暑い夏の学習で成果をあげるために

7月 25th, 2023

 夏休みの講座が始まりました。盛夏に突入し、このところますます暑さ厳しい日が続いています。家の中や教室は冷房が効いていますが、戸外を移動するたびに体をむしばむような蒸し暑さに耐えなければなりません。このくり返しがダメージとなり、何をするにつけても気合が入らずダラダラ時間をやり過ごすことになりがちです。食事や睡眠などもコンディションに大きく影響します。体調管理に気を配りつつ、上手に夏を乗り切りたいですね。

 暑い夏は何につけ惰性に流され易いものです。勉強も然り。だらだら漫然と取り組むのではなく、勉強と他のこととの切り替えをテンポよく行い、短時間に集中してやりきる勉強のほうが時間や量に任せた勉強よりもはるかに成果があがります。お子さんの1日の行動予定を見通し、メリハリをつけながら効率よく取り組む勉強が実現するようサポートしてあげてください。合言葉はリズムと集中。暑い夏の受験勉強は欲張ったらダメです。

 かくいう筆者ですが、かつて指導現場に立っていた頃には、夏期講座の授業は正直申し上げて辛いものでした。広報関係の仕事をメインにしていたので、中区袋町にある本部事務局で企画や執筆の仕事をしながら、その合間に校舎へ移動して国語の授業に出ていました。広報の仕事が忙しいときなど、授業を億劫に思うこともあり、夏の蒸し暑さと相まって「ああ、今日の授業は勘弁してもらえないかな」、と内心ぼやきながら校舎に向かうこともありました。無論、いざ授業となると責任がありますから、無理にでも元気を振り絞って教室に入りました。

 ところが、こういうときに限って、指導担当者冥利に尽きるような楽しく充実した授業になるのです。というのも、子どもたちがまるで筆者のコンディションに気づいていたかのように元気づけてくれるのです。いつもは子ども特有の悪ふざけをして、いらだたしい思いをさせられた(いったい何回怒鳴ったことやら)男の子が、どういうことかこんな日に限って熱心に耳を傾け発言してくれ、授業を展開するプロセスを助けてくれたのです。そんなことが何度もありました。

 ずいぶん昔の話ですが、三篠校の空調が壊れてしまい、2日半ほど冷房のない状態での授業を余儀なくされたことがあります。正直、このときほど「授業がなければ…」と切望したことはありません。空調が壊れた翌日、まだ朝8時過ぎだというのに講師控室は蒸し風呂のようでした。いよいよ授業開始というとき、かなり高齢の国語の女性講師(すばらしい授業技術を携えておられました)が、「もう私、今日は水着で授業に出ようかしら!?」と明るく素っ頓狂な声をあげ、周囲を涼しい雰囲気にしてくださったことを思い出します。

 こんな事態ですから、その日ばかりはさすがに子どもたちも、のぼせかえるような蒸し暑さに音を上げるに違いないと思いつつ教室に向かいました。ところがあにはからんや、子どもたちは元気いっぱいの笑顔で授業の開始を待ってくれていたのです。子どもたちのエネルギーにこのときほど驚かされ、ありがたく思ったことはありませんでした。子どもって、何か変わったことがあるとそれを面白がり、状況がどうあれそれを楽しもうとするのでしょう。

 今、お子さんの生活ぶり勉強ぶりに不満を抱いている保護者はおられませんか? でも、それはおかあさんおとうさんの気持ちや行動が鏡のように映し出された結果かもしれませんよ。親が何事も楽しむかのように雰囲気を盛り上げれば子どもも同調し、何をするにも前向きにがんばろうとするのではないでしょうか。おかあさんおとうさんには家族の行動の旗振り役という役割も意識していただければ幸いです。何をするにも条件のよくない夏こそ、そういった配慮が必要なんだと思います。

 そこで保護者の方々に留意していただきたいことをいくつかお伝えしようと思います。親が率先して前向きに行動する雰囲気を家庭内でつくり、お子さんの勉強の取り組みの背中を押してあげてください。

 

夏休み中の勉強を活性化するために

1.家族全員で早寝早起きを励行し、活力とメリハリの伴った生活を心がける。(朝一番の「おはよう!」の挨拶を元気よく交わしましょう)

2.てきぱきと行動の切り替えを行い、短時間で集中力の伴った勉強を心がける。

3.叱って行動を促すのではなく、「あっ、時間になってるよ!」と声かけする。(子どものプライドを尊重。叱られてやるのは嫌なもの)

4.子どもがやるべきことをやったら大いに喜びほめる。

5.家族そろい、明るい雰囲気で一日の振り返りをする。

 

 どうでしょう。何事も気持ちのもちようでずいぶん変わるものです。「あなたががんばっているから、おかあさんも元気が湧いきたるよ!」とお子さんに伝え、おかあさん自身も何事につけても楽しそうにふるまう。そうすれば家庭内も否応なく前向きな雰囲気に包まれることでしょう。そう、家族って全員が家庭内の雰囲気を築くためのキーパーソンなんですね。

 条件の悪いときにこそ、やりかたをいろいろ考えて成果につなげる。このことを子ども時代に経験したなら、これも得難い財産になるでしょう。悪条件を言い訳にしてやるべきことをやらず、易きに流れる人間。悪条件もものかは、少しも辛そうな顔をせずにやるべきことに取り組む人間。どちらに近いタイプに育つかは、子ども時代の生活や経験が大いに関与することでしょう。この記事をきっかけに、暑い夏をどう過ごすかについて親子で話し合い、一工夫してみませんか?

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子どもの成長を促す環境や条件ってどんなの?

7月 13th, 2023

 久々に少し時間がとれましたのでブログを書いてみようと思います。話題は二つで、一つは催しの実施報告、もう一つは内面の成長著しい児童期後半の時期の読書の重要性についてです。そして、二つの話題について書いた後に気づいたこともお伝えしてみようと思います。

 

 ① 広島学院の先生をゲストにお招きしてのイベント 《実施報告》

 6月23日(金)と30日(金)には、広島学院の校長先生や広報の先生をお招きして、「今こそ、未来的視点に立った受験を!」というタイトルのイベントを開催しました。

 この催しは、中学受験の状況の変化を踏まえ、これまでの中学受験のありかたを見直す必要があるのではないかということをお伝えするとともに、どのような受験が中高一貫校での望ましい成長につながるかを、保護者の方々とともに考えてみようという趣旨で開催したものです。

 この趣旨に叶った指針を得るには、当該の学校の先生からお話を聞くのがいちばんです。どうせなら、最難関私学の先生をお招きし、そこで伸び伸びと成長を遂げているのはどんな生徒かをお話しいただくとおもしろいのではないか考えました。また、せっかく入試を突破したのに、入学後学校環境に適応できない生徒がいるようです。その原因はどこにあるのかについても率直なところを語っていただいたなら、これも大いに参考になるでしょう。

 保護者が内心知りたいものの、正面切って聞けない事柄は数多くあります。そういう話題を取り上げ、お答えいただく形式で催しを進めていきました。難関私学でうまくいっている生徒と、うまくいかない生徒の決定的な違いはどこにあり、その違いはどのようにして生まれるのか。それがわかれば、これからの受験生活に生かすことができるでしょう。

 少子化が進む今日、大概の家庭は子どもが一人か二人です。子育てにも配慮が行き届く代わりに過保護の問題も生じがちです。おまけに保護者の学歴水準は昔より上がっており、勉強に過度に関わっておられるケースもあるようです。受験生活の途中までは親のサポートも必要ですが、どこかで手を放す必要があります。また、すべて塾任せの勉強で受験を乗り切り方法も子どもに同様の問題をもたらす危険性があります。いずれの場合も問題にすべきは、子どもの学びの姿勢に芯が入らないことです。これではカリキュラム消化が速く競争の厳しい私立一貫校の環境には適応できません。

 いっぽう、「1年間でどれだけやれるかがんばってみなさい」と親に言われ、6年生から塾通いを始めたお子さんが、広島学院に受かるケースを筆者は何度も見てきました。また、友達に誘われて塾に通い始めたら、一気に勉強に目覚め、難関校に合格したお子さんを数多く見てきました。これらの例を前述の問題と比較対照することで、重要なことが見えてくるのではないでしょうか。

 今日の社会で求められているのは、自分で物事を適切に判断し、取るべき行動を柔軟に修正していける人間です。たとえば、集団が問題に突き当たったときにはリーダーシップを発揮したり、自分だけでは解決できない状況に至ったときには他者のサポートを要請したりするなど、状況に応じた行動を迅速にできる人間が求められています。こうした人間を数多く輩出している一流の一貫校の先生に、上記のような事例をお伝えし、保護者の方々と共に見解を伺ってみたいという気持ちもありました。

 先生がたは筆者からの不躾な質問に対し、一つひとつ丁寧かつ誠実にお答えくださいました。機知に富んだ臨機応変な返答に、会場から笑顔で反応される保護者が多数おられました。その内容については、ここでご報告しませんが、保護者のほとんどは先生がたから発せられた言葉を通じて、「自立」や「自律的姿勢」という観点から子育てや受験生活を見直すことの必要性を感じ取られたようでした。それが土台にあってこそ、一流の教育環境での一層の成長が見込めるのですね。機会があれば女子私学の先生もお招きし、同趣旨の催しをやってみようと思っています。なお、二会場ともに多数の保護者の参加をいただきました。ありがとうございました。

 

 ② 忙しい中学受験生時代にこそ読書を!

 ある本を読んでいたら、「ほんとうの読書家は、いくらでも読書のできる恵まれた環境で暮らしていない。むしろ、読書などろくにできないような環境にいる人が多い。ハンディを乗り越え、読書欲を満足させるべく、わずかな時間をつくってはむさぼるように本を読んでいるんです。そういう人のなかに、すばらしい知識や教養を収めている人が多いんです」といったような記述がありました。

 これは頷ける話です。かつて筆者は息子にせがまれたわけでもないのに、たくさんの児童書を買い込み、リビングの書棚を飾ったのですが、それらの本の大半は息子の興味を引くことなく処分されてしまいました。いくらでも本を読んで構わない。いくらでも読むべき本がある。こんな環境は却ってよくないのかもしれませんね。

 いっぽう、ある有名な同時通訳者は、親の仕事で東ヨーロッパに赴き、そこで小・中学生時代を過ごしたそうですが、日本から親がもち込んだ文学全集を片っ端から読みまくり、飽くことなく読み返したために表紙が擦り切れるほどになったそうです。それでも「もったいない」と思い、帰国の際には後輩のためにそれらの本を譲ってあげたそうです。同時通訳者は、世の中のありとあらゆる分野の専門用語を短時間で学び、重要な会議で失敗や立ち往生などが許されない状況で外国語と日本語の橋渡しをする必要があります。大変な知識量や語学力、瞬時の判断力が求められる仕事ですが、ハンディの多い環境での読書が優れた同時通訳者に成長するうえで大いに寄与したのは疑いありません。

 これは、大の読書好きな弊社に通う女の子の話です。6年生になると勉強も大変になりますから、おかあさんに「好きな読書もままなりませんね」と申し上げたら、「とんでもない。暇さえあれば、わずかな時間でも読んでいます」とおっしゃいました。本を読むことなしに受験生活が成り立たないほどの本好きだったようです。それでいて、常にトップランクの成績を維持し、見事第一志望校に合格されました。とかく、「受験生なんだからしばらく読書は我慢しなさい」と親は言いたくなりますが、この女の子の場合、読書が生活の中心にあり、受験生活はそれをベースに成り立っていたのでしょう。

 読書はその人の人となりを築いてくれる貴重な存在の一つです。まして、児童期の中~後半は、語彙が飛躍的に増え、思考力が身についていく時期です。どんな本とどれだけ出合うかは、その人の知的能力や人格形成にも多大な影響を及ぼすことでしょう。息抜きの時間を利用して読書に勤しむこともお勧めしたいですね。

 

 以上のことを書いてから思ったことがあります。それはつぎのようなことです。

1.人間は至れり尽くせりの環境では大成しにくい。

2.時間や環境的な制約が、集中力や実行力を高めることがある。

3.受験をチャレンジの場ととらえ、伸び伸びと勉強させたほうが子どもの成長につながる。

4.大人がよかれと思ってしたことが、子どもにとってプレッシャーになることがある。

 どうでしょうか。中学受験は子どもの成長を引き出してこそのもの。中高一貫校への進学は、将来の展望と密接につながっています。そのことを起点に置いたなら、受験勉強のあるべき姿もおのずと見えてくるのではないでしょうか。

    

 

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低学年保護者対象イベントのご案内 6/20

6月 16th, 2023

 蒸し暑い梅雨どきは体がだるく、何をやっても集中できないことが多いですね。お子さん共々、健康には十分お気をつけください。

 今回は、低学年児童をおもちの保護者対象イベント、「夏の子育て応援セミナー」についてご案内します。夏の講座の募集が先日始まりましたが、まだこれから検討される保護者もおられるでしょう。今回の催しに参加され、低学年児童期の学習の重要性や、「親は子どもの知育に関して、今何を配慮すべきか」について考えるきっかけにしていただければ幸いです。もちろん、夏の講座の実施概要についても担当者がご説明いたします。

 筆者は広報部門の責任者として長年活動してまいりましたが、20数年前の低学年の指導部門設立以来、この部門の責任者を兼務してきました。今はいずれの責任者の立場も退いていますが、アドバイザーとして関わっています。

 今回の催しにおいては、「児童期前半に必要な親の関わり」というテーマで約40分お話しいたします。筆者は、本ホームページに低学年児童をおもちの保護者向けにコラムを書いています(これまで6回書きました)が、そこでの内容に深く関わることを直接保護者にお伝えしようと思っています。

 小学校の低学年のお子さんをおもちのかたの多くは、「まだ勉強はボチボチでよい」とお考えかもしれません。ただし、中学受験を視野に入れ、弊社への通学を検討されているかたはかなり違っており、低学年の時期の勉強についても大きな関心を寄せておられるかたもおありです。どちらにも相応の考えがあり、よいか悪いかを判断するのは妥当ではありません。ただし、先々の学業面での大成を望んでおられるなら、学習面や子育て面で今のうちに押さえておきたい必須の事柄があります。勉強はたくさんやればよいわけではありませんが、今のうちに取り組んでおかないと後付けが困難な才能の領域があり、そのことを知っておられるかどうかで先々の学力形成にかなりの違いが出てきます。今回の「夏の子育て応援セミナー」では、主としてそのことに関わるお話をさせていただこうと思っています。

当日は、つぎのようなテーマに沿ってお話しする予定です。

 

1.子どものやる気を育むおかあさんって!?

 「子どもにやる気がない」と言って嘆いているおかあさんがおられます。しかし、やる気のない小学生なんていません。一時的にやる気を失っているだけです。児童期までの子どもにとって、親の存在は絶対的です。親の対応しだいでやる気は大いに高まります。時々、一生懸命取り組んでいるのに「遅い!」「間違っている!」と叱っているおかあさんを見かけますが、これを続けたためにやる気を減退させ、「勉強嫌い」になる子どもが相当数います。

 本催しでは、小学生のやる気に親がいかに強い影響力をもつかを検証しながら、やる気に満ち、やるべきことに熱心に取り組む子どもにするための方法を共に考えてまいります。

 

2.読む力が学力を支える(読む力の育成法)

 小学生にとっての勉強の約半分は、読みの力を養うことにあると言っても過言ではありません。西欧の初等教育の大半は、母国語教育(国語)と算数の基礎学力形成で占められているほどです。実際のところ、読み書き能力、特に読みの力は、全ての教科の学習の手段となっています。文字を読むことで知識を吸収していくのですから当然のことです。

 この読みの力の基盤は、児童期前半までに養う必要があります。文字を読めるようになることで、読書が可能になり、文字を読んで理解するために必須の語彙力が養われるからです(高学しておくこと年からでは手遅れです)。中学受験をめざしている子どもにとって、読みの力は勉強のはかどりに大きな影響を及ぼします。しかしながら、文字列を目でトレースしながら瞬時に意味理解へとつなげていく態勢が整っていないと、勉強に時間がかかるうえ、理解も進みません。だからこそ、勉強が本格化するまでに読みの態勢づくりをしておくことが重要なのですね。

 本催しでは、どういうプロセスで読みの力は養われるのかをお伝えし、家庭でお子さんが読みの力を順調につけていくためのアドバイスをさせていただきます。

 

3.学びの自立をどう促進するか

 子どもの学びの自立を要求するのはやや酷なことです。まだ子育ても終わっていない年齢なのですから。しかし、自立に向けた成長を意識して子育てをされているか否かは、中学受験に向けた勉強のはかどりや、中学進学後の学業の飛躍に多大な影響を及ぼします。

 小学生の前半までの子どもの勉強なら、親も何をしているのかわかります。そこで、ついこまごましたところまで教えておられませんか? しかし、これでは目の前の問題を解けるようにはなっても子どもは真の成長をとげられません。また、勉強の自立と生活の自立も密接にリンクしています。生活上のことを自立できない子どもが、学びの自立を果たすことなど到底できないことでしょう。

 本催しでは、児童期前半の段階で親はどのように接すれば子どもの自立を促すことができるかについて、ともに考えてみようと思います。

 

 有名な心療内科のお医者さん(女性)の著書に、「子育ては何のためにするのだと思いますか?」という問いかけがありました。答えはどんなことだと思いますか? 答えは「子どもと別れるため」と書かれていました。やがては親の手の届かないところに行ってしまうのが子どもです。そのときに、「わが子なりにやっていくだろう」と期待をもって繰り出せるようにするための準備が子育てなんですね。

 本催しは予約や申し込み不要です。毎年、参加者は決して多くありませんが、熱心なおかあさんがたに励まされています。お知り合いがおられたならお誘いあわせのうえ、ぜひお気軽にお越しください。明日の子育てとお子さんの学びに確かな指針をご提供すべく、スタッフ一同がんばってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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6月の催しにぜひご参加ください! 

6月 13th, 2023

 ブログをお休みしてだいぶ経ちました。10数年続けてきて、中学受験生の保護者以外の方々も多数お読みくださっていることを知っていましたので、心苦しく思っています。ブログ休止の理由ですが、一定の年齢に達して仕事をする日を減らしているなか、今年はさらに担当分野に変動があり、長い文章を吟味して書く時間がなくなりました。

 今回は久々の記事ですが、よくお読みいただいているような家庭教育に関するものではなく、催しの案内です。なぜかと申しますと、これからご案内する催しは筆者自身が進行役を務めますので、ぜひ聞きに来ていただけたらと思ってキーボードに向かったしだいです。

 

弊社イベント 「今こそ、未来的視点に立つ中学受験を!」 6/23・30

☆お申し込みはこちら!専用申込フォーム

 この催しの実施にあたり、広島最難関の私学として知られる広島学院さんにお声がけし、現在の中学受験の実態はどうなのか、生徒の学力水準に変化があるのかどうか、そのあたりの実際のところをお聞きしようと思います。

 中学受験が盛んな頃は、合格を得るために相当ハードな受験対策が当たり前のように行われていました。基礎基本を重視する弊社はそのあおりを受け、合格を得るのに苦戦を強いられていた時期もあります。しかしながら、「家庭学習研究社の方針に沿った勉強が、中高一貫校に入ってから生かされています!」という熱い応援をくださる保護者の方々が多数おられ、勇気をいただいたことを懐かしく思い出します。それ以後、合格のも実績もいつの間にか回復して現在に至っています。本催しを通じて、このことの意味を保護者の方々とともに考えてみたいと思います。

 いっぽう、時代は大きく変わりつつあります。IT社会が進行するなか、同じように立派な大学を出ても、自らの能力をどう伸ばしたかにより、「AIに使われる人間、AIを活用できる人間」などのように人生の立ち位置が変わってしまうおそれが生まれています。もはや、学歴だけで食べていける時代ではないことを、保護者の方々はよくご存じのことでしょう。学歴を真に生かせる人間になるか、それとも生かせない人間になってしまうか。その分かれ目として見逃せないのが、中学受験に備えた学習のありかたです。家庭学習研究社の推進する受験対策は今のままで通用するのか、様々な観点から検証してみようと思います。

 こうしたテーマについて考えていくにあたっては、最難関の中高一貫校で学ぶ生徒さんの様子は随分と参考になるでしょう。また、私学が世の中の変化に合わせ、どのような思いで教育に当たっておられるのかをお聞きすることも大いに参考になるでしょう。中高一貫校で自らの知性を磨き、社会の一線で活躍できる人間に成長している生徒さんに共通する特徴についても知りたいところです。さらには、中高一貫校の教育環境で学力の飛躍を遂げるために、小学校時代にどのような準備をしておけばよいのかについても、知りたい保護者は多数おられることでしょう。これらのテーマについての知見を得るうえで、広島学院さんは最もふさわしい中高一貫校であると考え、広島学院の先生がたをお招きしました。

 筆者は、中学受験準備期(児童期後半)の親の関わりこそが子どもの人生の歩みを決定づける最重要要素だと思っています。何しろ、この頃の家庭教育や生活のありかたによって子どもの性格や行動様式、ものの考えかたや取り組みなどの個性が定まるのですから。これについては時間を十分に確保し、広島学院の先生に見解をお聞かせいただこうと思っています。なお、本催しは佐伯区民文化センターと西区民文化センターの二箇所で実施しますが、先生のご都合に合わせ、校長先生もしくはベテランの先生にお話をいただくことになっています。

 小学校を出たばかりの子どもが、中高一貫校に進学し、6年後にはいっぱしの青年となって大学へと進学していきます。受験準備期の重要性は既述の通りですが、親の目が行き届かなくなる中学高校生活の充実にとって「どのような学校に進学するか」も非常に重要なファクターとなるものです。どんな6年間を過ごすべきかについて、広島学院の先生がたのお話が参考になればうれしいです。

 最後に、夏期講座の会員募集にあたり、弊社の校舎長から「家庭学習研究社の実践する学習指導」の特徴について保護者の方々にご説明いたします。これからお子さんが中学受験のための学習を開始されるご家庭はもとより、現在弊社の教室で受験勉強に取り組んでおられるお子さんの保護者の方々にとっても受験対策の根本事項をご確認いただける機会となります。

 本催しが、お子さんの健全な成長を願っておられる保護者の参考になることを願っています。なお、この催しへの参加にあたっては、事前にお申し込みいただく必要があります。弊社ホームページの案内をお読みいただき、所定の手続きをお願いいたします(19日が締め切りです)。

☆お申し込みはこちら!専用申込フォーム

 男子受験生の保護者だけでなく、女子受験生の保護者にも参考にしていただける催しです。ぜひお気軽に参加ください!

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何事も初めが肝心! ~いち早く学習を軌道に乗せましょう~

3月 10th, 2023

 2023年度の講座が開講して約2週間が経過しました。新年度講座の始まりは、学習面での成長の契機にする絶好のチャンスです。「塾で今までよりも難しい勉強が始まるぞ!」という意識が、お子さんの勉強に向き合う姿勢ややる気に変化をもたらすからです。小学校においても、一つ上の学年への進級が控えていますから、お子さんは否が応でも「がんばらなきゃ!」と思っておられることでしょう。そういった気持ちを大いに刺激しつつ応援してあげていただきたいですね。

 ところで、みなさんは「終わりよければすべてよし」という諺があるのをご存知だと思います。保護者におかれては、この言葉を心の隅において最後までお子さんの受験生活を見守り応援していただきたいですね。この諺を話題に取り上げたのは、入試結果がよければ、受験生活がどのようなものだったかは問題ではない」と言いたいからではありません。そうではなく、「いろいろと受験生活において困難やもどかし思いをすることがあったが、終わってみたら得るものが多々あった。挑戦してほんとうによかった!」と、心から思える受験を実現してくださいね」という筆者の思いをお伝えしたかったからです。

 とは言え、今はまだ1年間の講座が始まったばかり。受験で最高の結果が得られるような、充実した受験生活の実現をどのご家庭においてもめざすべきでしょう。1年あれば、子どもは大きく変わります。どの保護者におかれても、お子さんには大きな期待や夢をおもちだと思います。それを現実のものにするうえでまずもって大切にしていただきたいのは、1年の学習がスタートした今という時期です。その意味において、先ほどの諺をもじった表現で恐縮ですが、筆者は「初めよければすべてよし」という考えも意識していただきたいですね。フレッシュな思いが溢れるスタート時にしっかりとした学習の流れを築けば、勉強に手応えが得られる、テストの成績が伴う、自信がつく、やる気がますます高まるといったように、好循環の連鎖が生まれるからです。繰り返します。スタートして間もない今の時期を大切に!

 以上が今回のブログで保護者の方々にお伝えしたかったことです。しかし、もう一つお伝えしたいことがあります。それは、「お子さんの受験生活が有意義なものになり、学力が大きく伸びているような家庭に見られる共通点はどんなことか」ということです。無論、受験生活がうまくいく要因は数限りなくあるでしょう。ただし、いずれにしても言えるのは、「子ども任せの勉強や生活では成功できない」ということです。そこが高校や大学への受験と中学受験との最大の違いです。しかしながら、それでいて受験の主役は子ども自身です。親のサポートを受けながらも、入試が近づくにしたがって着実に自分自身の受験勉強へと子どもを成長させていくことが重要です。子どもを自律へと向かわせる親のサポート。これこそ、小学生の受験に求められるものだと思います。

 たとえば、お子さんが受験生活で着実に成果をあげ、すばらしい学力の向上を果たしている家庭の保護者に見られる共通点をいくつかあげてみましょう。

 

~受験生活で成果をあげているお子さんの保護者の共通点~

1.わが子が今何を学んでいるのかを掌握している。
 勉強するのは子ども自身です。しかし、小学生の場合、自分の取り組みに親が関心を示し、応援してくれるかどうかがやる気や取り組みに大きく影響します。また、わが子が今何を勉強しているのかを知らなければ、親としてタイムリーな励ましや助言はできません。塾でどんな授業を受け、家庭勉強としてやるべきことは何かを親も知っておかないと、子どもが成果のあがる勉強をしているかどうかを掌握できません。

2.子どもの勉強に深入りしない。さりとて子ども任せにも
  しない。

 4年生の段階では、家庭学習の管理や維持を子どもに委ねるのは難しいものです。そこで、取り組みをある程度手伝ったり(日課の助走部分を一緒にやるなど)、やり終えた課題の〇つけをしたりすることも保護者にお願いしています。しかしながら、大切なのはやがてはお子さんが自分でやれるようにするためのサポートであるということです。6年生になってからも勉強の割り振りや、どこまでやっておくかの判断を親がしてしまうと、自律性の高い学習へと移行するタイミングを失ってしまいます。子どものひとり立ちを意識し、徐々に手を放していくことを常に頭においてサポートしてあげてください。

3.生活全般の自律性を尊重する。自発的行動を評価軸に
  据える。

 自分のことを自分でする習慣や姿勢のないお子さんに、勉強の自立を果たすことなど到底無理というものです。生活面でも、「自分のことは自分でしよう」と伝え、何につけ、親に言われて嫌々やるのではなく、率先してやる態度を尊重してやりましょう。大人でもそうですが、よいことをしたときに、「これは自分からやったのだ」と思うと誇らしい気分になるものです。そういう行動を見たときには、タイミングよくほめてやりましょう。そういう経験をくり返した子どもは、段々と親に言われなくてもやるべきことを率先してやるようになっていきます。これがラストスパート時の伸びにつながります。

 以上のような接しかたを上手にされている保護者のお子さんは、「授業」と「家庭学習」の連携がスムーズで、取り組んだことの成果も上がりますし、勉強の自立が少しずつ進んでいきますから、受験勉強が佳境に入る6年生の秋になったときの心配や負担がずいぶん軽減されるものです。お子さんの自立促進を意識しながらのサポートを心がけていただきたいですね。ご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

 お子さんが勉強の要領をよくわかっていなかったり、保護者自身もどうサポートしてよいかわからなかったりする点がおありでしたら、遠慮なく担当者にご相談ください。

 

 今回、もう一つお伝えしなければならないことがあります。この3月からの筆者の勤務日や時間が大きく変わり、ブログを書く時間が確保できなくなりました。今後はイベントなどの催しの企画実施、家庭教育に関わる相談への対応が筆者の主たる業務となりました。これまで、累計230万ビューを超える閲覧を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。ただし、ときどき時間が確保できたときには書くつもりでおります。ご理解ご了承のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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