「中学受験なんでも相談室」から 追記
9月 27th, 2022
前回は、「中学受験なんでも相談室」の実施状況を簡単にご報告しました。そのときにお伝えすべきことを失念していました。それは、すべての保護者がわが子に惜しみなく深い愛情を注いでおられるということです。見るからに優しそうなおかあさんも、少し厳しそうに見えるおかあさんも、わが子の健全な成長を強く願っておられる点についてはまったく変わりません。そのことにしみじみと感じ入ったしだいです。
どなたも、「わが子に親の思いがどれだけ通じているか」「いつになったら安心して何事も任せられる状況が訪れるのか」という不安やもどかしい思いと葛藤しながらお子さんを見守っておられます。そのことに感銘すら受けました。親という存在はほんとうにありがたいものだと感じずにはいられないほどです。残念なのは、肝心のお子さんがそのことに気づき、行動を改める段階に至っていないことです。
しかしながら、このような働きかけをしておられる家庭に子育ての失敗はありません。おかあさんの思いは間違いなくお子さんに届いています。お子さんへの関わりかたに多少の差こそあれ、「自分のやるべきことをしっかりと受けとめ、親に言われなくても自分からやれる人間に成長してほしい」という願いをもっておられることが筆者には十分伝わってきました。親の望んだ方向へと変わっていく時期は、お子さんそれぞれに少しずつ異なるのは仕方ありません。お子さんの自覚が行動へと転化するにあたっては、内面の成長が追い付く必要があります。いわゆる成長曲線のことですが、それは子ども個々でみな違っています。また、何らかのきっかけが必要かもしれません。重要なのは、親がいつ来るかわからない自立に向けた成長の時期がやってくるまで、辛抱強く働きかけや声かけを継続することです。
以前もお伝えしたかと思いますが、思うに任せないわが子を見て、癇癪を起したり怒鳴ったりしても効果はありませんし、親自体も気がめいってしまいます。相談室をご利用になったおかあさんがたは、どなたもそういった感情に溺れてしまうことなくがんばっておられることに共感を覚えました。さらにひとことお伝えするとしたら、「できない」状態は永遠ではなく、もうすぐ終わるということです。わが子を信じましょう。6年生のお子さんなら、ちょうど今頃が変わってくる時期です。親に求められる心のありようは、「きっと思いは通じる」「何とかなるさ」という、希望や楽観性です。それを失わずに根気良くわが子に接することがいちばんです。
きっとわが子は変わる! そのときがもうすぐ来るのは間違いありません。それを信じて、辛抱強く、粘り強く、多少の楽観性をもって日々お子さんに接してください。