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1年生の今月の本


うでのいいくつや タイトル うでのいいくつや
著者 くすのき しげのり(作) 澤野 秋文(絵)
出版社 フレーベル館
 

 あるまちに、うでのいい くつやが ありました。くつやの センベルが つくる くつは、まちの ひょうばんでした。しかし、それは むかしの はなし。今では むすこの イデアが つくる くつのほうが、にんきが あるのです。ピカピカ ひかる かざりが ついていたり、かわいい リボンが ついていたり、みんな イデアが くふうを こらして つくった しゃれた くつを かっていきます。
「なあ、とうさん。おれの つくる くつは よく うれるだろう。とうさんが つくるような くつは、じだいおくれなんだよ。この みせを おれに まかせてくれないか。もっと もうけてみせるから」センベルは、イデアが いうのには かまいもせず、こつこつと くつを つくっています。
 そんな あるひのことです。おうさまから、「くにじゅうで いちばん すばらしい くつを さしだしたくつやを『おうさまの くつや』にする」という おふれが だされました。イデアは はりきって、いままで つくった くつの なかで、いちばん みごとな できばえの くつを つくりました。つぎのひ、イデアは おうさまに よばれました。「とうさん。おれは おうさまに よばれたよ。きっと、おれが おうさまの くつやに えらばれたんだ。おれのような むすこを もって、とうさんも はなが たかいだろう」そういう イデアに、センベルは いま しあがったばかりの くつを さしだしたのです。

●センベルの作ったくつを履いたイデアは、あることに気づきます。履く人のことを考え抜いて、丁寧に作られたそのくつには、父親の息子への愛があふれていました。「相手の立場に立って物事を考える」そんな大切なことに気づかせてくれる一冊です。

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