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1年生の今月の本


どんぐりのき タイトル どんぐりのき
著者 亀岡 亜希子(作)
出版社 PHP研究所
 

 森をぬけたはらっぱに、まだわかいどんぐりの木がはえていました。どんぐりの木は、ことしはじめてどんぐりをつけました。どんぐりの木ははやくだれかにどんぐりを食べてほしくて通りがかりのリスにどんぐりをすすめました。

「リスさん、ぜひぼくのどんぐりをたべてみてください。きっとおいしいはずだから。」
「へえ、どれどれ。」
リスはどんぐりをひとかじり……。
「うわあ、ぺっぺっ。まずくてたべられないよ!」
リスはすぐさまどんぐりをはきだしてしまいました。それもそのはず、リスのたべたどんぐりは、まだあおかったのです。そうとはしらないどんぐりの木は、たまらなくかなしくなりました。(ぼくのどんぐりはまずいんだ、まずいんだ……。)

  おもえばおもうほど、どんぐりのにがみはましていきます。もりのどうぶつたちもそんなどんぐりをたべようとはせず、いつしかどんぐりの木は、どんぐりをつけなくなってしまいました。

 そして、すうねんがすぎたころ、ゆきどけのもりに、リスがいっぴきやってきました。
「まあ、りっぱなどんぐりの木! ここにすもうかしら。」
 このどんぐりの木がすっかり気に入ったリスは、ここにすむことにしたのですが……。

●自分のどんぐりはまずいんだといわれてしまったことで、ひどく傷つきかたく心を閉ざしてしまったどんぐりの木。そんなどんぐりの木に一匹のリスがすみつきます。リスの明るさは次第にどんぐりの木の心をほぐしていきます。

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