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> キクときくちゃん
タイトル | キクときくちゃん | |
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著者 | 松野 正子 | |
出版社 | 童心社 | |
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ある山の大きな松の木の根元の穴の中に、キクという名のこぎつねがすんでいました。山のふもとには、細い道があって、この道を通って、子どもたちは学校に通いました。キクは、毎日、山から子どもたちをながめました。大きい子たちの後から、一生懸命ついていく、小さい一年生がキクは好きでした。キクは、一年生の女の子の中の、一番小さい子が、特別好きになりました。 ある日、キクの好きな女の子が、男の子ふたりと一緒に帰ってきました。女の子は、途中で立ち止まって、じっと何かを見ています。そのうち、先に歩いていたふたりが振り向いて叫びました。 「きくちゃんていう子がいるよ。あたしとおんなじなまえ」 ●おんなじ名前のキクときくちゃん。キクはきくちゃんのことがもっと知りたくて、山のふもとまでおり、キクはきくちゃんのそばまでいって、草の中からきくちゃんを見ていました。キクは気づかれていないと思っていますが、実はきくちゃんは、そんなキクに気づいていたのです。 |