明日は待ちにまった入学式だというのに、ゆみちゃんはかぜをひいて寝ていました。おにいちゃんが学校から帰ってきました。おにいちゃんは、今日から三年生です。
「今日は学校で一年生にあげるプレゼントを作ってきたよ」
「わ、いいわね。ゆみはどんなプレゼントがもらえるのかしら」
　お母さんが言いました。
「それは内緒。お楽しみ。とーっても素敵なものだよ」
と、おにいちゃんもうれしそうです。

　 つぎの日の朝、ゆみちゃんの熱は下がりましたが、入学式は休むことにしました。
「入学式って、じっと座っていればいいんでしょ。わたし、大丈夫。いける」
「だめだめ、ごはんをもりもり食べて、元気をつけてから一年生になろうね」
　おかあさんの言葉をきいて、ゆみちゃんは涙が出そうになったので、ふとんをかぶりました。