まさのりの家は、平屋の古い家だ。庭には、年寄りの犬が住んでいる。フーフーっていうんだ。

　 木でできた犬小屋は立派だし、名前も風がひゅうひゅう吹いているみたいでかっこいい。でも、フーフーはだめ犬なんだ。芸が何もできない。ほとんど一日中ねそべっている。

　そんなある日、まさのりは、友だちの家で遊んで、帰ろうとしたときだった。
　通りの向こうを、首をふりふり歩いていく犬が見えた。フーフーだ。

　 ひとりで散歩している。かってなやつめぇ。よぉし。
　まさのりは、こっそり後をつけていくことにした。