2022年度 弊社会員の中学入試合格実績と進路選択状況

2月 25th, 2022

 広島県内の中学入試が終了し、弊社の会員受験生の進路選択の状況もあらかた判明しています。そこで、今回は遅まきながら弊社会員の合格状況と進路選択状況をご報告いたします。なお、まだ進路確認が終了していない会員受験生もおられますので、進学者数についてはいくらか変動するものとご了承ください。

 まずは全体的な受験の状況から。広島の中学受験の志願状況は、今年も例年に引き続き横ばいもしくは若干減少気味でした。主要校については、特に目立った変動はありませんが、やはり全体的な傾向と同じようにわずかながら減り気味であり、10年20年前よりは合格を巡る競争は随分と落ち着いてきているように思います。児童数の減少、停滞が続く地元経済、公立一貫校の増加、大学が入り易くなってきていること、既存校の共学化、新設私学の参入など、競争緩和につながる要因がいろいろとあり、それらがからみあって微妙に作用した結果が現在の入試状況なのだと思います。

 ともあれ、受験合格を巡る競争の緩和は子どもたちにとってはプラスに作用するでしょう。受験一色の生活をしなくても志望校に入学できるし、各自に合った学校選びが可能になるからです。学校サイドも、少しでも有望な生徒を確保すべく、学校の教育内容の見直しや改善を進めておられます。各学校のホームページを見ても、かつては考えられなかったほど充実した情報提供に努めておられることがわかります。特に私学は生き残りをかけて必死ですから、生徒一人ひとりに対するフォローも大いに期待できるでしょう。校風や教育内容などは、本来学校選択でもっとも重視すべき要素ですから、いろいろな選択肢の中からじっくり学校を選べる状況に近づきつつあるのは朗報でしょう。また、子どもたちには受験生活と併行して小学生としての生活もあります。小学生の時期にこそ体験しておきたいことを犠牲にしなくて済むことは、子どもの健全な成長にとっても望ましいのは間違いありません(学習塾の経営面はさておきの話ですが)。

 弊社は、50年余り前の創設以来、広島の中学受験に特化し、広島の受験生の進学の夢の実現に向けて応援してまいりました。また、もう一つ柱として掲げてきたのは、「中学進学後の飛躍を視野に入れた指導」です。具体的には、「自ら学ぶ積極的な学習姿勢の確立」「計画に基づいて学ぶ自学自習の姿勢の確立」などを掲げて指導をしてまいりました。受験での競争緩和は、成長の途上にある子どもたちが、望ましい学びの姿勢を築きながら志望校への進学の夢を果たすうえでよい状況と言えるでしょう。弊社は、今後ともこれまで維持してきた指導方針を堅持し、子どもたちの将来の飛躍に向けた備えをしながらの受験合格を支援してまいる所存です。ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

弊社会員 私立一貫校の入試結果と進路選択の状況(2月28日現在)※数字は人数

学校名 募集定員 志願者数 弊社合格者数 弊社進学者数
広島学院中学校 184 598 59 40
修道中学校 276 872 143 82
広島城北中学校 200 624 107 25
ノートルダム清心中学校 180 539 72 53
広島女学院中学校 200 716 147 66
安田女子中学校 特進60
総合140
A531
B547
116 30
AICJ中学校 120 332 男15
女20
男4
女7
広島なぎさ中学校 160 男332
女263
男56
女38
男17
女11
近畿大学附属広島中学校 東広島校 前期110 前期324 男19
女20
男6
女6
後期30 後期149

※安田のA日程は専願と併願がある(2教科試験と面接)。B日程は併願のみ(4教科試験)。

 上記の中学校以外では、広島国際学院中学校(私・共)に19名が合格し6名が進学、広島修道大学ひろしま協創中学校(私・共)に15名が合格し3名が進学、崇徳中学校(私・共)に6名が合格(進学者なし)、広島新庄中学校(私・共)に4名が合格し1名が進学、呉青山中学校に1名が合格し1名が進学、比治山女子中学校(私・女)に19名が合格し3名が進学、山陽女学園中学校(私・女)に4名が合格し2名が進学します。このほか、愛光や岡山白陵などの県外の私学を受けて合格した受験生もいます。

 今年、弊社会員の私学受験状況で目についたのは、修道への進学者が例年よりも多いことでしょうか。また、AICJ中学校を受験する会員が近年随分と増加し、かなりの数が進学するようになりました。国際バカロレア資格が得られる制度、充実した語学教育などが魅力と映っているのでしょうか。実際、同校の評判がよくなってきているのを耳にします。さらに、安田女子中学校は特進コースを設置された効果でしょうか。受験者数が持ち直しつつあります。弊社からの進学者数も少し回復しています。

 

国・公立一貫校の合格・進路選択の状況(2月28日現在) ※数字は人数

学校名 定員 志願者数 弊社合格者数 弊社進学者数
広島大学附属中学校 120 男子 外部518 男24 36 男13 23
内部32
女子 外部434 女12 女10
内部30
県立広島中学校 160 760 男15 40 男13 30
女25 女17
県立叡智学園中学校 40 312 男2 男1
女3 女3
広島市立中等教育学校 120 367 男9 24 男0
女15 女3

 上記のほか、県立三次中学校の合格者が1名います。

 昨年もお伝えしたのですが、県立広島中学校を受検する男子会員がこのところ増加しており、しかも合格した場合進路として選ぶ傾向があります。今年は合格した15名のうち13名が同校を進路として選んでいます。また同校への進学者は男女合わせて30名おり、有力な受験(受検)対象校・進路としてすっかり定着している感があります。弊社会員の、県立広島への合格者の内訳を調べてみたところ、地元の東広島校が10名(男女各5名)、それ以外が30名と、地元東広島市以外からの合格者の比重が高くなっています。特に目につくのは、三篠校の8名、広島校の14名でした。

 いっぽう、市立広島中等教育学校は、弊社からの受検者も合格者も一定数いるのですが、弊社には同校を一本に絞っての受検者はほとんどおらず、しかも他校(修道など)を進路として選ぶケースが多いようです。学校の評判は決して悪くありませんが、交通のアクセス面でのハンディが影響しているように思います。まだ歴史の浅い学校で、少なくとも弊社の私立男子校志向を切り崩すまでに至っていません。

 なお、広島の最難関校である、広島学院、ノートルダム清心、広島大学附属は、合格者の歩留まりが当然他校よりも高くなります。特に女子の場合、毎年広島大学附属に受かったほとんどの受験生が進路として選択しています。ただし、これらの学校に受かったものの、敢えてほかの学校を進路として選んでいる受験生もいます。その内訳をご紹介してみましょう。

 広島学院の合格した59名のうち、他校に進学する受験生は19名いました。そのうち、広島大学附属を選んだのは8名、修道が7名、県立広島が3名、広島なぎさが1名でした。ノートルダム清心に合格した72名のうち、他校を進路に選んだのは19名でした。内訳は、広島大学附属が8名、県立広島が5名、広島女学院が5名、叡智学園が1名でした。広島大学附属に合格した36名のうち、他校を進路に選んだ受験生は13名でした。内訳は広島学院が9名、ノートルダム清心が2名、修道が1名、県立広島が1名(男子)でした。

 以上の結果を見ると、県立広島に受かった受検生が、広島学院、清心、広島大学附属のいずれかと重複合格した場合、県立広島を進路に選ぶケースが以前よりも増えていることに気づかされます。そこで、県立広島に合格しながら他校を進路に選んだ受験生のについても調べてみました。同校に合格した40名のうち、他校を進路として選んだ受験生は10名でした。内訳は、ノートルダム清心が3名、広島大学附属が4名(女子4名)、修道が1名、広島国際学院が1名(男子)、叡智学園が1名(女子)でした。

 こうしてみると、必ずしも合格した中学校のなかから偏差値順に進路が選ばれているわけではないことがわかります。保護者やきょうだいの出身校であることや、友達と一緒に行きたい、スポーツもがんばりたい、家の近くにあって親しみがある、特色ある教育に関心がある、イメージがよい、特待生になったなど、様々な理由のうち、どれかが選択の基準として大きな要素となり、進路選択の決め手になっているのでしょう。そういう受験生が一定数いることは、学校や保護者にとってもよいことではないでしょうか。子どもたちが進学した学校に愛着をもち、その学校で充実した学校生活を送ること以上にうれしいことはないからです。

 来年以降はみなさんのお子さんの受験が控えています。いざ受験するというときには、今回ご紹介した情報も参考にし、適切な受験(受検)校や進学校の選択をしていただきたいと存じます。これからの学習生活の充実に向けて、がんばってください!

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