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1年生の今月の本


なまえをかえましょ! まほうのはさみ タイトル なまえをかえましょ! まほうのはさみ
著者 内田 麟太郎(作)なかや やすひこ(絵)
出版社 くもん出版
 

「はさみを、とって」新聞をよんでいたかあさんが、ともくんにいいました。(めんどうくさいなあ)ともくんは、しらんぷりで虫かごのなかのカブトムシをみつづけました。すぐそばにあったはさみも、かあさんの声もむししました。
そのときです。もわ、もわ、もわ。ピカーッ。白いけむりが上り、いなずまが走りました。「おばけ!」のけぞるともくんのまえに、ぬっと大きなハサミムシが立っていました。いえ、ちがいます。ともくんがむししたはさみ、ハサミ・ムシです。ハサミ・ムシは、ふきげんな声でいいました。「すぐにかあさんにはさみをとってあげれば、ほうびにまほうのはさみをあげてもよい。おまけのまほうもつけてな」「まほうの……、はさみ?」「そうだ。ことばをチョキンと切るはさみだ。切られたことばは、そのままほんとうになる。」たとえば、どろぼうをおっかけながら、『どろぼう』とつぶやき、はさみをチョキンとならすと、どろぼうは〈どろ〉と〈ぼう〉になるというのです。
ともくんは、すぐさま、かあさんにはさみをわたしました。ふりかえると、ハサミ・ムシはもうどこにもいませんでしたが、いつのまにか手のひらにはちっちゃな青いはさみがのっていました。ほんとうにまほうのはさみなのか、しんじられません。(ためしてみるか、これで)テーブルの上にはおとなりからいただいた「かつおぶし」があります。ともくんは「かつおぶし」とつぶやき、はさみをチョキンとならしました。

●「かつおぶし」をチョキンと切ると何と何になるのでしょうか? また、もし、まほうのはさみがあったら……と、身の回りの言葉がどんなものに変身するのか言葉遊びの感覚で考えてみるのも楽しいと思いますよ。

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