2021年度 弊社会員の中学入試合格実績と進路選択状況
3月 5th, 2021
今回は、2021年度中学入試における弊社会員受験生の合格状況と、進路選択の様子をご報告しようと思います(わずかですが、進路の確定が済んでいない受験生もいます)。
今年の受験生は、コロナパンデミックのさなかで受験生活を送るという不運に見舞われました。塾での授業が休止状態になったり、慣れないオンライン授業を活用したりするなど、予想もしない事態に至ったわけですが、受験生のみなさんは予期せぬ困難を乗り越えて、最後までほんとうによくがんばり抜きました。何はさておいても、そのことを褒め称えたいと思います。コロナウィルスの恐怖にさらされながら受験を体験したことは、一生忘れられない体験になったことでしょう。
広島の中学入試を概観すると、志願者数は今年も例年に引き続き横ばいもしくは若干減少気味でした。そんななか、減少が目についた学校もありました。県立広島中学校や広島中等教育学校などは、開校以来安定した人気を維持していますが、今年は交通手段や通学距離などの問題等から受験を控えた受験生もあったのではないかと思います。前者は広島市域からの受験生がかなり減っていました。また後者は、通学の手段がバスに限られるなどの点が影響したのではないかと考えられます。いっぽう、なかには大幅に志願者を増やした学校もありました。崇徳中学校は共学化が功を奏したのか、志願者が大幅に増加し、合格を得られなかった受験生も相当数あったようです。
弊社は、50年余り前の創設以来、広島の最高峰の私学進学をめざす受験生の夢を実現することを主目的に活動してきました。それは現在も変わっていません。別表の実績を見ていただいてもおわかりいただけると思いますが、広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院の合格者、進学者が多いのはそのためです。今年は弊社から、この4校に232名が進学します。弊社は、実際の進学者数を塾評価の重要な指標の一つと認識しており、そこにこだわりをもっています。そういう理由もあり、合格者数とともに進学者数も公表しています。また、受験校の選択に関して塾の側から家庭に介入することは一切せず、「行きたい中学校への受験と進学を支援する」というスタンスを基本としています。
それゆえ、入学者選抜の形態の異なる公立一貫校への進学をめざす受験生には、その希望がかなえられるよう可能な範囲でサポートを行っています。また、歴史と伝統のある広島大学附属中学校は、弊社会員にも高い人気があります。以下でご紹介する合格実績、進学実績は、こうした弊社の活動の現状を示す参考資料としてご確認いただければ幸いです。
上記の中学校以外では、AICJ中学校(私・共)に25名が合格し3名が進学、広島国際学院中学校(私・共)に14名が合格し4名が進学、修道大学ひろしま協創中学校(私・共)に12名が合格し4名が進学、崇徳中学校(私・共)に4名が合格し1名が進学、武田中学校(私・共)に3名が合格し2名が進学、比治山女子中学校(私・女)に21名が合格し5名が進学、山陽女学園中学校(私・女)に2名が合格し1名が進学します(ここではご紹介しませんが、県外の私立中学校受験者も若干名おられます)。
さて、つぎは国・公立の中高一貫校の入試結果と進路選択状況をご報告しましょう。
上記以外では、広島大学附属福山中学校に1名が合格し進学します。また、中高一貫ではありませんが、広島大学附属東雲中学校に7名(男4・女3)が合格し6名(男3・女3)が進学します。
広島大学附属中学校の入試結果ですが、通年は女子よりも男子のほうがだいぶ合格者が多いのですが、今年は女子のほうが多かったことが注目されます。女子のほうが少なくなる理由は、合格者の入学手続き率が高い(男子は共学志向があまりなく、女子は共学志向が強い)女子の場合、合格発表数が絞り込まれているからでしょう。そんななか、今年女子のほうがたくさん合格しているのは、今年の弊社の女子受験生の学力上位層のレベルが高かったからかもしれません。ちなみに、今年の附属の合格発表数は、男子外部生90名、女子外部生50名でした。附属内部受験生の合格者数は、男子14名、女子15名でした。弊社の外部合格者は、男子19名、女子23名で、内部合格者は、男子3名、女子2名でした。
県立広島中学校の入試結果で注目したのは、男子の合格者の入学手続き率が上昇し、14名の合格者のうち11名が進学先として選んでいることでしょうか。以前は見られなかった傾向です。女子には開学当初から人気が高く、第一志望にする受験生の比率が高いため、今年も24名の合格者のうち19名が同校に進学する模様です。男女合わせると合格者の8割近くが入学する予定で、今やすっかり最人気校の一つとなったといっても過言ではありません。なお、同校合格者で他校にを進路として選択した受験生は、男子が広島大学附属1名、広島学院が2名でした。女子は広島大学附属が1名、ノートルダム清心が2名、広島中等教育学校が2名でした。
市立広島中等教育学校は、徐々に受験生家庭の認知度を上げつつありますが、以前もお伝えしたように安佐北区の山間部の団地脇にあり、受検者が通学可能な地区に限定される点で、県立広島のようなポピュラリティを獲得するまでに至っていません。弊社でも、受検するのは三篠校と広島校、己斐校の受験生にほぼ限定されています。また、男子の場合、修道との重複合格者が多く、そこでも交通の便が選択上のハンディとなっているように思います。ですが、学校として魅力を感じる家庭が多く、今後もっと人気が高まる可能性も感じます。
全体的にみると、今年の弊社会員受験生の入試結果は例年の傾向に沿ったもので、堅調に収まったと思います。合格者の進路選択についてときどき受ける質問についてここで触れておきましょう。広島学院中学校と広島大学附属中学校は、男子受験生にとって難関として双璧の存在です。ですが、弊社会員は伝統的に広島学院と附属の両方に受かったとき、広島学院を進路に選択するケースが多い傾向があります。昨年はその割合に変化があり、附属を選ぶ受験生の比率が高くなりました。しかし、今年は例年に近い状態に戻ったようです。今年の附属と学院の重複合格者は19名で、そのうち6名が附属に、11名が学院に進学する模様です。あとの2名ですが、県立広島と広島なぎさに各1名が進学するという報告を受けています。
コロナウィルスの感染拡大はまだまだ収まったとは言えません。弊社も対策としてオンライン講座の受講生を募ったりしていますが、小学生がオンラインを活用して受験勉強をするのは簡単ではなく、しっかりとしたフォローの態勢も整える必要があります。通学者に関しては、これまで通り感染のリスクを避けるべく十分に配慮して授業および指導を行ってまいります。受験生の子どもたちにとっては不便かつ不自由な形態での受験対策を余儀なくされるわけですが、目標をしっかりと見定め、強い気持ちで勉強に取り組んでいただきたいと思います。
今年も広島の受験生のために精一杯指導に取り組んでまいる所存です。保護者の方々におかれましては、変わらぬご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。