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1年生の今月の本


もっとおおきな たいほうを タイトル もっとおおきな たいほうを
著者 二見 正直(作・絵)
出版社 福音館書店
 

 あるくにに、ひとりのおうさまがいました。おうさまは、せんぞだいだいよりつたわる、りっぱなたいほうをもっていました。おうさまは、このたいほうがたいへんお気に入りで、これをうちたくてうちたくて、しかたなかったのですが、せんそうがなかったので、うてませんでした。

  ある日、おうさまが、いつものようにたいほうをうっとりとながめていると、けらいがやってきて言いました。
「たいへんです、おうさま。川でかってにさかなをとっているキツネがいます。」
「なんだって!」
 それをきいたおうさまは、とてもおこりました。なぜなら、この川でとれるピンクのさかなは、おうさまのだいこうぶつだったからです。
「キツネのくせに、なまいきだ。たいほうで、おっぱらってやる。」
 おうさまは、たいほうをもっていき、空にむかってドカンとうちあげました。キツネはびっくりして、とおくへにげていきました。
「はっはっは。だいせいこう」
 おうさまは、たいほうをうつことができて、だいまんぞくでした。ところが……。

●王様の強引なやり方に対して、キツネも負けじとやり返します。お互いに意地を張り合う様子は、争いを起こす人間の姿に通ずるものがあります。お互いを分かりあうためには、素直に相手を認める勇気が必要ですね。

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