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1年生の今月の本


ええことするのは、ええもんや! タイトル ええことするのは、ええもんや!
著者 くすのき しげのり(作) 福田 岩緒(絵)
出版社 えほんの杜
 

 がっこうからの かえりみち、「くるまいす」が とまってた。「おっちゃん、なにやってんの?」ぼくは こえを かけた。「ごらんのとおり、でんきで うごく くるまいすに のってるんやけど、スイッチを いれても、ウンともスンとも いわんやろ。きっと でんきが なくなったんや。まったく、トホホやで」おじさんは、おおきな ためいきをついた。きょうにかぎって、けいたいでんわを わすれて、いえに でんわも できないらしい。「おっちゃん、むこうの コンビニに こうしゅうでんわが あるで。そこまで、くるまいすを おしてあげようか」「ありがたいけど、おしたら、おもいんやで」「だいじょうぶや。それに コンビニまでなら かえりみちや」ぼくは、くるまいすの うしろに まわった。(うっ…、ほ、ほんまに、おもい!)
「おーいマナブ、なにしてんの」ともだちの ダイスケとヒデトシが、ぼくを みつけて はしってきた。「おまえ あせだくやんか!ちょっと かわったろか」ダイスケとヒデトシのことばに、ぼくは、くるまいすを とめた。そのときや。かえるとちゅうの じょしたちが こえを かけてきた。ぼくが くるまいすを おしている りゆうをしった じょしたちは、「すごーい。それって『ボランティア』やろ!」「ええことしてるやん!」「マナブくん、りっぱやわ!」「わたし、そんけいするわ!」
(ボランティア? ええことしてる? りっぱ? そんけいする??)とつぜん いわれた ことに、ぼくは おどろいた。

●道で出会う人にも「えらいわね!」「がんばれよ!」などと声をかけられ、マナブは嬉しくてたまりません。調子にのったマナブは、坂の上にあるおじさんの家まで車いすを押すことに。しかし、角を曲がってからは人がいなくなり、マナブの頑張りを見てくれる人は誰もいません。汗だくになりながら、マナブは考えました。(なんで、ぼくはこんなことをしてるんやろ。「ボランティア」ってなんや?ぼくは、ええことしてるところをだれかに見てもらいたかっただけやろか?)

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