します)。そこで、これまでの受験生活の締めくくりと、入試までともに学んできたクラスの仲間とのお別れの意味を込め、2月20日の土曜日に弊社の各校舎で「卒業会」が行われました。
塾と言えば勉強をしに行くところですが、この日ばかりは勉強は一切せず、これまでの苦しくも充実していた受験勉強の日々を共に振り返り、そして新たに始まる中学校生活に向けた意気込みを語り合い、あるいは勉強とは関係のない話に花を咲かせたり、一緒にビンゴゲームに興じたりするなど、和気あいあいの時間をみんなで共有しました。
受験を終え塾への通学がなくなると、なかには心のなかにぽっかりと穴が開いたような虚脱感を感じるお子さんもおられるようです。それは、長期間にわたって受験勉強に一生懸命取り組み、もてるエネルギーを全力で投入したからこそのことだと思います。当面の大きな目標を達成した直後であり、受験中心の生活サイクルが急変したわけですから、脱力感や戸惑いが生じるのは当然のことでしょう。しばらくは体も気持ちもいたわりながら英気を養い、残り少ない小学校生活を楽しみ充実させていただきたいですね。受験生のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした。
さて、卒業生を送り出したら、すぐさま新年度の前期講座が開講します。2月27日(土)には、弊社の全校舎で開講式(オリエンテーション)が行われることになっています。今年受験した先輩たちは、男子も女子も大変優秀な結果を残しました。来年度の受験生のみなさんも、それぞれの合格目標達成に向けて、悔いの残らぬ取り組みを実現していただきたいですね。
既にこのブログで何度もお伝えしていますが、中学受験は受験生のお子さんだけでなく、家庭で学びの環境を整えバックアップされる保護者の方々も、受験合格を得るうえで非常に大きな役割を担っておられます。塾での勉強は学習塾が責任をもってフォローしていきますが、塾でお子さんが学ぶ時間よりも家庭で勉強に取り組む時間はそれよりもずっと長いものです。しかも、勉強することだけを目的とする学習塾での時間と比べ、家庭では生活に欠かせない勉強以外の要素が様々に存在しており、勉強の時間をどう割り振りするかという自律性や自己管理の姿勢、他の誘惑に負けずに受験勉強に集中する意志の強さも求められます。そしてそれは毎日のことです。それだけに、1年間の学びの繰り返しと継続状態によって、受験生個々の学力状態は大きく違ってきます。
しかも、受験生はまだほとんど親がかりの段階にあり、自分でやるべきことの割り振りや、取り組むべきことの優先順位の判断、学習の進捗状況を管理する力も大人のレベルに至っていません。したがって、お子さんの生活や勉強の様子を見守り、必要に応じたバックアップを保護者がする必要があります。そのことなしに、お子さんがきちんとした受験生活を送るのは難しいと言わざるを得ません。各ご家庭におかれては、お子さんについての教育方針をおもちだと思いますが、新年度の講座の開始直前のこの時期、そこに中学受験生であるという要素を加味し、再度方針の練り直しが必要かどうかをお考えいただけたなら幸いです。
「少し押しつけがましいかな」という思いもありますが、敢えてこのようなことをお伝えしたのは、「小学校の中~高学年期は、人間としての立ち居振る舞いや生きかたの基本ができあがる」という、まっとうな大人に成長していくための重要な節目に当たる時期だからです。どんな生活のもとで、どんな勉強をどのようにするか、そして、保護者がどのような方針でバックアップされるかによって、お子さんの「人としての特徴」が定まるのです。それは、中学入試の結果よりも重要なことではないでしょうか。
親にとっても中学受験の準備期間にあたるこの時期は、子どもの様々な面に直接関われる最後のチャンスです。ご存知のように、お子さんは中学校に進学するとまもなく‟思春期”を迎えます。思春期は、俗に‟親殺し”の時期と言われ、目の前の大人すなわち親に対して反抗し対立することで大人に近づいていきます。この段階に至ると、もはや親は子どもを思い通りにはできなくなってしまいます。だからこそ、受験までのプロセスを子育ての仕上げの場と位置づけ、積極的に関わる必要があるのではないでしょうか。
望ましい受験の態勢は一朝一夕には築けません。毎日のたゆまぬ努力の繰り返しで徐々に形成されていきます。それを通してお子さんも成長し、人間としての考えかたや生きかたも形成されていきます。そこが中学受験のすばらしいところだと思います。その過程で親はどう関わるか。そこが重要なところです。
「子どもの適性や将来進むべき方向性を見極める」ということは、家庭教育の重要な役割の一つです。ただし、それは子どもが真剣に、そして長期間にわたって勉強に取り組まなければわからないことです。その意味において、中学受験準備のための学習生活は子どもの適性や方向性を浮き彫りにしてくれる絶好の媒介だと言えるでしょう。また子ども自身も、勉強の何に手ごたえを感じるか、面白さを見出すかで、自然と将来の進路決定の土台を築いていきます。
そういったことを含めて、これからの1年間の受験生活をどのようなものにすべきかを考えてみてはいかがでしょうか。また、その結果定めた方針をお子さんに伝え、大きな期待を込めて激励してあげていただきたいですね。そして、「決めたことを強い意志でやり抜こう!」を合言葉に、新年度講座へと送り出してあげてください。
わが子をかわいいと思わない親はいません。ですが、それが甘えや依存性を助長することになってしまうと、子どもは言い訳がましいことを言っては厳しい受験勉強から逃げてしまい、いつまでも自立できません。また、「受験の結果を得させてやりたい」という親心が過ぎると、過度に勉強に関わったり、勉強を強要し過ぎることになりがちで、これも‟学びの自律性”という、将来の飛躍に向けた推進力を失ってしまいます。「わが子の勉強にどう関わるか」は、親にとって悩ましい問題ですが、この問題をクリアすることなしによい結果は得られないものです。
なお、家庭での学習成果は、「どんな学習計画に基づいて勉強に取り組むか」によって随分変わってきます。2月27日の開講式(オリエンテーション)で配布する「学習計画表」にモデルプランを添付しておりますので、それを参考に現時点で妥当なプランを練っていただくようお願いいたします。無論、親が押しつけたプランにならないよう、お子さんの考えを反映させることもお忘れなく。「これは自分で立てた計画だ」という意識がお子さんにあると、それが実行力を大きく後押ししてくれるからです。
妥当な学習プランの設計は、親に求められるサポートとして最初の仕事と言えるでしょう。お子さんの考えや要求などにも耳を傾け、実行可能で成果につながる学習計画づくりに向けてサポートをよろしくお願いいたします。