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1年生の今月の本


さいごのまほう タイトル さいごのまほう
著者 中島 和子(作) 秋里 信子(絵)
出版社 金の星社
 

 雪がつもったふかい森の奥に、まじょのおばあさんが一人ですんでいました。でも、ほこりたかいまじょは「さみしい」なんて言いません。
「まじょは、ひとりぼっちがおにあいなのさ。」
 強がりばかり言っていたまじょですが、あるとき大変なことに気がつきました。
「大変だ! もうすぐ まほうの力が きえちゃうよ!」
 年をとると、まじょは まほうが 使えなくなって しまうのです。あわてた まじょは ふつうのおばあさんに なってしまう前に、みんなに「かわいい!」とか「すてき!」と言ってもらえそうな『いいもの』に変身してみたいと思いました。でも、ちっとも上手くいきません。
 町へいけば なにか 見つかるかもしれない。そう思った まじょが、町へつづくながい坂道を よろよろと のぼっていると、「よいしょ よいしょ!」――小さな手が、せなかを おしてくれるでは ありませんか。
(だれだろう……)
 まじょの むねが、ふわあっと あたたかく なりました。
「おばあちゃん、だいじょうぶ?」
 ふり返ると、ほほを まっかにした 男の子が、まじょの 顔を のぞきこんでいます。まじょは、そんなふうに だれかにきかれたことが なかったので、どぎまぎしました。

●誰かの優しさに触れて、かたくなだった心が嘘のようにときほぐされたことはありませんか? ずっと一人ぼっちで生きてきた魔女の心も、男の子との出会いによって大きく変化します。そんな魔女が「さいごのまほう」で変身したものとは何だったのでしょうか。自分ではなく、相手を思いやることで得られる幸せについて教えてくれるお話です。

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