ななは、もうじき小学一年生。ぴかぴかの机や新しい服やくつもそろえてあります。しかしななは、一つだけ、気に入らないことがありました。それは、約束していたタンスを買ってもらえなかったことです。

　 ななのタンスは、小さなベビーダンスでした。

　 入学式の日、ななにはミキちゃんという友達ができました。ミキちゃんは、早速、ななの家に遊びにやってきました。ミキちゃんは、ななのベビーダンスを見て言いました。
「へぇー、まだ持ってるんだ。このタンス、赤ちゃんのでしょ。ミキのは大きいよ。白くて、鏡もついてるんだ」

　 ミキちゃんが帰った後、ななは、新しいタンスを買って欲しいとお父さんとお母さんにせがみました。
　すると、お父さんは言いました。
「そうだ、うちに、いいタンスがあるぞ。おばあちゃんが使っていたきりのタンス」

　 こうして、ななは、おばあちゃんのタンスを使うことになったのですが、ななは気に入りません。