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1年生の今月の本


ちびっこやゆよ タイトル ちびっこやゆよ
著者 宮下 すずか(作)市居 みか(訳)
出版社 くもん出版
 

 明日から三月なのに、ぴゅうぴゅうとつめたい北風がふいています。春がくるのがまちどおしいまいにちですが、こまったことに、いま、つたえあいましょうがっこうでは、かぜがはやっています。かばのユマくんは、きょうもじゅぎょうがおわってから、としょかんで本をさがしていました。すると、ちょうどそのときです。「はっ、はっ、はっくしょん!」それはそれは、大きなくしゃみ。ユマくんのくしゃみは、あたりになりひびき、風のようになって、目の前の本のせなかにふきかかりました。
 さあ、たいへん! すばやく本にしがみついたもじはよかったけれど、のほほんとしていたもじや、小さくて体重のかるいもじは、いっしゅんにしてふきとばされてしまいました。「ありと□りぎりす」「いっすんぼ□し」「う□ぎとかめ」のように本のせなかのだいめいは、あちこちあながあいたようになってしまいました。ユマくんといっしょにいたともだちも、みんなが手つだって、大いそぎでもじをひろいあつめました。
だいたいのもじを本のせなかにくっつけていきましたが、たいへんです。さいごにこまったことがおきたのです。本のせなかのもじがたりません。「ぶんぶくち□がま」「り□うの目のなみだ」「にんぎ□ひめ」ユマくんたちが「ちびっこやゆよ」とよんでいる小さな〈や〉〈ゆ〉〈よ〉だけが、あちこちさがしても、どこにも見あたりませんでした。

●もしも世界から「ちびっこ やゆよ」が消えてしまったら、ねずみの鳴き方は「ちゅうちゅう」でなくて「ちうちう」になるし、ユマくんのすきな「しゅわしゅわ」のソーダは「しわしわ」になってしまいます。「ちびっこ やゆよ」はさびしがりやだから、いつもある決まった文字にいつもくっついているのだそう。それを手がかりにしてみんなは学校中を探すことにしました。

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