トップページ > 読書案内 > 1年生の今月の本 > 1年生におすすめの本 > えっちゃんの森
学校の帰り道、えっちゃんは後ろから、小さな声で呼ばれました。 「う、め、だ、え、つ、こ、さん」 ふりむくと、むぎわらぼうしを深くかぶった男の子が、にこにこして出てきました。知らない子です。えっちゃんは、くるっとむきを変えると、走り出しました。
――へんなの。
つぎの日、学校の帰り道、また同じ場所でえっちゃんは呼ばれました。 ふりむくと昨日の子です。えっちゃんは、たずねてみました。 「あたしに、ごよう?」 男の子は、こくんとうなずき、嬉しそうに言いました。 「きみ、たぬきが好きだってね」 たぬきなんて好きじゃないよう、と言おうとしたら、男の子の方が早かった。 「ぼくたぬき、そのたぬき。ほらねっ」 と言うなり、ぼうしをぱっとぬぎました。 すると、中から、本当の子だぬきの顔が表れたのです。
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