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1年生の今月の本


ひこいちばなし きっちょむさん タイトル ひこいちばなし きっちょむさん
著者 竹崎 有斐(文)  前川 かずお(絵)
出版社 偕成社
 

 ひごのくにの、やつしろのまちに、ひこいちという、とんちものがおりました。このひこいち、とんちもののわりには、かねもうけはへた。さいふのなかは、いつもからっぽで、ぴいぴいぐらし。
 ところが、ひこいちときたら、だいのさけずき。
「ああ、さけはのみたし、かねはなし。なんとかあびるほどのむくふうは、ないもんだろか」
 ひこいちは、ねてもさめても、さけのことばかりかんがえていました。

 あるひ、まちをあるいていると、ひとびとのはなしごえが、みみにはいりました。
「やまに、このごろてんぐがでるそうな。」
「すがたはみえんが、エイ! オウ! とけんじゅつのけいこをしよらすそうだな。」
 これをきいたひこいち、
「しめた!」
とひざをたたきました。

 てんぐさんのこえがきこえて、すがたがみえんのは、かくれみのとかいうのをきとらすからじゃ。そのかくれみのがてにはいったら、すがたがけせる。どこへいっても、ただでさけがのめるわい……。

●日本むかし話シリーズです。この本には、同じ九州のとんち者、彦一どんと吉四六どんが登場します。のんびり者で無計画、追いつめられてとんちのでる彦一どん、とんちにも計画性の感じられる吉四六どん。2人それぞれの性格が表れた、とんち話集です。

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