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1年生の今月の本


かいじゅうでんとう タイトル かいじゅうでんとう
著者 木村 裕一(作) 飯野 和好(絵) 
出版社 あかね書房
 

 どうしよう……。いくら さがしても、いもうとの けいこに かりた ミニゲームが みつからない。かえりみち、あんなに はしらなければ よかった。ランドセルの ふたを きちっと しめてさえ おけば……。「ぜったいに かえしてよ。」「しんぱいするなって。しょうたさまが なくすわけ ないだろ。」「もし なくしたら、わたしが おねーさんで、おにいちゃんが おとうとに なるって いうのは?」「はいはい。なんでも おねーさまの いうことを ききますって。」ゆうべの けいことの やりとりを おもいだしながら、ぼくは、うすぐらくなった アスファルトに めを こらした。
 一だいの くるまが さかみちを のぼってくる。なにげなく めを やって はっとした。ライトを つけている。おもったより くらくなってきてるんだ。じょうだんじゃない。いもうとに いっしょう あたまが あがらなくなっちゃうぞ。そのとき、ぼくは、みちばたの ざっそうの なかに なにかが キラッと ひかるのを みつけた。ひろいあげてみると、それは、ぎんいろの かいちゅうでんとうだった。これは ついてる。これさえ あれば くらくなっても さがせるぞ。
 ぼくは さっそく スイッチを いれた。すると、ボワンと ひかりが でて、めの まえに へんてこな かいじゅうが あらわれたじゃないか。

●しょうたが拾ったのは、かいちゅうでんとうではなく、かいじゅうでんとう。かいじゅうは、しょうたの頼みを何でも聞いてくれると言います。早速、ミニゲームを見つけてもらったしょうたは、次々と頼みごとをしますが、このかいじゅう、口で大きなことをいうわりに、結構弱虫なのです。なんだか、しょうたに似ています。

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