夏のおかあさんセミナー、盛況でした!

7月 1st, 2022

 本日、夏のおかあさんセミナーを実施し、盛況のうちに終了することができました。参加者のみなさま、ほんとうにありがとうございました。催しの最中に、何度か同じテーブルを囲んだおかあさん同士で、テーマに沿った話を自由にしていただく趣向を採り入れましたが、たちまち部屋中におかあさんがたの声が元気よく響き渡りました。「みんな、同じように苦労されているんだな」と実感されたかたが多かったようです。また、「お話が具体的でわかり易かった」という反応を数多くいただき、企画実施者として報われた気持ちにもなりました。ありがとうございました。

 なお、申し込みを受け付けて僅か2~3日のうちの定員に達したため、参加いただけなかったかたもおられたようです。申し訳ありませんでした。そこで、お詫びに本日お話しした内容の初めの部分をご紹介することにしました。

 このセミナーの企画は筆者が担当しました。また、会場での進行役もいたしました。以下は、弊社の後継スタッフのために筆者が何をお伝えするつもりかを書き留めていたものです。実際とあまり違わないと思いますので、よろしければ目を通してみていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。なお、この催しではビジネスに関わる話は一切しませんでした。ただただ「おかあさんがたを支援したい」という思いで行った催しだからです。

 国立遺伝研究所の所長の著書に、「文明から取り残されたアフリカの奥地で生まれた人のなかにも、ノーベル賞級の才能を秘めた人はいる。しかし、ほぼ100パセントの人はその才能に気づかないまま人生を終えている」というくだりがありました。これが意味するのはどういうことでしょうか。才能が芽吹いて育つには、それを可能にする環境や刺激が欠かせないということです。

 かつて、人間の能力は遺伝で決まるのか環境で決まるのかという論争がありましたが、現在では両者の相互作用で決まるという考えが主流です。遺伝について言えば、特別な専門領域の才能を除けば、誰でも高等教育に順応して社会で活躍できる潜在能力をもっています。ですから、「いかにして能力開花の流れを築ける環境を整えるか」が非常に重要なカギを握っているのではないでしょうか。

 日本という国はその点で恵まれています。誰でも優れた高等教育を受けるチャンスがあります。問題は、そこへ至る流れを誤らないことです。そのためにぜひとも重要視していただきたいのが家庭教育です。家庭教育で育まれるもののなかに、能力開花に必須の要素がたくさんあるからです。

学力の裾野に何があるか

 学力の話をすると、「何をどう勉強したら力がつくのか」ということにのみ目が向きがちです。しかし、その前に目を向けるべきものがあります。たとえば、学習成果を左右する目に見えない知力(非認知能力)です。非認知能力のほとんどは、主として児童期までに形成されます。そのことを踏まえるなら、この目に見えない知力の成長を引き出しながら受験勉強を進めていくことが、大変重要になってきます。非認知能力を磨けば、自ずと学習の成果も高まります。さらには、中学進学後の学習の発展への備えをしていくことにもなるでしょう。

 上図を見てください。テストで測れる学力は、本来は非認知能力と呼ばれる要素と連動させながら培っていくべきものです。したがって、家庭教育の関与が不可欠と言えるでしょう。いっぽう、大人の強制や覚え込み、訓練型の指導でもテストでの得点力をあげることができます。こちらは家庭教育の関与は必須でないうえ、手っ取り早くて即効性があるため、この方法を採る人がたくさんいます。しかし、そのやりかたで得た学力は中学、高校、大学へと進むほどに剥がれ落ちてしまいます。

 子どもの将来まで見通したなら、家庭教育と受験対策を切り離す方法はあり得ないのではないでしょうか。毎日の家庭での親の関わりや生活、学びを通して非認知能力を磨き、自らの行動を自ら適切に律する姿勢を身につけ、それを学習活動に反映させるべきです。一見学力と無関係に思える非認知能力ですが、これらの力なくして高度な学問を修めることはできないし、実社会で活躍できる人間にはなれません。

 受験勉強が佳境に入る前に、親が施すべき家庭教育とはどのようなものかを考え、一貫してそれを実践していく必要があります。

 

 以上のようなお話をしたうえで、この催しの具体的な内容に入りました。次週、可能な範囲でそれをご紹介しようと思います。よろしければお読みください。

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