オンライン親子セミナー‟広島女学院編”実施報告1

10月 2nd, 2022

 9月23日の金曜祝日には、広島女学院さんに出向き、「オンライン親子セミナー」を実施しました。当日は渡辺信一校長のほか、広報部長の濱岡先生、高校2年の生徒さんにご協力を賜りました。情報発信のための会場としてご用意いただいたのは高校チャペルでした。この部屋は、学年ごとの礼拝などに使用されているそうで、生徒さんのデザインによる2つのステンドグラスの窓が美しく輝いていました。壁際に設置されている大きなパイプオルガンと相まって、チャペルはミッションスクールのアカデミックで厳かな雰囲気をたたえていました。

 始める前に広報部長の濱岡先生がパイプオルガンの演奏を少し披露してくださったのですが、それを聞いていると、何とはなく讃美歌を聞き歌いながらの礼拝の様子を想像してしまいました。いかにもミッションスクールらしい、こんな素晴らしい施設を利用できる女学院生のみなさんがうらやましいですね。女学院にあこがれている受験生のみなさんも、入学後の礼拝の日を楽しみにしておられることでしょう。

 さて、セミナーの内容をご紹介してまいりましょう。なお、お伝えした内容のすべてをご報告するのは難しく、かなり省略していることを予めお断りしておきます。

 全体の構成としては、女学院の特徴について濱岡先生と生徒さんからいくつかのテーマに沿ってお話しいただきます。それに加え、広島女学院の中3生と高3生各1クラスで実施したアンケートの結果をご紹介する内容となっています。おしまいの15分は、まとめとしての意味合いも兼ね、渡辺校長に3つの話題に基づいてお話しいただきました。

 

①広島女学院の教育の特色

 広島女学院はキリスト教主義の教育を掲げ、実践しておられる私立学校です。まずは濱岡先生に、その特色をご説明いただきました。広島女学院の聖句にCUM DEO LABORAMUS ~我らは神と共に働く者なり~というのがあります。「かけがえのない自分の存在に気づき、他者と共に生き、神と共に働き、平和な世界に貢献する」といったような意味の言葉だそうです。この聖句が広島女学院のあらゆる教育活動の根本をなしています。平和教育、人権教育、グローバル教育などの根幹にもこの言葉があります。

 このことを濱岡先生にご説明いただいた後、高2の生徒さんがキリスト教主義の教育の事例としてチャレンジキャンプの内容を語ってくださいました。このキャンプは中2生の催しで、2泊3日で行われます。基本的にすべてを参加した仲間と協力・分担をして行うのですが、高校生がリーダーとして帯同し、必要最小限のサポートをします。この生徒さん自体がこのチャレンジキャンプのリーダーとして参加されたそうです。こうした集団での活動はすべて女子だけで行われます。集団をまとめるには困難が伴いますが、女子のリーダーシップを育てるうえで、女子校であることの意義を大いに感じると、その生徒さんは語っておられました。

 

②広島女学院は、完全6か年一貫の私立学校

 広島女学院は、高校からの入学者選抜を行わない、いわゆる完全6か年一貫教育を実践する私学です。そのことの意義を濱岡先生にお話しいただきました。

1.6年という歳月を通して濃密な人間関係が築ける
 途中に高校受験がなく、中学と高校を通して友人関係が築ける。うまくいかないときもあるが、トラブルを通して分かり合えるので、深い友人関係になる。卒業後も交流が続く一生の友が得られる。

2.心の成長が期待できる
 思春期をまたぐ6年間を同じ学校で過ごすことで、大人に対する反抗を経て自立していく成長の大事な過程を経験できる。

3.教員が生徒の将来を見据えた教育を実践できる
 6年間という教育のスパンがあることで、教員は一人ひとりの生徒の将来までを見据え、「こんな人間になってほしい」というプランに基づいてじっくりと教育にあたれる。

 

③生徒さんの観点に立った6か年一貫のメリット

 生徒さんが6か年一貫のメリットをつぎのように語ってくださいました。

1.6年間かけて友達との交流を深められる
2.高校受験がないので、長いプランで大学受験に向けた準備が
  できる

 女学院さんは、先生と生徒の距離が近いと言われますが、6か年一貫のメリットをどう受け止めるかについても同じような認識のようです。だからこそよい関係が築けるのですね。

 

④勉強について行けなくなったときの対処

 私学に入学する生徒さんと保護者がよく口にされるのが、「勉強について行けなくなったらどうしよう」という心配や不安です。これについて、濱岡先生は次のように言われました。

 まず大切なのは、授業についていくための努力をすることです。宿題は学力定着に必須ですのでかなり出ます。これをしっかりやれば困ることはありません。今のうちに学習の習慣を築いておきましょう。定期テストの点数がよくない生徒さんには、強制的な補習(英語・数学)が課せられます。それを受け、勉強の態勢を巻き直していくようフォローしていきます。

 

⑤アンケート結果の紹介 「女学院生に聞いてみた!」

 広島女学院の実状を知るには、実際に通っておられる生徒さんから情報を得るのがいちばんです。そこで、学校の協力を得て、中3と高3各1クラスの生徒さんにアンケートを行いました。以下はその結果です。

★アンケート結果(PDF)

 いかがでしょうか。平日の起床時間は、多分に通学に要する時間も影響します。極端に早い起床の生徒さんは、朝型勉強を実践しておられるのかもしれません。就寝時間は、さすがに大学受験を控えた高3生は全般的に遅めになるのは当然かもしれません。着目していただきたいのは、学校のよいところを生徒さんがどう受け止めているかです。「先生」「友だち」が多いのは女学院らしいですね。先生からも生徒さんからも強い学校愛を感じるのが女学院の大きな特色ですから。また、学校内を見て回って感心するのは校舎の美しさと建物内の空間の広さです。生徒さんも、それが自慢なのは間違いありません。建物はアカデミックな雰囲気をたたえています。校舎の中に入ってみると、廊下がゆったり広々としており、教室もたっぷりとした空間が確保されています。ぜひ実際に見ていただきたいですね。

※長くなったので今回はここでとりあえず終了とし、後半は次回お届けします。

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