家庭学に通って得られるもの ~夏期講座のご案内~
6月 20th, 2022
6月も後半を迎えています。日中は蒸し暑さを覚え、だんだんと夏が近づいているのを実感します。熱中症になる人が増えていますので、くれぐれもお気をつけください。
先日このブログでもご案内しましたが、7月1日(金)に「夏のおかあさんセミナー」(対象:小1~5のお子さんをおもちの保護者)という催しを開催いたします。ワークショップ的な形式の催し用にセッティングされた会場のため、会場の収容人数に限りがあります(40名)。受け付けできるのはあと数名となっています。参加をご希望のかたは、ホームページの案内や実施要項をお読みのうえ、手続きをしていただきますようお願いいたします。※20日に定員に達しました。申し訳ありません。
さて、現在弊社では夏休みの講座の参加生を募集しています。低学年部門(小1~3)は通常講座も含めて申込順に受け付けています。受験部門(小4~6)は、通常の講座では入会資格を得るための試験(会員選抜試験)を受けていただき、一定の成績を得たお子さんに入会いただいていますが、夏の講座に関しては申込順に定員まで入会いただけます(6年生のみ、「会員選抜試験」を実施します)。学習指導の学習指導について詳しくお知りになりたいかたは、「入会ガイダンス」という催しを各校で実施していますので、日程をご確認のうえ参加いただきますようお願いいたします。校舎長が丁寧にご説明いたします。詳しくはホームページに案内がございます。
今回の記事は、夏の講座の募集が始まっていることもあり、弊社の学習指導の特徴について簡単にお伝えしようと思います。
家庭学習研究社は昭和42年に設立された中学受験の専門塾です。今日まで一貫して堅持している方針の一つに、「子どもの望ましい成長に資する学習指導の実践」というのがあります。この方針は、今も子どもたちにとっても大切なものであると考えています。これから、そのことについてお伝えしようと思います。
弊社は進学塾ですから、合格を得るための指導をするのは当然のことです。実際、50年余り前の設立当初は「合格」を最大の使命として受け止め、一人でもたくさんの受験生が志望校に受かるよう必死に指導したと、経営者から聞いています。その結果、たちまち県内指折りの実績をあげるようになりました。しかしながら、合格のみを眼目として指導することの弊害をたちまち痛感する事態に至りました。せっかく志望校に受かったのに、中学進学後に伸び悩み、再び相談にやってくる保護者や生徒さんが後を絶たなかったのです。これはどういうことでしょう。難関とされる私立一貫校ほど授業レベルが高いのは当然のことながら、生徒は一人前の人間として扱われ、自己管理の下で勉強していく姿勢が当然のように求められます。このような環境においては、受け身の勉強をしてきた生徒は高度で速い学習の流れについて行けません。さらには、夢の叶わなかった子どもたちの明日に対する配慮の必要性も痛感することとなりました。受かっても受からなくても、子どもたちの明日につながらない指導は意味がないということを思い知らされたのでした。
そこで、「子どもたちの将来の飛躍を展望でき、なおかつ志望校合格が得られるやりかたがあるのではないか」と経営者は考え、教育の専門家に師事して学び、創意工夫の末行きついたのが現在の方針に基づく学習指導です。今回は、その柱となるものをいくつか取り上げてご説明しようと思います。
①自立学習支援
弊社の学習指導は「週3日通学」を原則としています。それは、授業日と授業日の間に家庭学習の日を設け、予習や復習をする姿勢を定着させるためです。家庭での一人勉強ができるようになった子どもは、どのような中学校に進学しても自己管理の下で勉強を進めていくことができます。ただし、一人勉強は小学生には難しいのが現実です。そこで授業では、その回の重要事項を学ぶだけでなく、家庭で一人勉強ができる態勢を築くための指導も行っています。復習はどこをどうやるべきか、ノートの上手な取りかた、板書をうつして家庭で活用すること、テスト前のまとめ学習のしかたなど、自分で勉強を進めていくために必要なことを講座の進行と併行して学び取らせるのです。専用のテキスト自体が、子どもの自立勉強をサポートすることを目的に編集されています。
②子どもの気づきを引き出す授業
弊社では、重要事項を教え込んだり、たくさんの問題を解かせたりする授業は行っていません。たとえば算数では、その回の授業で扱う最も重要な考えかたを、子どもたちが自分で考えて気づくよう導いていきます。興味をもたせ、問いかけ、考えさせ、気づかせていく流れを基本に置いています。このような授業は発見の喜びを味わわせてくれるし、筋のよい考えかたを身につけるうえでも役立つでしょう。また、中学進学後に受ける授業と極めて強い共通性があるため、中学進学後も違和感なく授業を受けることができます。ただし、この方法だと授業で扱える課題の数が限られてしまいます。それを補うのが家庭学習でもあるわけです。授業で扱わなかったテキストの課題を家庭で取り組む。これは、子どもたちが自主的に行うもので、宿題ではありません。個々の子どもたちが、自主的にやれるところまで取り組む勉強だからこそ、学びの自立につながります。それを理解し実践していったお子さんは、先々の飛躍を約束されたようなものです。
③現状を分析し修正する
2週間に一度実施するテスト(マナビーテスト)は、全会員で成果を競い合う場です。よい成績をあげようと、みんな一生懸命準備をしてこのテストに臨みます。テスト後には、得点や順位をお知らせするだけでなく、全設問の正答率がわかる資料も提供しています。ほとんどのお子さんができている平易な問題(★印1つ)から、ほとんどのお子さんができなかった問題(★印5つ)まで、5段階表示します。たとえば、平均点を取るのが課題となっているお子さんは、★印3つまでを完璧にできるように復習するとよいでしょう。これをくり返すことで、1年もすれば現状がどうであるかを分析し、一歩ずつ向上をめざしてがんばる姿勢がかなり備わるでしょう。自分の状態を客観視し、修正をはかる姿勢は、中学進学後もずっと必要とされるものであり、中学受験の段階で身につけておけば大いなるアドバンテージになります。
長くなりそうなので、ここまでとしておきましょう。以上のような学習指導を通じて身につけた学びの姿勢は、今日の社会で一人前の人間として生きていくうえで必要な力を授けてくれることになります。自己管理の下で行動する力、自分で考え主体的に行動していく姿勢、現状を客観的にとらえるメタ認知的視点、先を読んで必要な段取りを組む力、自分を励まし目標に向かって努力を続ける姿勢等々…。これらの能力をある程度身につけたなら、先々の更なる成長や発展が見込めるでしょう。どの学校に行ったかよりも将来を展望するうえで大きな支えになると確信しています。
夏の講座は、比較的短期間で家庭学習研究社の学習環境をひととおり体験していただけるよい機会です。ぜひお子さんを通わせてみてください。お子さんを励ましながら、がんばりの様子を見守ってあげてください。よい変化が生じているようなら、引き続き秋からの講座に通っていただきたいですね。
最後に一言。中学受験は、成長途上の子どもが受験生ですから、大人のサポートが必須です。どんなにしっかりしたお子さんでも、一人で受験生活を乗り切ることはできません。大人の手助けが必要だということは、大人が受験をどのようなものと受け止めているかが学習成果に大きく影響するということです。ご縁をいただいたなら、できるだけ共通の価値観や視点に立ち、子どもたちの成長につながる受験を達成すべくがんばってまいりましょう。よろしくお願いいたします。