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1年生の今月の本


ながいながいおるすばん タイトル ながいながいおるすばん
著者 森山 京
出版社 ポプラ社
 

「それじゃ、いってくるよ」
 おとうさんがいいました。
「うん。」
 きつねのこは、こっくりをしました。おとうさんは、これから山をおりて、とおくのまちへ、ワインをうりにいくところでした。にぐるまは、きしみながら、だんだんだんだん、とおざかっていきました。おとうさんがもどってくるのは、あさってということです。それまで、きつねのこは、ひとりでるすばんをします。

 きょねんのいまごろは、おかあさんがいっしょでした。きつねのこは、おかあさんにだかれ、このぶなのきのしたで、おとうさんをみおくりました。あのときのおかあさんは、とてもげんきでした。それが、ことしのはる、とつぜんびょうきになって、なくなってしまったのです。きつねのこは、ふっとなみだぐみそうになりました。あわててうえをむくと、うちのほうへかけだしていきました。

●おとうさんがいない二日間を、きつねの子は明るく振舞って気丈に過ごします。最後の晩、思わずお母さんを思い出してしまう場面は心に響きます。

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