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1年生の今月の本


きんのことり タイトル きんのことり
著者 あまん きみこ
出版社 PHP研究所
 

 ちいさい きたかぜのこが、ひのみやぐらのてっぺんで やすんでいます。ながい たびのとちゅうでした。
(とおくまで きたなあ)
  かぜのこは、ためいきを ほっとつきました。

  かぜのくにをしゅっぱつするとき、おかあさんがいいました。
「きたかぜは みなみかぜのように、にんげんやどうぶつに よろこばれないんだよ。でも きたかぜも りっぱなかぜだからね。そのことを わすれてはいけないよ。わかったかい。」
「わかったよ。」
と、かぜのこは、げんきにいいました。

  けれど、おかあさんのことばの ほんとうのいみがわかったのは、たびにでてからでした。

  きたかぜのこが とんでいくと、にんげんたちは、いそいでまどや とを しめました。どうぶつたちは あわてて すに もどりました。木々はみぶるいをして、
「どうかちかよらないで。」
と、たのみました。

  きたかぜのこは、しだいに げんきがなくなりました。

「ああ、ぼく、みなみかぜになりたかったなあ。」

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