受験突破は、テスト上手になることから!

4月 12th, 2021

 2021年度の講座が開講して約1カ月半が経過しました。2週間に1度の割合で実施されるマナビーテストも、先週の土曜日で3回目が終わっています。お子さんは、このテストに対してどんな反応を示しておられるでしょうか。テストの結果を楽しみにし、しっかりと備えをしておられるようならいいですね。

 開講から当分の間は、受験勉強の慣らし運転の時期であり、保護者には「当分は、授業の受けかた、家庭勉強のしかたなど、受験態勢を整えるうえで基本となる事柄の習得を優先してください」とお伝えしています。授業においても、そういった趣旨に基づく内容の指導をしており、比較的ゆったりとした雰囲気のもと、子どもたちが受験生活に少しずつ馴染んでくださることを念じながら見守っています。

 前回のブログ記事においても、テスト成績よりも「努力しているかどうか」を重要視していただくようお願いしています。テスト成績は、勉強の態勢が整ったなら自然と上向きになるものです。今は「いかに取り組むか」を優先し、当面の成績は参考程度にしていただきたいですね。

 とは言え、テストがあれば誰しも結果が気になるものです。どうかすると、成績を見ては親も子どもも一喜一憂しがちです。テストの結果がよくないと「自分は能力がない」とやる気を失うお子さんがおられるかもしれません。そこでまずは、「テストとは何か」ということについてお伝えしておこうと思います。

 まずもって心に留めていただきたいのは、テスト成績は能力を判定するものではないということです。テストは、当該単元の学習事項の理解度や技能の習得状況を判定するものであり、お子さんの学びの現実を振り返ったり、励みを見出したり、今ある問題点を明らかにしたり、当面クリアすべき目標を定めたりするためにあるのです。つまり、テストは学びの現状をつまびらかにし、対策を施して学びのレベルを上げていくためにあるのです。

 また、テストがあると誰だって○(丸)が欲しくなります。いくら落ち着きのない子どもでも、おしゃべりばかりしている子どもでも、真剣な眼差しで集中して取り組みます。テストの最中、子どもは必死に記憶の引き出しから問いに対応する知識を取り出そうとしたり、課題突破の糸口を探り当てようと思考を繰り返したりしています。つまり、普段では期待できないほど集中し、考えることにエネルギーを注いでいるのです。このこと自体がテストの重要な効能なのです。テストを受けることで、脳に格納されている知識を再び思考のテーブルに載せ、重要な知識として深く刻み付けることができるのですから。これは普段の勉強では得られない成果です。つまり、テストは記憶強化装置の役割を果たしているのですね。

 以上のようなテスト体験を2週間ごとに循環させる。それによって、受験で求められる学力へと少しずつ近づいていくわけです。その前提となるのは、正しい取り組みの方法を身につけることと、やるべきことを計画的にやり抜く姿勢を身につけることです。開講後しばらくは取り組みかたを学び、受験勉強を軌道に乗せることを優先した指導をするのはそのためです。お子さんが自分のやるべきことを精いっぱいやり「次こそは!」という意気込みで毎回のテストに臨む。このような受験生活を、少しずつ実現していただきたいですね。

 今の段階で、保護者から見てお子さんがやるべきことを理解し、積極的に勉強に取り組んでテストを受けておられるようでしたら問題ありません。前回のブログでお伝えしたような事柄を踏まえ、「努力」の度合いをみながらほめたり励ましたりをくり返していただきたいですね。きっとお子さんは、上述のようなテスト制度のもたらす効能を享受し、学力を大いに伸ばしていけることでしょう。

 問題は、やるべきことがわかっていない、やれていないお子さんです。お子さんがそういうケースに当てはまっているように思われたなら、一刻も早く手を打つ必要があります。お子さんは、塾での授業のことを家庭で保護者に笑顔で報告しておられますか。家庭では、やるべきことを理解し、計画に沿って取り組んでおられますか? こうしたことに何も問題がないのに、テストがさっぱりできないということは普通考えられません。勉強のどこかに問題があるはずです。それを今のうちに掌握し、対策を施しておく必要があります。何しろ、新年度の講座はまだ始まったばかりなのですから。

 そこで、テスト成績が親から見て腑に落ちないほど芳しくないと感じておられる保護者のかたには、次のような観点から現状を調べてみることをお勧めします(主に算数を念頭に置いて書いています)。

 ノートに何が書かれているでしょうか。「授業」の板書や、授業で取り組んだことの記録が残されているかどうかを確かめてください。授業においては、指導担当者がその回の授業の大切な考えかたについて板書にしてまとめています。それがノートに残されていなければ、ちゃんと授業を受けておられない、授業を聞いておられない可能性があります。

 テキストの問題が、やりっぱなし、もしくはやっていない状態になっていませんか? 4年部では保護者に〇つけをお願いしています。どの程度取り組み、どれぐらいできているでしょうか。間違った問題の直しはしておられるでしょうか。それをしないと成果は得られません。

 

 お子さんに、折をみて授業でテキストのどこをやり、家庭では何に取り組んでいるのかを尋ねてみてください。上手にすらすら言えるお子さんは僅かです。だいたいのことが言えればまずまずでしょう(叱らないようお願いします)。

 塾でやることと、家庭でやることの連動性がまるでわかっていないようであれば、授業も家庭学習も生きたものになりません。授業で基本となる理屈を学び、いくつか基本問題に取り組みます。家では練習問題の残りをやりながらおさらいをしたり、応用的な問題に取り組んだりします。今の状態に合わせ、無理にテキストの最後の問題までやる必要はありません。

 

 テキストの2週目後半は「がんばりチェック」というまとめの学習になっています。これに丁寧に取り組んだり、副教材を割りあて週に沿ってやったりしていれば、テスト対策はある程度的を射たものになります。

 面倒ですが、開講後に実施されたマナビーテストの答案用紙も併せてチェックし、やるべきことをやってテストに臨めていたかどうかを調べてみてください。空欄がたくさんあったり、副教材からの問いに答えられていなかったりしているようですと、改善の余地があります。答案から、現在の学びの問題点がいっぱい見つかるものです。

 やるべきことをやっていなかったのか、苦手な単元だったのか、つまらないミスを繰り返しているのかなど、返却された答案をみればわかりますし、いろいろと打つべき対策も見えてくるものです。

 

 なお、勉強について親子で話をするとき、親はどうしてもイライラしたり、怒りっぽくなったりしがちです。しかしながら、それでは勉強の改善に向けた建設的な話し合いはできません。また、親が一方的に注意したり指示や命令を出したりすると、お子さんの反省は望めなくなります。お子さんが、一歩ずつ現状を改めて行けばいいのです。好循環の流れが見られるようになるまで、辛抱強く付き合ってあげてください。

 やるべきことがわかり、ある程度テストへの備えができたという実感が得られると、お子さんはテストに対して能動的な気持ちになり、「今度はいい結果が得られるかも」と、意気込みをもって臨むようになっていきます。わが子が塾に楽しく通い、家庭でも計画的に勉強に勤しむ受験生活を、まずは実現していきましょう。問題点は早期発見、早期対処が基本です。

 今やっている勉強は、「授業と家庭学習の反復」を基本としています。このやりかたは、中学高校生になってからも大切にすべきものであり、今しっかりと身につけておけば‟一生もの”として学びの人生を支えてくれるでしょう。だからこそ、今の学びを大切にしていただきたいのです。

 もしも、お子さんの勉強の現状がよくわからず、塾での授業や家庭勉強についてどう判断してよいかわからない保護者がおられましたら、通学校の責任者(校舎長)もしくは教科の指導担当者にご連絡ください。必要な場合は、校舎にて面談をしたり、アドバイスをしたりするなどの対応をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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