当面は「いかに取り組むか」を大切に!

3月 15th, 2021

 早いもので、2021年度の前期講座が開講して2週間が経過し、13日(土)には最初のマナビーテストが実施されました。お子さんから手応えを得た様子が感じられたでしょうか。

 マナビーテストは、2週間を一括りに設定された学習範囲について、取り組みの成果を各学年の会員児童が全員で競い合うイベントです。単なるまとめのテストや確認テストといった意味合いで捉えるのではなく、「たくさんの塾生のなかで、自分がどれだけの力を発揮できるかを試すのだ!」という意気込みをもって挑戦することが重要です。それが高い次元の学力へと到達するために欠かせないポイントです。テスト結果をお知らせする資料に優秀者の氏名を掲載しているのはそのためです。つまり、子どもたちはこのテストを励みにしながら互いに切磋琢磨して学力を伸ばしていくわけです。これが家庭学習研究社の提供する‟子どもを伸ばす”学習環境です。

 ただぼんやりと授業を受け、家庭で勉強し、何となく2週目の終わりにテストを受けるのではなく、上述のように積極的な気持ちでテストに挑んでいけば、1年もすれば大変な変化が約束されます。「次はもっと!」という張り詰めた思いが、子どもを短期間のうちに驚くほど成長させるのです。新4年生や5年生にとって、受験はまだまだ自分のこととして受けとめるには無理があります。「中高一貫校とは、受験とはどういうものか」についてよくわかっていない段階においては、「合格をめざしてがんばれ!」と激励してもさほど効果はありません。ですから、もっと身近なわかり易い発奮材料や目標を子どもに与えてやる必要があります。それがマナビーテストという制度なんですね。

  このように、基礎力養成期(4年部前期~6年部前期4月末)に実施するマナビーテストは、まだ受験への目的意識が定まらない子どもたちに、明確で具体的な目標を提供するためにあるのだといってもよいでしょう。無論、個々が設定すべき目標はそれぞれに違っていてよいのです。どのお子さんも「テストを受けるからには1番を取りたい!」という気持ちがもっているでしょうが、この目標を達成して満足を得られるのはたった一人に過ぎません。まずは前期開始後の1~2回のマナビーテストの結果をもとに、当面の目標、たとえば「平均点以上をめざす」「〇番以内に入るのをめざす」「ミスをとにかく減らす」など、現在の状態や課題に沿った実現可能な目標を設定し、その達成に向けてがんばっていただきたいですね。

 さて、ここからが今回筆者が会員保護者の方々にお伝えしたい事柄です。塾で授業を受け、家庭学習に取り組んだ成果を競い合うのがマナビーテストですが、「どのように授業を受けているか」「どのように家庭学習を行っているか」によって、結果は随分違ってきます。望ましい学習の態勢を築かずに十分な成果を得ることはできません。そこで弊社は、開講後しばらくの間は「授業の受けかた」や「家庭学習の進めかた」など、家庭学習研究社での受験学習の基本となる要素を子どもたちが理解し、日々の学習にとり入れていくことに指導の焦点を当ててまいります。そうして、学びの態勢が整ったなら、冒頭でお伝えしたような、高い意気込みを背景にマナビーテストに挑戦する受験生活へと自然と移行していけるのだとお考えください。

 ときどきみられるケースですが、開講後1~2回のお子さんのテスト成績にショックを受けられる保護者がおられます。これは親子共々「授業」と「家庭学習」の役割や連動性を理解しておられず、実のある勉強ができていなかったり、空回りの勉強になっていたりした結果です。そのことに気づかず、「うちの子はできないんだ」と思い込まれる保護者もおられます。

 弊社の授業は、それぞれの学習単元で最も基本となる大切な理屈をみんなで一緒に考えながら理解へと漕ぎつけることを念頭において実施しています。ですから、授業ではたくさんの問題に取り組むわけではありません。授業で大切な基本を丁寧に学んだあと、家庭ではテキストの基本問題をおさらい(復習)し、練習問題や発展問題に取り組んで質と量のバランスをとる必要があります。このような連動性のある勉強をすることで学力をつけていく仕組みになっています。

 また、計算技能の習熟や漢字のマスターなどは、授業で扱わなくても家庭でやれることですから、家庭学習用の副教材に組み入れています。ご存知かと思いますが、この副教材の学習に励みを与えるため、一定数をマナビーテストに出題しています。家庭学習の計画に副教材の学習を入れ、しっかり取り組んでおられるでしょうか。これをやっていればテストの成績に加算されるよう配慮しています。やればやっただけ成績に反映されますから、「やらねば損」ですよね。また、やるのを当たり前にすることで、自然と基礎となる必須事項が備わっていきます。

 以上お伝えしたことを大ざっぱではありますがまとめておきます。開講後しばらくの間は、次の点をしっかりと押さえた学習をしていただくようお願いいたします。

 妥当な学習計画がどのようなものか、4~5年生のお子さんが判断するのは難しいと思います。そこで、親子で一緒に考え、無理のない計画を立てていただくようお願いしています。開講して2週間余りが経ちましたが、すでに計画に問題が生じているかもしれません。その場合、これから少しずつ微調整しながら実行できる無理のない学習計画にしていただければと思います。

 4年部生の場合、お子さんがテキストの問題に取り組んだあと、保護者に〇つけをお願いしています。「○つけぐらい自分でできるだろう」と思われるかもしれませんが、子どもは漢字に一本線が足りなくても、「似ているから〇だ」などと判断しがちです。できるだけ保護者がチェックし、不十分な点をやり直すよう促していただければありがたいです。

 なかには、熱心に算数の問題の解きかたを研究される保護者もおられます。ですが、保護者には全部を教えてしまうのではなく、考えかたの切り口に気づかせるヒントを与える程度に留めていただくようお願いします。また、その場合にも授業日ごとに配布する「解答と解説」をよくお読みいただき、小学生の段階の望ましい考えかたで解決する力を身につけるようご配慮ください。方程式や公式ではなく、理詰めで解き明かしていく醍醐味を味わえるのが算数の魅力であり、それを繰り返し体験することで将来学力の花を咲かせていくうえで欠かせない頭脳が育成されていきます。ご理解ご協力のほど、よろしくお願いします。

 決めたことを実行に移すのは大人でも難しいものです。ですが、日課として定めた学習に取り組む習慣が定着すると、やがて「やらずにはいられない」という状態になっていきます。そこまでいけば、受験での成功は間違いありません。逆に言えば、そうなるまでが大変であり、保護者にとっても苦労が多いわけです。大変ですが、保護者にいちばんがんばっていただきたいフォローはこれに尽きるといってよいでしょう。子どもは、遊びが尾を引いて時間になっても机に向かわないことがよくあります。そんなときは軽く声をかけて促すなど、さりげなくお子さんを見守りながら粘り強くフォローをしていただけるとありがたいです。

 無論、受験勉強に関わる重要なことは授業日に少しずつお子さんにお伝えしています。しかしながら、お子さんが家庭で実行されなければ成果につながりません。「わが子はやるべきことがわかっているか、やるべきことをしているか」という視点に立った、保護者の見守りやフォローもお子さんの受験生活を軌道に乗せるうえで非常に大切なものだとご理解いただき、お子さんの受験生活が少しずつ軌道に乗るよう応援してあげてください。

 まずは、お子さんが自発的に机に向かって勉強に取り組む、生き生きとした受験生活を実現しましょう!

Posted in 勉強について, 勉強の仕方, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念

おすすめの記事