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1年生の今月の本


かえりたい かえりたくない タイトル かえりたい かえりたくない
著者

小納 弘(作) 西村 達馬(絵)

出版社 新日本出版社
 

 「かえりたい かえりたくない、かえりたい かえりたくない――。」
 学校の門を出てから、エリちゃんはぶつぶつひとりごとを言いながら歩いています。「かえりたい」「かえりたくない」をくりかえしながら。後からおいついてきたクミちゃんが、「エリちゃん、チ・ヨ・コ・レ・イ・トしながらかえろうよ。」と声をかけても、やっぱり「かえりたい……」というばかりです。
 エリちゃんがどうしてこんなにぶつぶつくりかえしているのかには、りゆうがあるのです。じつは、おばあちゃんがにゅういんしたので、今日からエリちゃんのおかあさんがおるすなのです。おうちに一人でいると、きっと、おしうりのこわい男の人が来たり、おばけがひゅるるるっと出てきたりするにちがいない……。そう思うとエリちゃんはおうちにかえりたくないのです。

●学校も楽しいけれど、優しいお母さんの待つ家に向かう帰り道は楽しいもの。けれど、家に帰っても、一人ぼっちなのがわかっていたら、そうはいかないでしょう。エリちゃんもそうです。だれもいない家に帰るのは憂鬱なのです。低学年のお子さんなら、この気持ちにどこか共感できるのではないでしょうか。

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