お子さんの中学受験を視野に入れておられるかたへ その2

10月 22nd, 2021

 前回は、中学受験の専門塾としての家庭学習研究社の基本スタンスが「子どもの自立支援」にあるということをお伝えしました。「いかに学ぶか」を大人の導きのみに頼るのではなく、自分で段取りをつけて学ぶ姿勢を中学受験のプロセスで身につけておけば、先々の学業面での大成が期待できるのみならず、自らの人生を自ら切り開いて行けることでしょう。

 こうした方針は、50年余り前の創設時から変わりません。家庭学習研究社の推進する受験勉強は、社名のとおり「家庭学習」を重要視しているところに特徴があります。教室での指導は、単に知識や理論を伝授する場ではなく、家庭学習を自分で管理しながら進めていく姿勢を育むための場としても位置づけられています。

 こうした独自の方針に基づく学習指導を推進するため、テキストはすべて自社で作成しています。すなわち、子どもたちが家庭で勉強するにあたり、「いつ、どこを、どれぐらい勉強したらよいか」がわかるよう配慮して編集されたテキストなら、家庭での一人勉強を可能にできるのではないかと考えたわけです。また、学習のレベルもできるだけ子どもの現実に合致したものにする必要があります。無用な難問に取り組むよりも、子どもが自分で考えて自分のものにできる課題に取り組むほうが真の学力になりますし、何よりも自分に自信をもてるようになるでしょう。

 このように申し上げると、「でも、中学受験って難しいことをやらないと受からないんじゃないの?」と疑問をもたれる保護者もおありかも知れませんね。しかし、心配には及びません。広島の中学受験は、基礎内容重視という共通の特徴があります(近年人気の公立一貫校で実施される適性検査も、基礎学力が問われています)。難問が多数出題される大都市圏の入試に対応するテキストは子どもに相当な負担を与えることになりますし、広島の入試の実状に合っているとは言えません。基礎内容中心の無理のない学習による入試合格は十分に可能なことです。実際のところ、弊社の中学入試での合格実績をご覧いただければ納得いただけるのではないかと思います。「子どもたちが無理のない学習で合格するよう導くという意味においても、自社製オリジナルテキストは大いに貢献しているわけです。

 次の図をご覧ください。教室での指導の位置づけと、家庭学習との連動についてご説明するためのご用意したものです(4~6年部)。

 家庭学習研究社の教室指導は週3日を原則としています。それは、教室指導と家庭学習を交互に繰り返すことによって学習の習慣づけや自学自習の姿勢の確立を達成するという目標があるからです。 

 毎回の授業で何を学ぶのかは、テキストのカリキュラムの流れを見ればわかります。そこで、5年部からは、授業前に簡単な予習も課しています。こうして、授業で何を学ぶのかをおおよそ掌握する、単元の最も中心となる理屈や考え・知識をみんなで学ぶ、先生の話を聞きながら板書をノートに写す、上手なノートのまとめかたを学ぶ、といった経験をくり返していきます。

 家庭では、授業のおさらい(復習)が勉強の中心となります。授業で扱った内容を反芻しながら、わかりかけていたことの理解を徹底させたり、テキストの発展的な問題に取り組んだり、2週間に1回の割合で実施される単元テスト(マナビーテスト)に備えたまとめの学習を繰り返します。毎日の家庭学習は、学習の習慣づけや、「どこをどれだけやっておくか」を考えて学ぶ姿勢(段取りをつけて学ぶ姿勢)を身につけていきます。

 家庭学習研究社の教室に通う子どもたちにアンケートを実施すると、大概は「とても楽しい」「まずまず楽しい」という回答がかえってきます。それは、「受験は競争だ」というぎすぎすした雰囲気が微塵もなく、学校とは違った仲間とレベルの高い学習を一緒に取り組み、学ぶことの手応えや面白さを味わえる刺激的な毎日がそこにあるからなのだと自負しています。

 「塾が楽しい!」と言ってくれる子どもたちの家庭学習の実態について調査したことがありますので、ここでちょっとご紹介してみましょう。「週3日コース」4・5年部会員生のうち、各校舎で任意に選んだクラスで実施したアンケートの結果です。

4・5年部会員 アンケート結果(PDF) 
※上記をクリックするとPDFが表示されます

 このアンケート結果をご覧になると、通学生の家庭学習の実態がある程度おわかりいただけるでしょう。計画をちゃんと立てていないお子さんも結構おられます。これは残念ですね。4年生ぐらいまでは、頭のよいお子さんは行き当たりばったりの勉強でも結構通用してしまうからでしょう。しかし、この勉強が楽な段階こそ、学習の習慣づけをしっかりとやってほしいものです。それが受験勉強が本格化する5年生以後の学力向上につながります。

 4年生の家庭勉強は1時間ぐらいが普通のようですが、5年生になると2時間が基本になっているようです。計画の実行力については、もっとやってほしいという思いも湧きますが、「だいたいしている」が大多数ですから、こんなものかもしれませんね。厳しく指導すれば、家庭学習の徹底にはつながるでしょうが、大人の管理の色合いが濃くなりますし、「塾の勉強は楽しくない」につながる恐れもあります。子どもたちの成長の歩調を合わせて、徐々にレベルアップしていくのが望ましいのではないかと思います。

 授業のしくみや内容などをあまり詳しくご説明すると、読みづらくなってしまうし、却ってわかりにくくなるため、大ざっぱな説明に留めました。次回は家庭でお子さんをフォローされる保護者に向けた記事をお届けしようと思います。よろしくお願いします。

 

Posted in アドバイス, 中学受験, 勉強について, 勉強の仕方, 子どもの自立, 家庭学習研究社の歴史, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念

おすすめの記事