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> こうちゃんとぼく
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タイトル |
こうちゃんとぼく |
著者 |
くすのき しげのり(作) 黒須 高嶺(絵) |
出版社 |
講談社 |
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「ぼく、『やまの こうさく』です。よろしく おねがいします。」
十月。ぼくらの クラスに、てんこうせいが やってきた。こうさくくんは、まえの 小学校の せいふくを、それも ずいぶん 大きな せいふくを きていた。でも、ぼくらの 小学校には、せいふくが ない。
「せいふくなんか きてさ。」「あはは、へんなの。」ぼくの うしろの せきから、小さな わらいごえが きこえた。「そんな こと いうなよ!」ぼくは、うしろの せきの ふたりに いった。まえを むくと、こうさくくんが、うれしそうに にこっと わらった。
そのあとの せきがえで、こうさくくんは、ぼくの となりの せきに なった。たんにんの 白鳥先生は、こうさくくんを ぼくの となりの せきにした。そのことが、なんだが 先生に たよりに されているみたいで、ぼくは うれしかった。
こうさくくんと ぼくは、すぐに なかよく なった。そして、だれとでも えがおで はなしをする こうさくくんは、クラスの みんなとも なかよくなり、こうちゃんと よばれるように なった。こうちゃんの はなしは、どれも とびきり おもしろくて、こうちゃんの まわりには、みんなが あつまるように なった。じゅぎょうちゅうの こうちゃんは、よく 手を あげて はっぴょうを した。はしるのも はやかった。
ぼくは、だんだん おもしろく なくなってきた。いままでは、ぼくが クラスで なんでも いちばん だったのに。こうちゃんなんか、………………てんこうして こなければ よかったのに。
●ぼくが初めて抱く嫉妬の感情。この感情がもとで、ある日、こうちゃんとぼくは、大喧嘩をしてしまいます。こうちゃんの着ている大きな制服にも秘密があって…。小学生の時、仲良くしたりけんかしたり、一緒に笑って泣いた友達は、きっと大人になっても大切な友達なんでしょうね。
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