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1年生の今月の本


わにのはいた タイトル わにのはいた
著者 マーガリット・ドリアン(文・絵)
光吉 夏弥(訳)
出版社 大日本図書
 

「どうも、はいたらしい。」
 どうぶつえんのおりのなかで めをさました わにのアリがいいました。
「ゆうべは ちくちく はが いたんで ほとんどねむれなかったんだ。」
「それじゃ、はいしゃさんへ いかなくちゃ ならないね。」
と、あらいぐまが いいました。 「はいしゃさん」ときくと、アリは かなしくなりました。はいしゃさんなんて、こわくて、とてもいけそうに ありません。

  つぎのひ、はいたは ますます ひどく なりました。えんちょうさんが、いいました。
「きみは、やっぱり、はいしゃさんへ いかなくちゃ なるまいね。これが、バスのおかねで、これが びょういんの なまえと ところがきだ。なくすんじゃないよ。」
 アリは、あたまを しゃんとさせて でていきました。でも、ほんとうは、はいしゃさんが こわくて しかたがなかったので、つい、まちがった ほうこうのバスに のってしまいました。

●アリは、間違ったバスに乗ってしまったのに、「しめ、しめ、はいしゃにいかなくてもいいや」と喜んだり、「もう、いたくなくなっちゃった。」と、バスで出会った男の子の家に遊びに行ったりと、はらはらさせられますが、こんなアリに、共感してしまうお子さんも多いのでは。でも、結局は、また歯が痛くなって、ぽろぽろとなみだをこぼす始末。バスの男の子のお父さんは、実は歯医者さんです。『なんとかして、はやくアリを歯医者さんにみせてあげて。』と、読みながら心配せずにはいられません。

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