2023 国・私立一貫校 弊社会員の合格と進学の状況

2月 28th, 2023

 前回は、今年の弊社会員の公立一貫校への合格と進学の状況をご報告しました。そこで今回は、国・私立中学校への合格と進学の状況をご報告しようと思います。国立と私立を一括りにしたのは、公立一貫校の適性検査と異なり、どちらも学力試験による受験生の選別を基本にしているところによります。ご了承ください。なお、まだ進路については未確認の会員家庭が一定数あります。数字はあくまで参考程度に留めていただくようお願いいたします。

 主要中学校の応募者数を見ると、男子の広島学院や修道が昨年比で若干持ち直し、女子のノートルダム清心や広島女学院は若干減少気味で、おおむね横ばい状態となっています。ともあれ、さっそく弊社会員の合格状況、進路選択状況をご紹介してみましょう。

2023 主な国・私立中学校の弊社会員合格者数・進学者数 (3/2現在)

 中学校名

募集人数

弊社会員合格者

弊社会員進学者

 広島学院中学校

私・男

184

57

45

修道中学校

私・男

276

147

83

広島城北中学校

私・男

200

139

36

崇徳中学校

私・男

100

ノートルダム清心中学校

私・女

約180

85

63

広島女学院中学校

私・女

約200

145

52

安田女子中学校

私・女

200

117

27

比治山女子中学校

私・女

90

21

AICJ中学校

私・共

140

男12・女13

男2・女2

広島なぎさ中学校

私・共

約200

男68・女38

男13・女7

近畿大学附属中学校
東広島校    

私・共

140

男19・女19

男5・女3

広島大学附属中学校

国・共

120

男16・女11

男4・女9

広島大学附属東雲中学校

国・共

80

男8・女8

男5・女3

※2月24日現在、まだ進路選択が確認されていない会員が若干名います。

 弊社の主要ターゲット校は広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院の私学4校と、国立の広島大学附属中学校です。合格状況ですが、ノートルダム清心中の合格者が昨年比13名増加したことと、広島大学附属中の合格者数が昨年比で9名減った(男子が8名減)こと以外では、ほぼ例年と同じような結果となっています。

 上表でご紹介していない中学校の合格・進学状況を簡単にご紹介しておきましょう。広島国際学院中の合格者は男子14名、女子3名で、進学者は男子3名、女子1名です。広島協創中の合格者は男子1名、女子7名で、進学者は男子1名、女子2名です。山陽女学園中等部の合格者は5名で、進学者は2名です。受験者の少ない中学校については割愛させていただきます。また、県外の中学校については、まだ確認を終えていませんので掲載できません。

 

主要私立男子校の合格状況と進路の選択状況

 広島学院の合格者数は昨年とほぼ同じでしたが、進路として選択した受験生は昨年よりも多く、45名でした。これは、広島大学附属との重複合格者の多くが広島学院を進路として選択していることによるものと思われます。修道の合格者数は147名でした。これは昨年並みで、進路として選んだ受験生の数も昨年とほぼ同じで、3月2日現在の進学予定者数は83名です。広島城北への進学者は、昨年の20数名から36名に回復しています。

 なお、広島の男子私学最高峰の広島学院に合格したものの、他校を進路として選択した受験生ですが、その内訳は修道2名、広島城北1名、広島なぎさ1名、広島国際学院1名、広島大学附属1名、県立広島1名、市立広島中等教育3名、進路未確認2名でした。広島学院に合格して他校に進学する場合、例年なら大概は附属か修道なのですが、今年はいろいろですね。特に市立広島中等教育への3名には驚かされました。

 

主要私立女子校の合格状況と進路の選択状況

 前述のように、ノートルダム清心の合格者が85名と大幅に増加し、進路として選択した受験生の数も、昨年の52名に対して63名と増加しています。広島女学院の合格者は145名で、昨年の147名とほぼ同じ数の合格者を輩出しました。ただし、進路として選んだ受験生の数は、3月2日現在で52名と、昨年の67名よりもかなり少なくなっています。ただし、同校の合格者で進路が未確認になっている受験生が若干名いますので、もう少し増えるかもしれません。安田女子の合格者も昨年とほぼ同じでしたが、進路として選択した受験生は昨年比で若干減少しています。これも進路が未確認の受験生がいますので、昨年とあまり変わらない数に落ち着くかもしれません。

 広島の女子私学最高峰のノートルダム清心に合格したものの、他校を進路として選択した受験生の内訳ですが、広島女学院1名、広島大学附属8名、広島大学附属東雲1名、県立広島5名、市立広島中等教育3名、進路未確認4名でした。やはり、女子の場合は共学志向が男子よりも強く、国公立の共学一貫校を選択する比率が随分高いようです。

 

 以上、今年の弊社会員受験生の合格状況と進路選択状況を簡単にご紹介してみました。広島の中学受験対象校のスタンダードと言えば、男子私学の修道、女子私学の広島女学院です。これらの私学への弊社会員の合格状況を見ると、かつてよりも大幅に合格を巡る競争は緩和され、「弊社の教室に通い、普通に受験勉強に取り組んでいれば合格できる」という状況が訪れているように思います。

 しかしながら、このような入試の実態に鑑みるなら、中学進学後の学業面の見通しをしっかりと立てながら受験準備をすることの重要性に気付かされるでしょう。中途半端な受験勉強でも受かる可能性がありますが、そんな勉強で進学すると後で苦労するのは必定です。児童期は、ものごとに取り組む姿勢を築くうえでも大切な時期です。生活面も勉強面もどれだけ自立できているかが後々まで影響します。人間としての特性が定まった中学生になってからでは変わろうにも変わることができません。また、「勉強はもうこりごりだ」といったような猛勉強も、「労多くしてなんとやら…」で、子どもの将来に暗い影を落としがちです。勉強に向かう志向性がなし崩し的に失われてしまうと、中高一貫校でのがんばりや飛躍が期待できなくなってしまいます。子どもたちにはこれから長い人生が待ち受けています。そのことをよく踏まえた受験生活を送っていただきたいですね。

 昨秋、修道の校長先生にオンラインの催しで弊社会員に向けたお話しをしていただいた際、「ハビトゥス」の重要性について言及しておられました。ハビトゥスとは、ラテン語に由来する言葉で、「長い期間にわたって繰り返された行動によって、無意識のレベルにまで浸透した習慣や行動の構え」といったような意味をもちます。勉強を例にたとえると、「決めた勉強を決めた時間にやるのが当たり前になり、やらないままにしてしまうことが許せない、やらずにはいられない」といった具合に、ごく当たり前のこととして習慣化しておくことが大切だという意味でおっしゃったのだと思います。

 志望校に進学する夢が叶えば、あとが保障されるということは決してありません。受かったあとも変わりなく精力的に学び続けることが将来につながるのは疑いようがありません。「何が何でも合格」という猛勉強をしなくても受かるのですから、「合格後」を見据えた受験生活を送る余裕があります。その余裕を生かす意味においても、受験生活を通してハビトゥスを形成していくような受験生活をこれからの中学受験生には送っていただきたいですね。

 先週の土曜日、弊社の新年度講座が開講しました。今から受験に備えた勉強をするにあたっても、上記のようなことを踏まえ、収穫の多い受験生活を送っていただきたいと切に願っています。また、弊社にご縁をいただいていないご家庭におきましても、今回の記事が多少なりとも参考になれば幸いです。

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