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1年生の今月の本


オオカミのおうさま タイトル オオカミのおうさま
著者 きむら ゆういち(文) 田島 征三(絵)
出版社 偕成社
 

「ひとりが いちばん きらくでいい。」

  そのオオカミは いつも そういっていました。それは この オオカミが ものすごくドジで、その上 かっこうを 気にしているからです。だれかといると、いつも しっぱいしないように 気をつけなければ なりません。だから ひとりでいることが だれにも 気をつかわずに すむから よいのです。

 オオカミは 今日も、ほかの オオカミの 目を 気にしながら、かっこうをつけて、おかを のぼって いきました。ところが、その時 なんと 足を すべらせてしまったのです!
「あれっれれれ。」
 手足をバタつかせながら、ザザーッと いきおい あまって 谷ぞこに まっさかさま。
「ああ、もうだめだあ。」
 かっこうを つけて 歩くどころか、みっともないこと この上 ありません。

  しかし、その場から コソコソ 立ちさろうと したとき、つぎつぎ 聞こえて きたのは、
「すげえ~!!」
「かっこいー!!」
という声だったのです。それも そのはず、谷ぞこに 落ちていく間に ぶつかった オオヘビや オオイノシシや ウサギが まわりで のびていたのですから。まわりにいた オオカミたちは いっせいに こう いいました。
「ぜひ オイラたちを こぶんに してください。」
と。オオカミは びっくりです。だって、ただでさえ だれかと いるのが 苦手なのですから……。

●あなたは、思いがけないことから、みんなに尊敬されたりちやほやされたりすると、どう思いますか。うれしいですか。それとも、困ってしまいますか。このお話に出てくるオオカミは本当に一人でいることが好きなのです。自分がもしこのオオカミだったらどう思うかな・・・なんていうことを是非思い浮かべながら読んでみてください。

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