トップページ > 読書案内 >  1年生の今月の本 > 1年生におすすめの本
 > おまつりの日のさようなら

1年生の今月の本


おまつりの日のさようなら タイトル おまつりの日のさようなら
著者 松本 梨江
出版社 文研出版
 

「あ、ひっこし!」
 とびおきたけいこは、まどにかけよりました。みおろすと、わかばマンションのまえに、おおきなトラックがとまっていて、おじさんたちが、ダンボールばこをつみこんでいました。

  きょうから、なつやすみ。そして、チエちゃんのうちがひっこしをするひです。
「たいへんだあ、もうはじまってるよう。」
けいこは、パジャマのまま、5かいのへやをとびだして、3かいのチエちゃんのうちにむかって、かいだんをかけおりていきました。あいているドアからのぞくと、チエちゃんのへやは、ぱっとあかるくて、ベッドもつくえもなくなっていました。

「チエちゃん!」
けいこは、おおきなこえでよんでみました。けれども、もうチエちゃんは、いませんでした。
「そんな……。」

 きょうは、にもつだけをおくりだして、チエちゃんたちかぞくは、けいこのうちに、とまっていくことになっていたのです。みんなで、おしろのなつまつりにいくやくそくだったのです。なのにチエちゃんは、やくそくをやぶって、さようならもいわないまま、おおさかにいってしまったのでしょうか……。 

●さよならも言わずに去って行った、大切な友達とのお別れが悲しくて、受け入れられないでいるけいこ。誰もが経験したことのあるせつない気持ちに、胸がキュンとするお話です。この悲しみを、けいこは、どうやって乗り越えていくのでしょうか……。

Page Top