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1年生の今月の本


ジオジオのかんむり タイトル ジオジオのかんむり
著者 岸田 衿子(作) 中谷 千代子(絵)
出版社 福音館書店
 

 ジオジオは、らいおんの中でも いちばんつよい 王様です。ジオジオの あたまの上の かんむりが とおくのほうで ちかっと光ると、だれでも かくれてしまうほど。
でも、ちかごろ、ジオジオは つまらなかったのです。きりんや しまうまを おいかけるのも いやになって、水の中を ゆっくり のぞいて みたくなりました。だれかと、ゆっくり 話して みたくなりました。
「おや、しらがが はえてきた。おや、めが よくみえなく なってきた」
 ジオジオは 年をとったのです。あるとき、ジオジオの すぐそばで灰色のとりが 言いました。
「王様、わたしも つまんないんです。だって、六つもあった たまごが、みんな なくなって しまったんですよ。三つは ひょうが ぬすんだんです。二つは へびが のんだんです。あと一つは、川の中に おっことしてしまったんです」
「そうかい、そりゃ つまらないだろうな。うむ……、いいこと、かんがえた。たまごを うみたいなら、いいところが あるぞ。おれの あたまの上の かんむりの中なら、どうおもう?」

●ジオジオの頭の上というどこよりも安全な場所で守られながら、卵達は順調にかえっていきます。生きるためには強くあることも必要ですが、さびしさや悲しみを分かちあえる相手がいることの素晴らしさを、子どもにもわかりやすい優しい言葉で教えてくれます。

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