トップページ > 読書案内 >  1年生の今月の本 > 1年生におすすめの本
 > 空とぶペンギン

1年生の今月の本


空とぶペンギン タイトル 空とぶペンギン
著者 やまだ ともこ(作)いとう みき(絵)
出版社 金の星社
 

「なに、これ?」となりのかつやがきいてきた。図工の時間にどうぶつの絵をじゆうにかくというテーマでわたしがかいたのは、ペンギンが大空をとんでいる絵。でも、かつやだって、人のことはいえない。だって、かつやのかいたゾウはビルの上にのっているし、はなが二本もあるのだから。
「ペンギンってどうして鳥のなかまなのかな」家でどうぶつずかんをながめながらつぶやくと、お兄ちゃんが教えてくれた。ペンギンはむかし空をとんでいたけれど、魚をおいかけて海にもぐっているうちに、とびかたをわすれてしまったんだって。たしかに、ずかんのなかのペンギンはほかの鳥とちがって羽がみじかい。本当に空をとんでたのかな。
 その日の夜。カーテンをしめようと立ち上がると、空のむこうから、黒くてまるいものが目にとびこんできた。なんだろう? 鳥じゃない。ひこうきでもない。黒くてまるいものは、うかんだりしずんだりしながら、こっちにちかづいてくる。パタパタ……、いやバタバタともがいているみたい。
「ペンギン?」
ドキドキしてほっぺたがあつい。耳もあつい。だって、空とぶペンギンなんて、テレビでもえいがでもみたことがないんだから。バッタバッタとひっしに羽をうごかしていたペンギンは、きゅうに目のまえからきえたと思ったら、バタット音がした。どうやらにわのほうにおちたみたい。わたしはいそいで外に出た。

●「ペンギンはもともと空をとべるんだよ」とつぜん空からやってきたペンギンのマイケルはそう話します。でも、南極や水族館にいるペンギンが飛んでいるところなんて今まで見たことがありませんよね。マイケルはさらにペンギンの驚くべきひみつを明かします。

Page Top