トップページ > 読書案内 >  2年生の今月の本 > 2年生におすすめの本
 > こねこのフーシカ

2年生の今月の本


こねこのフーシカ タイトル こねこのフーシカ
著者 松居 スーザン
出版社 童心社
 

 つめたい雨のふる秋の夕暮れ、ダニエルじいさんは、畑の間の小道を足早に歩いていました。すると、だれも使っていない納屋の中から、小さな声が聞こえてきたのです。こねこの鳴き声です。

「こんなつめたい雨の日に、こねこが一人ぼっちで鳴いている。心細いだろう。おなかもすいているだろう。探し出して、連れて帰ってやろう」
 ダニエルじいさんは、こねこに声をかけました。
「よしよし。わしのポケットに入りなさい」
 そう言いながら、こねこを抱き上げようとしたとき、
「ふうっ!」
 こねこは怒って、ダニエルじいさんの手をひっかきました。
「おこりんぼうだな。よし、だっこがいやなら、わしのあとからついてきなさい」

 こうして、こねこはダニエルじいさんと一緒に暮らすことになりました。ダニエルじいさんの家には、たくさんの動物がいました。みんなこねこを温かく迎えてくれましたが、こねこは
「ふう!」
と言って、みんなの中に入っていこうとしません。ダニエルじいさんは、しかたなく、物置の奥の箱に毛布をしいて、おわんにいっぱいの温かいミルクを置きました。ダニエルじいさんは、いつもフーと怒っているこねこに、フーシカという名前をつけました。

 ある日、ダニエルじいさんは、大きなかごを背負って、食べ物を買いに村まででかけていきました。ダニエルじいさんがでかけてからしばらくして、雪が降り始めました。雪はどんどん降り積もっていきます。フーシカは心配になって、物置の入り口で、ダニエルじいさんの帰りを待ちました。

 日が暮れる頃、やっとダニエルじいさんは帰ってきました。家に入ると、ベッドに倒れこみました。とても具合が悪そうです。

Page Top